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【759】北の“酷”鉄 ZAKZAKより転載
 本家・青信号編集部  - 07/2/5(月) 17:40 -
  
北の“酷”鉄…ミステリートレイン実態とは

 “鎖国”の影響でこれまで実態が不明のままだった北朝鮮の鉄道網や列車の車種、運行状況を詳細にリポートした「奇書」が出版された。なんと植民地時代よりも列車のスピードが遅くなっている事実や、金(キム)正日(ジョンイル)総書記(64)専用ホームの存在も発覚。不思議だらけの“鉄道王国”へ、いざ出発進行!!

 知られざる朝鮮鉄道局の全貌を明かした『将軍様の鉄道 北朝鮮鉄道事情』(新潮社、1995円)を上梓したのは、各国の鉄道事情に詳しいトラベルライターの国分隼人氏(42)。

 国分氏は鉄道ファンから「最後の秘境」と呼ばれる北の鉄道時刻表(2002年版)を独自に入手。パンフレットのような簡易な作りながらも「本来ならば国家機密であるべき電化、非電化区間がすべて記載されていた」(国分氏)。この時刻表をもとに戦前の時刻表を対比するなどして営業距離5214キロにもわたる北の最新路線図を完成させた。

 「電化されている区間が韓国や日本よりも多く、全体の80%にもなる。北朝鮮は石油が出ないため、『自力更生』を目指した金日成(イルソン)主席が進めた政策だったが、最終的にマイナスとなった」(同)

 特に最近の電力不足は運行ダイヤに大きく影響を与え、「時刻表はあくまで理想なのかもしれない。人々は口コミで運行状況の情報を得て駅に集まってくる」というから驚きだ。

 国分氏はまた、北京−平壌の国際列車をはじめ、外国人にはなかなか開放されないローカル線にも乗車することに成功。「本来、鉄道は軍用なので見せたがらなかったが、00年ごろから海外のツアー客を呼び込める価値を(当局が)知り、態度が軟化してきたので乗ることができた」

 「レールから何から昔のまま。電気機関車は開発された時点で時速80−90キロなのに、実際には30−40キロしか出さない」と、とにかく北の列車は遅いと強調する。保線が不完全なため、スピードを出せば脱線の危険があるからだ。

 「だから、国際列車はダイヤに余裕を持っている。中国に入ってからスピードを上げる。電気の信号がないのでタブレット(通行証)の交換をやっていたり、トラクターが引く荷台に乗って移動する人たちの姿が見えたり、日本人としてはちょっと懐かしい旅ができる」と、のどかな車窓が広がる。

 一部報道では人民が極貧生活を強いられているとされるが、「実際は中国の地方と比べて卑屈になるほど貧しい風景ではなかった。ただ、外国人が乗れるのは(半島の)西側のみ。東側はどうなっているかわからない」と話す。

 04年4月に大爆発事故が起き、駅舎ごと吹っ飛ばされた龍川(リョンチョン)駅は「援助のおかげか、きれいな白いマンションが建っていた」といい、すでに復興作業は終わっているようだ。また、「どんな小さな駅にも駅員がいた。怪しい人物が出入りしないか監視する意味があると思う。将軍様が立ち寄った駅のホームには、通常ないはずの屋根があった」といい、他の国の鉄道とはちょっと変なのも事実だ。

 中朝国境から平壌まではうまくいって所要5時間。戦前は蒸気機関車でも4時間15分というから、北の鉄道は確実に退化したことが実証された。国分氏は戦前の日本が生産した蒸気機関車が力強く貨車を引く姿をビデオに撮影し、付録DVD「北朝鮮の車窓から」に収めた。

 だが、SLは北にとって貴重な資源となる石炭を消費するため「解体されて、鉄にするため中国に売られている」ようで、国分氏が撮影したSLの映像は歴史的にも貴重なものとなるのは間違いない。 
引用なし
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【759】北の“酷”鉄 ZAKZAKより転載 本家・青信号編集部 07/2/5(月) 17:40

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