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その3 阪神 難波延長線(2) 建設沿線を歩く
私は新線の建設現場は過去一度も見に行ったことは無い。今回は近鉄の延長線でもあり、また足のリハビリにもなり、そして距離も4Km位なので、散歩してみた。
延長線は、阪神西大阪線の現終点、西九条から高架で南東方向に向かい安治川を越え、地下鉄中央線九条を経て大阪ドームより東進し、南海汐見橋線汐見駅を経て近鉄難波駅につながる、3.8Kmの路線である。近鉄が昭和45年3月に上本町・難波間の開業に際し終点難波駅は3番線のため、難波の先、西九条方に免許を持つ阪神の了解を得て、近鉄負担で400m3線分の折返し待機線を建設した。したがって実際の建設距離は3.4Kmである。
西九条の難波側は建設用シートに覆われておりJR西九条が見えない。JR西九条の東側にはようやくオーバークロス用の橋脚の基礎部が見えてきた。100m先から安治川岸まではすでにコンクリートの高架が出来上がっている。
安治川にはアーチ橋が計画されているが、今は両岸の橋脚が建設中。並行して今は歩行者専用になっている安治川トンネルを歩く。川底までは大型のエレベーターで昇降する。市の職員が運転、無料である。
対岸の交差点名は「源兵衛渡」で由緒ある渡船場なのだろう。ここから有名な九条商店街のアーケードが地下鉄中央線九条駅まで約600米延びているが、建設線は商店街の南側にバイパスする大阪市道九条中通線(幅員36m)の真ん中(11m)を通り、次の駅九条(仮称)に達し、地下鉄九条駅と連絡する。
延伸線のハイライト
この西九条〜九条間が当線の見所で、1高架、明り区間がある、2源兵衛渡と九条駅の間は高架から地下へ移行する区間である、3沿線住民から騒音の苦情が出ており、全面地下化の要望が出ている、などの特色がある。
1、2は要するに、電車が地上を走るのでテッチャンには電車が見れる、撮れるそして乗って外が見れる楽しい場所となる。深刻なのは3である。都会の狭小な場所に高架線が建設され、最も至近ではマンションから50Cmしかないと云う。当然阪神側も騒音対策については相当力をそそいでいるようである。セミシェルター型防音壁の設置、ロングレール化の2項目が紹介されているが、そのモデルは5月に完成したJR西日本の阪和線の美章園・杉本町間の高架化であろう。おどろくほど静寂である。一番感じるのが軌道・路盤の重厚・強固そして最新感であろう。ロングレール、枕木、ゴム入り締結方式、新スラブ道床そして高架路盤など各々に騒音対策が盛り込まれているようだ。西大阪線も高架路盤はこれまでよりもかなり重厚な造りと見受けられる。阪和線ベースなら、住民の納得は得られるだろう。 以上
(写真)1. 近鉄の直通車9020系
(写真)2. 重厚な高架
(写真)3. 安治川トンネル入口付近
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【重厚な高架.jpg : 182.9KB】
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