汽車住宅物語を拝借して

西村氏の投稿画面を見て驚いた。鋼製車体の元電車らしい汽車住宅ではないか。こんな電車があったのかな? あれば知らない電車となる。時代は戦後、老人の目の届くところでこんな電車が走っていたのだろうか。鋼製車体にリベットがあるが、大正時代でも、終戦直後のものでもなさそうだ。扉窓の下線が客室部分より低く、扉部の客溜まりも客室より低いようだ。台車はブリル21E、モーターは高床車用のものなのか。正面窓の巾は狭いようだ。と言うことは車体巾2m位? ならば軽便電車規格かな、と解釈してみた。ここまで頭に画いて地図を出し、若い頃の日本の電車を思い出してみた。思い当たるものがない。仙台市電43形についてひねくりまわした時もこんな電車は考えつかなかった。第2次世界大戦中、鋼製車体は完成したのに電装が出来ず、達磨さんとなっていたものが各地にあったとか。京都市電600686695の車体は九条車庫に戦中に搬入されたが、終戦を迎える迄そのままであった。仙台市電43形増備車3両は戦後になってやっと陽の目をみて、秋保と伊予で職場にありついた。こうしたことが実現できなかった汽車住宅がどこかにあったのか。

 大戦中の日本鉄道界のことを回想してみた。統制品である鉄道車両は武器の一つに位置づけられ、軍需工場や鉱産物採掘地帯での輸送用以外の新造は認められなかった。そこで先ず、軽便規格から目をつけたのは東武鉄道日光軌道線である。ここには戦時中、大分交通別大線から木造4輪電動車が送られていた。これを鋼製車体に取替えのためのものかと思った。早速ピク135号を探し出してみた。別府形テ20形3両、簡易鋼体化の車体はダブルルーフのまま。関係なし。別の戦時形5両はシングルルーフの木造車で、窓配置、数も異なり2段窓である。5両共に戦後、部品をかき集め電装したとある。全て当て外れとなった。考え直さねば……。

 

西村氏から汽車住宅物語が送られてきた。表紙絵の説明では「写真は1950年代の栃木県日光市にあった電車住宅を撮影したものである」とある。当たりである。だがピク135号掲載の写真に該当する電車が見当たらない。老人が初めて日光を訪れたのは1958年春のことである。この時すでに開業以来の旧型車は、1953年新造の100形、1955年新造の200形に取り換えられており、なにも残っていなかった。もう一度ピク誌の小林さんの紹介記事と写真を点検してみた。トレーラー、ハ5761の車体形状がもう一つ分からない。昭和4年汽車会社製造のボギー車となっている。これではないかと思ったが、確証がない。どなたかご存知の方、老人の探求欲を叶えさせ毛下さい。御願いします。

 

125日、長岡天神駅で2238分発河原町行きを待っていた。目の前に停車した梅田行き快急は93058Fである。耳にした話では9300系は6本で終わりだとか。

4本目からロングシート部の背もたれが50ミリ高くなり、最初に乗った時に気になった「しゃっくり」も収まり完成度は高くなったと思っている。細かいことを取り上げるといろいろ言いたいが、少なくとも京阪3000系より、老人の評点は高い。

 1年前にニュースを入れた都電の新車、2年度で5両を2回の新造。これで7500形を追放するのだそうだ。何時登場するのか聞き忘れた。

 伊予鉄に貰われの井の頭線3000系の残党、VVVF化して海を渡るのだとか。

 今回も写真がなくてごめんなさい。

汽車住宅物語を拝借して」への1件のフィードバック

  1. 私も表紙の電車が気になって眠れない日が続いておりました。どう見ても半鋼製車であること、路面電車であること。戦後の車両不足の時代に木製車ならばいざ知らず、半鋼製車を廃車にしたところがあるのだろうか等と考えていました。また、場所は東京都内か関東近辺と考えると写真に該当するような車両が浮かんでこないのです。
    思い余ってカンニングをしました。銀座のINAXギャラリーでこの本を見せていただいた処、まず吃驚したのが、場所が日光市内ということで、大都会ならともかく、日光のような山間地であっても住宅が不足していたということです。日光であれば、東武日光軌道線しかないと思い、長老と同じくピクの135号を見たところ、該当する車両の写真が見当たりません。唯、ヒントはありました。一つは昭和4年製の半鋼製付随車ハ57形(57~61)の存在、もう一つはP30の上段右とP31の下段左の写真です。電動車テ17の後ろに連結されているのは間違いなくハ57形で、写真では今一つわかりませんが、その形状から、表紙の写真の車両に間違いないと思いました。

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