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往古、でもない73年頃の鉄道ジャーナル誌上で「スコールカー」サシ191の
行く末という記事を読み、大いに感心を持った記憶があります。
伊豆急という鉄道の野心とでもいいましょうか、五島と堤の箱根山戦争が
一段落して次に伊豆半島南部の観光開発で、今なら3セク国鉄、JR系になるべき
新線を東急系の私鉄が乗り入れ前提で開業させたこと事体が奇貨とでも
言い得ましょうか。
その栄光の裏面史に位置付けられるのが短命だった新製私鉄食堂車の
運命でしょう。寿屋(サントリー)がビールに参戦、佐治敬三社長の
トップダウン戦略だったにしろ、換算1億円級の投資失敗ですから
株主責任など五月蝿い今ならどんなに追及されたことでしょう。
寿屋は今でも非上場ですから、その心配は要りませんが昨今の蚤の心臓の
ような雇われ社長らを見ていると、こんな歴史事実だけでも若い諸君は
胸躍らせるのではないでしょうか。
伊豆急を例えると初々しい新進女優から円熟した美女に変身しましたね。
ただしJRと寝るのも、元のパトロン東急との付き合いにも昔と違って
淡白さを感じ、かつてのような細やかな色気は感じられません。
そのあたりがマニア(舞台ファン)から見れば物足りなさと言ったら
言い過ぎでしょうか。
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