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【987】吉川 文夫氏のこと
 湯口 徹  - 07/8/15(水) 11:55 -
  
吉川氏との接点は半世紀以上前に遡る。高校生3年だったか、1浪中だったか。当時吉川氏は日大生だったと思うが、青木栄一氏らと共に久我山鉄道同好会を結成。ガリ版手作りの会誌PANTOGRAPHを刊行されていた。その72号あたりで小生も読者に加えていただき、投稿したこともある。100号まで出た。

その後何とか当方も大学生の端くれとなり、確か1958年頃、当時東急沿線のお宅に伺った。ついつい話が弾み、気がつけば小生御用達の東京23時35分発大坂行131レ(勿論各停)に間に合わないではないか。渋谷までの東急内で、どこでステホ(ステーションホテル=駅待合室で寝ること)するか考えていた。流石に東京近辺では無理で、電車でできるだけ西へ行くか。

途中で東京を23時40分に出る421レなら、ひょっとして品川(0時12分)で間に合うんじゃないかと気付き、間一髪乗車できた。客車列車ならでは、だった。

蛇足だが、131レと421レとは東京で5分の違いが、大阪着は12時8分と14時44分=2時間36分違う。421レは本来静岡始発(5時37分)列車で、シーズンだけの延長を定期化し、熱海65分、沼津で42分停車して、その間手荷物や貨物列車に次々抜かれるからである。

話がそれた。我々の趣味界に学術世界の習慣が持ち込まれて久しい。単なる道楽物好きの世界にある程度の科学的手法が導入されたのは歓迎すべきだが、反面アカデミック世界の、先生の説に弟子は絶対に異を唱えない、というより唱えられない等の悪癖も蔓延させた。

しかし吉川氏はそういった世界とは全く無縁の、温厚・誠実な常識人で、知識は深く、それでいて謙虚な、文字通り「お人柄」の先輩であった。気軽にお尋ねでき、筆まめですぐ的確なご返事がいただけたのも懐かしく、どれだけ多くのことを教えていただいたことか。いい先輩に恵まれたことを心から感謝したい。
引用なし
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【987】吉川 文夫氏のこと 湯口 徹 07/8/15(水) 11:55

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