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【739】地場、いきまっせ。 その6
 67'田淵 仁  - 07/1/18(木) 14:13 -
  
大和川を渡る鉄道めぐり (1)−2

2.阪堺電軌・阪堺線橋梁は、南海本線に平行し競合線として初代の阪堺電気軌道が、明治44年12月に恵比須町〜大小路(旧市ノ町)間の開業時に供用された複線橋である。橋桁に「明治44年 横河橋梁製作所大阪」の銘版がある。昨年に塗り替えられ(紅殻色系)輝きを放っている。「住吉鳥居前」の次ぎの「細井川」から車庫のある「我孫子道」、南側の「大和川」そして堺市街の「綾ノ町」までは専用軌道である。橋の下流側の堤防脇に国土交通省の小さな石柱があり、「河口から4.0Km やまとかわ」の表示がある。臨海工業用地で埋め立てられたので、完成当時の海岸線はもっと近くて1Km以内ではなかったかと思われる。下流の南海本線橋とは300m位で橋長はともに200m位である。
 3.南海電鉄・高野線橋梁は、大阪から高野山をめざした高野鉄道が、明治33年8月に汐見橋(当初、道頓堀)〜堺東(当初、大小路)間の開業時に単線供用された。その後高野鉄道は明治40年11月に高野登山鉄道に合併され、その後大正4年に大阪高野鉄道と商号を変更、さらに大正11年9月に南海に合併され、高野線となる。大正14年6月には複線化され、張付け線増されている。
南海本線(初代)、高野線、阪堺軌道線の各橋梁に共通するのは、すべて明治期の建設で、橋脚は鉄管製で、橋桁も重厚なリベット仕上げが特徴である。
阪堺線は当初より複線仕様であり、現在も架線鉄柱を除いて建設当時そのままと云われている。初代の南海本線橋梁は写真で確認できるが、ほぼ高野線橋梁と同系であるようだ。ともに単線橋梁で完成したが、どちらも張り付け線増で複線化されている。その様子は高野線橋梁でうかがえ、単線時は2本の鉄管橋脚に橋桁が架かかり、線増は並んで上流側に1本の鉄管橋脚を増設し、線増の橋桁を載せる梁を新旧橋脚上部でリベット接合してある。旧橋の梁より大きく、また橋脚の足元に巻かれている水流保護のためにコンクリートは旧脚より大きい造りとなっている。
 4.JR西日本・阪和線橋梁は、阪和電鉄が昭和4年7月に天王寺〜和泉府中間の開業で供用された複線橋梁である。橋脚は重力式のコンクリート製で華奢に見える1.〜3.と異なりまさに重量感あふれている。また先の阪和線美章園で紹介したと同じようにこの橋梁部の架線鉄柱はガントリータイプであり、丸ごと阪和時代の状況と思われる。ちなみに阪和線最大橋梁の和歌山の紀ノ川橋梁は現在すぐ上流側でトラス橋が建設中で、JR西日本の儲けぶりが感じられる。3月には完成であろう。橋梁の南端には浅香駅のプラットホームがあり昔から終日編成写真が撮れることで有名の地点である。ただ東側に大きなマンションが建っており、午前中の東側は影となるようだ。また駅ホームの西外側の河川堤防からも格好の撮影場所である。大和川はここより西北に流れを変えているが川面でさえぎりがないので1Km先に高野線橋梁が見遣れる。
写真(4)南海高野線橋梁 明治期の鉄管橋脚がみてとれる。
写真(5)同 左側が貼り付け線増部
写真(6)JR阪和線橋梁 阪和時代そのもの

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