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大和川を渡る鉄道めぐり (1)−1
今回から趣向を変えて、この大和川に架かっている鉄道橋の全ての探訪を試みた。
大和川は、その名の通り、大和の国の中心、奈良盆地の水を集め、その南西部の生駒山地と葛城金剛山地の境目から大阪平野に抜けて大阪湾にそそぐ、約70Kmの一級河川である。大阪と堺の境界でもあり、奈良へも近いため、大阪の都心から南や東方向に伸びる鉄道線のほとんどが大和川を渡っている。
1.南海電鉄本線 2.阪堺電軌阪堺線 3.南海電鉄高野線 4.JR西日本阪和線
最も大阪湾に近い、つまり最下流に架かっている鉄道橋は、1.南海の南海本線大和川橋梁で、この上流約1Kmの間に2.阪堺電軌・阪堺線、3.南海高野線の各大和川橋梁と、三つの南海系鉄橋がほぼ東西に一直線に並んでいる。この海辺あたりは昔からの大阪〜堺間のメイン通路であり、中間部の市街化も早かったこともあり、1Km強の区間に道路橋4、鉄道橋3の計7橋が集中している。また高野線橋から大和川は上流に向けて南西にU字形を描いているが、ほぼ1Km先に4.JR西日本・阪和線橋梁がある。この4鉄橋の地区は大和川鉄橋の1番目のハイライトである。徒歩でなら河川敷を行けるので、4路線を撮れる都合のよいコースである。
1.南海電鉄・本線橋梁は、大和川に架かる鉄橋の中で一番古く架けられた橋で、日本で最古の私鉄、南海の前身阪堺鉄道が明治18年12月に難波〜大和川(大和川北岸)間の開業に引き続いて、明治21年5月大和川〜堺(吾妻橋)間開業時に供用開始となっている。しかし昭和52年4月に大和川北岸以北の高架化に伴い橋梁のレベルが高くなるため、当初の橋梁の両外側に単線並列の新橋が複々線の外側線の高架化と同時に完成(複々線はこの大和川橋梁以南は複線となる)し、2代目となっている。
南海本線は当初、釜石鉱山の廃線施設を再用したため、軌間888mmの蒸気鉄道で発足したが、明治30年12月に1067mmに改軌、同時に住吉〜堺間が複線化されている。鉄橋も複線化されたが、張付け線増である。明治31年10月に南海鉄道となり、明治40年8月に電化された。現在の橋梁の大きな景観の特徴として、昭和50年の阪神高速道路15号堺線の開業に伴い、コンクリート製の高速道路橋がこの橋梁の直上を西北側から南東側に45度の角度でX字上にオーバーパスしている。高速の下り車線でこの橋にかかると右手(東側)に直下の南海本線橋を始め高野線橋までの5橋が一目で見渡せ、壮観である。運転には注意を!!
写真(1)南海電鉄・本線 大和川橋梁 ワーレントラスそして騒音低減のためか下路プレートガーダの腹板部が深くなっている
写真(2)阪堺電軌・阪堺線 大和川橋梁
写真(3)同 冬空のなか、生駒山脈を背景に
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【地場2.jpg : 132.6KB】
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