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出版不況と言われて久しいが、2007年に読んだ鉄道趣味書で「これは」と思ったもの3冊を紹介しよう。著者から1銭も貰ってないから、言いたい放題である。
1. アメリカの鉄道史ーSLがつくった国ー 近藤喜代太郎著 成山堂 ¥3,990
著者は医学者。アメリカ史専攻かと思うほどに、合衆国成立の背景から説き起こし、バルチモア・アンド・オハイオ鉄道中心に1950年代に凋落したSL時代が語られている。SLファンなら誰でも知っている軸配置によるニックネームだが、その由来とアメリカでの製造概数など、電車ファンには目新しいものがある。
1960年代だったと思うが、ディズニィー映画「機関車大競争」が放映された。南北戦争の最中、アメリカンタイプのSLが主に山の中を走りまわる(理由はカット)のだが、老人は最初公楽大劇場、2度目は美松映劇でみた。その後、放映がない。この話が簡単に紹介されており、大感激であった。西部劇の舞台がアパラチア山脈西麓から移動する過程において、インディアンと鉄道を先鋒とした開拓者との対決の話では、現今のアメリカ国際戦略に再考を促すものがあると思う。
電車ファンに大切なインタァーバンは極々々僅か触れられている。ローカルな扱いだが、流通の世界では重要な役割を果たしていた。SLの本だから仕方がないか。
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