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MARIAZELLERBAHN その2
前回[667]でこの線の連結器のことを記したが、文字だけではよく分からんとのご指摘があり、写真を入れる。中央は通常のピンリンクだが、この連結器は遊間が必然である。このため欧州標準だが小型の螺旋連環式を併用し、それもピンリンク式の左右で相互に懸け合うという、珍しい方式=連結遊間解消が目的と思われる。それもエンドビーム内に左右を結ぶイコライザーがあって、カーブで片方のみに力がかかって切断するのを防いでいる「相互平衡装置」つき。これはわが国の鉄道連隊の車両(軌間600mm)もそうだった。
なお我国栃尾鉄道でも同様ピンリンクの両側で相互に細い鎖を懸け合っていたが、単なる「気休め?」というか、作業員保護?程度で、連結分担は果たさない不可解な代物であった。しかも栃尾電鉄改称後旅客車がウイリソン自連に交換後も、越後交通栃尾線としての最後まで続けていた。
標準軌間貨車を軽便線に直通させる特殊台車も分かりずらいとのことで、アップ写真を入れておく。極めて小径の車輪で重心を下げ、大きな貨車を載せて、我国なら監督当局が厳しく規程する車両定規など糞食らえというべき「おおらかさ」ではある。
起点ザンクド・ペルテンから4つ目の駅、Ober Grafendorf から西へ、やはり760mmの軽便=非電化のローカル線が分岐し、B-Bロッド式の箱型デイゼル機関車(左)が活躍している。我々はその前で機関士にシャッターを押してもらった。相棒は前にも書いたが、かつての煙プロ同人で当然写真の名手であり、野次喜多道中の企画運営進行一切を司るツアコン(通称ウメムラツーリスト)であり、危機管理の達人である。
現在のマリアツェル線は、定期直通列車がザンクド・ぺルテン発7時25分、8時24分、13時27分、16時28分の4往復に減ってしまった。大方の客は自動車かバスを利用するのであろう。土日と5月1日〜10月26日の毎日には10時24分発、EMU4090型という新鋭電機牽引列車がある。ローカル等には5090型電気式ディーゼルカー(235KW/92KW×2)が架線の下を走っている由である。
なおPANORAMIC 760 =NOSTALGIC WITH MH6 (MH6号Dテンダー蒸機牽引)なる定員制特別列車がシーズンや休日に走る。50人乗りサルーンコーチ、子供コンパートメント付26人乗り車、豪華サルーンコーチ、食堂車、展望コーチの5両編成だが、多客で7両になると電機が牽くらしい。760とは勿論軌間(mm)である。http:www.schmalspur.at/panoramic760/derzug.html
http:www.mariazellerbahn.at/em/
【2種併用の連結器.jpg : 145.6KB】
【標準軌貨車を載せる台車.jpg : 139.4KB】
【非電化線との分岐駅.jpg : 305.8KB】
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