鳥羽快速・運転最終日

湯口先輩の『鳥羽快速と参宮線(上・下)』を懐かしく拝読しまして、加太で迎えた鳥羽快速運転最終日の模様を伝えます。時は1965(昭和40)年2月28日(日曜日)でした。

▼曇り空のこの日、柘植を10:18出発の2442レ、C57148【亀】に曳かれ、大築堤を下ってきました。青帯車1両を交え5両編成です。客車最後尾の窓からファンが身を乗り出しています。
C1006▼カラーフィルムに続き、モノクロカメラの前を煙も少なく、滑るように通過して行きました。加太駅と関駅は通過(下りは関駅に停車)。10:40に亀山に着きます。
10115▼そして本当に最終列車、2441レ。加太会員4名は乗車すべく関駅まで戻り、撮影後乗車。17:09に発車しました。車内は鉄道ファンで一杯でした。顔見知りの人々も沢山見受けられました。静かに、しかしブラストは力強く加太を登り、トンネルを越え柘植には17:32に到着しました。その後兵庫駅まで乗車して別れました。
昨今の最終列車と違い、イベントは勿論、プラカードもヘッドマークもなく、35年間の運転を事も無げに終了して行きました。
C1020▼加太での撮影は最終日と、前年12月6日のたった2回だけでした。築堤で撮らず、稲株の残る田圃からでした。撮影も上り列車だけ。下り列車は日暮れだし、帰りも急ぐので加太を通過前に帰途に付いていました。煙もなく軽快に坂を滑って行きました。
09714▼旅館村田屋と加太小学校前のR=300を下る様子です。後方は錫杖岳。半世紀後の昨今で変わらないのはこの山々の姿だけです。こんな見通しも全くできません。
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鳥羽快速・運転最終日」への3件のフィードバック

  1. tsurukame様
    鳥羽快速の最終日他の写真有難うございます。加太の大カーブを下るカラー写真は半世紀前でも見事に再現されてあの頃の汽車の姿がよく出ています。客車も1等車を含め茶色で統一され、坂を下るので煙は出ていないのは仕方がないがそれをカバーするtsurukame様の保存を含めた努力、技術力による作品で当時の快速列車の雰囲気を感じます。また、乗車された2441最終列車の牽引機をみて一瞬驚きました。亀山や奈良のあたりのC57は145、146、147、148の揃い番号やドーム後ろの重油併燃装置が特徴であったと思います。このC5797は煙突とデフレクターをつなぐ線が特徴の金沢スタイルで重油併燃装置がついていないようです。何のための線であったのでしょうか。私は播但線の新井でこの機関車を撮っております。金沢電化で亀山に転属し、直ぐに豊岡に移ったので関西線での同機の撮影も貴重です。前年1964年12月6日稲株残る田圃からの撮影の機関車も重油併燃装置がなくこれもC5797かもしれません。最終列車に加太会やお知り合いの方々と乗車されたのも楽しかったことと思います。そのまま乗車されて兵庫駅で下車されたとあり、おやっと思いましたが、鳥羽発草津線経由快速姫路行きでしたね。兵庫は19時58分とありました。

  2. tsurukame様
    湯口先輩とともに加太の鳥羽快速をご披露頂きありがとうございます。鳥羽快速は小学校の修学旅行でお伊勢参りをした時にお世話になったのですが、車両のことや道中のことは全く記憶になく、最後に赤福餅を買って家に持ち帰ったことしか覚えておりません。DRFCに入学してから 忘れられないのは何と言っても村田屋の2階から見る夜の築堤を喘ぎながら登るD51のドラフトと投炭の度に夜空が朱く染まるあの光景です。加太から蒸機の姿が消える最後の短い期間しか体験できませんでしたが、村田屋の夜のことは半世紀近くが経過してもしっかりと覚えています。
    準特急様
    C57の煙突とデフをつなぐアーチ状の鉄線は多分冬期のトンネル内でツララを落とすためのものだと思われます。私の撮影したなかでは山陰線京都口のC575、C5715、C5789、大糸線のC56151、釧網線のC5862、C58106、C58139
    が同じ装備をしています。

  3. 順特急様、西村雅幸様
    蒸機のさまざまな情報を伺いました。蒸機だからこそ、所属機関区や運転所で異なる改良や工夫があって面白いのですね。電機やディーゼル機は、改良工夫はあるのでしょうが、表に出ず画一的で面白くありません。その蒸機も汽笛だけは全国画一であるのが、当然とは言え、不思議な気もします。最近、夏の炎天下をも懲りずに蒸機を追いかけた事をよく思い出します。

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