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tsurukame先輩の写真にあったホヌ30を見てまたもや浮気心が起きてしまい、この冬の就役を目指し暖房車ナヌ32を増備することにし、他の入場車両をそっちのけで突貫作業に没頭、この程完成間近となりました。
現車は昭和9年と11年に中央本線用として計5両作られましたが、中央本線のほかには上越線で使用されたようです。外観は前出のホヌ30が蒸機の炭水車のようなイメージだったのに対し、次にできたスヌ31は前後にデッキを設けた凸形となり、旧型電機、特にデッキ付の機関車とよくマッチしています。ナヌ32もこれを踏襲した形で、線区の条件から少し小型化され纏まりのよい外観となりました。なお、この形態はオヌ33も同じで、最終形式のマヌ34まで続きました。
さて今回の模型は昔、鉄道模型社から発売された一連のエッチング板製品のひとつで、バラキットができるまではこういった製品が貧乏なモデラーにとっては有難い存在でした。例によって車体部分だけのエッチング板で床板、デッキ、床下は自作です。小さな車体の割りに板が厚く、屋根を曲げるのに苦労しました。また、こういったマイナーな車両を模型化する時いつも苦労するのは細部写真をはじめとする資料探しです。
幸い、日本の車両スタイルブックに図が掲載されていましたので、煙突やベンチレーターの位置など基本部分はこれによりました。しかし床下機器やエンドビームの細部が解らず、最初はネット検索で出てきたわずかな写真を頼りにしていましたが、結局NEKO PUBRISHINGのRM LIBRARY 44 岡田誠一氏著「国鉄暖房車のすべて」を購入しました。随分参考になりましたが、適当に作ってしまってから間違いに気づいたところもあり、最初から買っておけば良かったと後悔しています。なお、同書には佐竹先輩の貴重な写真が多数掲載されており、改めて先輩の凄さを実感しました。
写真1枚目:嵩上げされたコールバンカー側から見た外観。デッキ前部の斜めステップは電機のデッキに高さを合せるためと思われます。表面が酸化し、すっかり黒くなってしまったエッチング板もトイレ洗剤の「サンポール」と液体クレンザー「ジフ」のおかげで輝きを取り戻しました。真鍮工作の醍醐味ですね。塗装するのが惜しくなります。台車はTR24。
写真2枚目:先輩のスヌ31。天賞堂のバラキットを組み立てたものです。オーバーコートしなかったため、車番表記のデカールが経年劣化してしまいました。現車は昭和初期に24両作られ、主に東海道線で使用されました。台車はTR23。
写真3枚目:北海道の混合列車などに使用された簡易暖房車ヌ100。西村雅幸さん現役時代の作品で、竣工後間もない頃から当社でお預かりしています。
写真4枚目:これは何でしょう?正解は次の写真にあります。
写真5枚目:ナヌ32のサイドビュー。床下の蒸気管のパイピングにはφ1.0の真鍮線にt0.2×w1.0の帯を巻きつけてそれらしく見せました。4枚目はその使い残りです。
【NEC_0093.JPG : 127.2KB】
【NEC_0094.JPG : 126.7KB】
【NEC_0095.JPG : 103.7KB】
【NEC_0097.JPG : 101.0KB】
【NEC_0098.JPG : 124.5KB】
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