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会員の多くの方の写真フィルムに、次のような現象が発生していると思います。
1.カーリング 2.酢酸臭
3.画像に白色結晶痕(焼き付けるとクラックに見える、今の所私だけの現象か)
映画フィルムや小型シネフィルム等の他、マイクロフィルムなど写真と同質材料
のフィルムは約20年ほど前に劣化が発見されて問題になり、 ビネガーシンドロ
ームと呼ばれました。そして今は劣化の少ないと思われる(皆無とは言えないが)
材質に変更されています。
ビネガーシンドローム(加水分解による酢酸の発生と、フィルム材質の劣化症候)
は、TAC(tri-acetyl cellulose、cellulose tri-acetate、三酢化セルロース、酢酸繊維素)製フィルムに発生します。TACは難燃性で劣化が少なく、資料の長期保存に耐えるフィルムとして、1960年代初めから使用されてきました。易燃性のニトロセルロースフィルム(セルロイド系)に換わって登場し、相当の長期保存が期待されたようですが、実際は早期に劣化しました。そして現在はPET(ポリエステル、ペットボトルやポリエステル繊維と同質)製フィルムに置き換わりました。
我々の写真フィルムは短く裁断し、フィルムフォルダーに入れて保存しますが、
映画フィルム等はフィルム同士が密着し、加圧状態で巻かれているために被害が
大きいようです。一方、マイクロフィルムは大量保存で、これまた早期に劣化し、復元も思うようにならない状況と聞きます。
この現象発生の理由と劣化対策をネット上で調査し、富士フィルムにも質問しまし
た。ネット上には、マイクロフィルムに関する学会や公文書館、図書館の情報と劣化対策が沢山ありました。一方、富士フィルムからは、資料送付(ネット上にある資料と同資料)はありましたが、こちらの質問−特にフィルムのカーリング現象−に納得行く回答は得られませんでした。
それはともかく、フィルムに酢酸臭が発生している会員の皆様、PDF資料が3種類
あります。下記URLにアクセスの上、ダウンロードしてご利用ください。
(下記URLを切れないように、ブラウザのアドレス欄に貼り付け、ダウンロード先からダウンロードして下さい。ダウンロードできなければ、鶴宛にメールを下さい。折り返しダウンロード先のURLを連絡します。メール添付では送付できません。)
https://cocoa.ntt.com/cc_pc/ST055?RE_ID=4530133b7ed554d632b79725b127031&INTRO_ID=594840&CID=01&SCID=0000
ダウンロードできる資料は、下記の3点です。
1.『マイクロフィルム保存の基礎知識』
国立国会図書館収集部資料保存課
2.『マイクロフィルム保存の手引』
社団法人日本画像情報マネジメント協会
3.『マイクロ写真の基礎Q&A』
月間IM、金沢勇二(富士フィルム)著
私のメールアドレスは
tsuruhiroaki@ma.neweb.ne.jp
です。
私の劣化現象、特に画像のクラック状態とその解決法などについては、次回に報告いたします。今日はこれまでにします。
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