土木学会中国支部が創立70周年記念として今月発刊された「中国地方の選奨土木遺産」という冊子を取り寄せました。土木学会は毎年 全国で20件程度の 歴史的価値がある土木遺産を選んでいるらしく、中国地方分をくわしく解説した冊子でした。その表紙が山陰本線須佐ー宇田郷間にある惣郷川橋梁です。
私はこの橋を含む宇田郷駅周辺の海岸線が気に入って 何度か訪ね、蒸機、DF50,DCなどを撮影した思い出があります。童謡「汽車」の歌詞 「今は山中、今は浜、今は鉄橋渡るぞと 思う間もなくトンネルの・・・・」のごとく まさに日本ののどかな風景がそこにあったからです。
この2枚は昭和49年1月5日の撮影です。ゆるい弧を描き、あたりの風景に溶け込んだこの橋が昭和6年に着工され、昭和8年2月の山陰本線全通の最後の難工事だったとは、全く知らず この冊子を見て知った次第です。平成13年に土木遺産として認定されています。
ということで、鉄道関連の歴史的遺産は各地に多く残されていますが、これらを訪ねる旅もまた一興と思う次第です。ちなみにこの中国地方分ではその他に
(1)岡山市 岡山電軌も上を走る京橋 (2)山陽本線三石周辺のレンガ橋梁群(山陽鉄道の遺産) (3)浜田市郊外の未成線(今福線)のコンクリートアーチ橋群 が登録されています。
では全国ではどうなのかと調べてみたところ、中国地方以外で18件の鉄道関連土木遺産が登録されていました。「阪急大宮駅と大宮・西院間の地下線路」「梅小路機関車庫」なども含まれています。興味のある方は「土木学会」のホームページですぐに調べられますので、見てください。