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幻の仙台鉄道、地図に再現 詳細な軌道図作製
仙台市内の鉄道愛好サークルが、戦後に廃線となった仙台鉄道(北仙台―西古川)について、市内の詳細な軌道図を作り上げた。資料があまり残っていないため、沿線住民からの聞き取り調査や実地踏査を繰り返し、完成させた。研究成果は7、8の両日、青葉区の旭ケ丘市民センターで開かれる「『幻の仙台鉄道を辿(たど)る』絵画と資料展」で発表する。
調査したのは、40代から70代の市民14人のグループ「軽便っこ」(石川博嗣会長)。昨年秋に同市民センターの市民講座で仙台鉄道について学んだ受講生が、講座終了後も調査を続けるために結成した。
仙台市内(北仙台―陸前大沢間、約11キロ)は大まかなルートしか分からず、廃線後、急速に宅地開発が進んだため、痕跡もほとんど残っていなかった。
メンバーは月2回集まって、どこに線路が走っていたか調査した。仙台鉄道に詳しい市民講座の講師、児玉健さん(37)=泉区=からアドバイスを受け、当時の新聞を調べたり、鉄道を知るお年寄りらに話を聞いたりして、軌道跡を確定。北仙台―山の寺間の約9キロを住宅地図に書き入れた。
今回の調査で、軌道は台原森林公園(青葉区)の東側を真っすぐ北上していたことなどが分かった。
「軌道が家のすぐ近くを通っていたと知り、親近感を持った」と石川会長。「メンバーが手分けをして調べ、何とかルートが分かった。仙台鉄道のことを多くの市民に知ってもらいたいし、情報も寄せてほしい」と協力を呼び掛けている。
グループは仙台鉄道の歴史を語り継ぐため、沿線風景やお年寄りらのインタビューを収録したDVDを来春までに製作する計画もある。
仙台鉄道は、前身の仙台軌道が1922(大正11)年に通町―八乙女間で運行を開始。29(昭和4)年に北仙台―中新田(現JR西古川)間が全線開通し、通勤通学や物資輸送に利用された。台風の被害などで60(昭和35)年までに全線が廃止された。
絵画と資料展では、宮城県利府町の画家、児玉泰隆さんの沿線風景画や鉄道の行き先表示板、こう配図も展示される。
午前10時から午後3時半まで。入場無料。連絡先は同市民センター022(271)4693。
2006年10月05日木曜日
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