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先ほど掲載の中で“トランスポート”は、“トランスロール”の間違いです。訂正します。
今出川浄福寺さんよりいただいた当局発表と、現地記者の記事をまとめて翻訳しますと、この近代的なタイプのトラムは、フランスのラウール社が研究開発し、現在ヨーロッパのたくさんの都市に急速に普及してきている。日本も積極的に導入を検討している。天津開発区では、ヨーロッパ以外で初めての採用を試しました。
1、現代電車のシステムは、比較的簡単で、都市内の一般道路に設置する事が
できます。
2、総工費1.9億元(約30億円)。1kmあたりの建設費(含む電車)は、
0.24億元(約3.8億円)です。地下鉄の6億元(約96億円)と路面電車の
1.5億元(約24億円)と比較すると、格安です。
※日本では、地下鉄の建設費は、150〜300億円と言われています。
3、1本の誘導レールを挟んでゴムタイヤで走行します。走行騒音は低く、
振動がありません。
4、美しい流線型の車体。車両の内部の設計は、人間工学的で、広々として
明るく、側面の70%のとても大きな窓は、車窓観光ができます。
5、車体両側に6枚の自動扉があり、すべてのドアの入口は、IC及び切符支払機
が設置されています。
6、ドアの内外には、緑色の押しボタンがあり、乗客は自分で押して乗下車できま
す。
7、座席は、充分に広くてゆったりしています。
8、100%の低床構造で、地面までは25cmと乗下車は、とても楽。
9、3連接から5連接までと、運送量によって変更できる適応性。
10、今回運行した第1号線は、全線7.86km。14駅数、運行時間;7:00〜20:00、
朝夕ピーク時は、7〜10分間隔、中間は、15〜20分間隔、所要時間は、
30〜35分。
11、運賃は、全線均一2元(約30日本円)。ICカード利用は、50%引、
学生割引は、70%引、軍人障害者、視覚障害者、当局が特別に認定する者
は、無料で乗車できます。ICカードは、軽軌と共通。
12、第2号線は、全線20kmで計画済み。第3号線については、計画中。
13、現在の車両編成ですが、全車3両連接車で8編成が運用されています。
14、詳細な性能等の内容は、http://www.mitsui-tr.co.jp/goods/translohr.htmを
ご覧下さい。
【初乗車感想】
7月20日、天津駅までの建設が進む天津海濱軽軌に約20分乗車して、洞庭路(泰達駅)で下車。早速、地上に降りますと、周囲の風景とは場違いのような美しい車体が待っていました。第3回目の挑戦で、実際走行中の初対面です。
片側3ドアの中央が乗車ドアです。ICカードを見せると、若い女性車掌が受け取って自動読み取り機に触れてから返してくれました。車内は、奇麗に清掃されていましたが、座席の数は少なく立ち席優先設計と見ました。直ぐに運転席に向かい、いつものようにビデオを設置して、全線の乗車撮影を始めました。
泰達駅を出ると直ぐに大きく90度右カーブ、ここからは、片側3車線、まっ直線に延びた洞庭路の中央専用軌道を走行します。しかし、走行速度は、25〜40km程度で、どんどん横を走るタクシーやトラックにさえ追い抜かされていきます。瀋陽や大連のLRTも一緒ですが、折角の最高速度70kmの性能が発揮できていません。高加速と高減速度を誇るトランスロールです。せめて、50kmぐらいは出してくれないと、イライラ状態になります。
加速は、足がふらつくほど速く、さすがゴムタイヤ車と感じましたが、上下左右の震動が結構あります。誘導車輪が外れそうにもなろうかとの揺れです。コンクリートの路盤の水平性に問題がありそうです。これは、乙訓の老人が大阪の実験線で体験された以上かもしれません。
途中、立体交差する鎮海橋の下り走行では、減速、減速でのゆっくり走行でした。
ここから、周囲の雑然とした街並みは一変します。沿線は、日本企業の工場が多くなり、トランスロールは、新しい開発区の街に溶け込んでいきます。ただ、走っている車の数も激減します。
S字カーブを過ぎると、終点の学院北駅です。10数名の乗客が降りて、大学生が数10名乗り込んできました。バスもなく、周囲は開発途中で、ときおり車が走ってくる程度で、タクシーなんかいません。
学校近くの食堂を見つけ、水餃子をあてに冷たいビールで喉をうるおし、ここからは、徒歩での沿線撮影の開始です。しかし、待っても、待っても、トランスロールは来てくれません。やはり、中間時の撮影は辛抱忍耐が必要です。
ようやく、タクシーが通りかかったので止めて、タクシーからの追跡撮影に切り替えました。
浜幸さん同様、車の窓を全開にして、身をのり出しての決死の撮影です。トランスロールの運転手も気付いたのか正面ライトをつけてくれたり、手と振ってくれたりと、サービス良く答えてくれます。
全線をまわっての撮影、約300枚の中から1部を掲載させていただきます。
今、中国では、各大都市で地下鉄や軽軌の建設がものすごいピッチで続いています。でもこういった地上を走り街に溶け込んでいくLRTは、庶民的で親しみやすさを感じます。
またどこかの街で開通しましたら、カメラを持って訪れてみたいと思っています。
続いて、上海→北京CRH2初乗車記を掲載させていただきます。
【余裕の運転席.jpg : 94.5KB】
【乗客まばらの車内.jpg : 143.7KB】
【DSC_0090.jpg : 126.5KB】
【学院駅間のカーブ.jpg : 146.9KB】
【終点の学園北駅.jpg : 132.6KB】
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