梅小路機関車舘での「蛍の光」

梅小路機関車間の開館は1972年と記憶するが、1975年の大晦日、民放TV共同での「行く年来る年」の極めつけは梅小路機関車舘での、蒸機汽笛による「蛍の光」だった。この曲は8音階でできているから、8両の蒸機の汽笛共鳴室の容量を加減して1両1音とし、山本直純が指揮して、オーケストラをからませ「蛍の光」を演奏したのである。つまりは8両の蒸機に同時に火を入れたことであり、当然組合も、機関士や助手のOBたちも、全力を挙げ協力したのは間違いない。

これをM君が録音し、そのテープを貰っていた。最近はアナログテープを聴くこともほとんどなく、先だってテープデッキを使おうとすると、中に入れたままのテープ再生は出来るが、取出しが不能。当然交換もできない。修理に出すと直るかどうかといわれ、1万円ぼったくられたが、目出度く再生は復活。

で、本日何十年ぶりかで、M君のテープを再生してみた。後期高齢者の身体各部は老朽疲弊甚だしく、パッキンがことごとく劣化し、尾篭な話だがありとあらゆる排泄部がよろしくない。要は「締り」が悪い。当然涙腺(これも排泄部に違いなかろう)も著しく脆くなっており、すぐ泪が出るのは「生来」感受性が高いからだと強弁しているが、老齢劣化には違いない。

36年ぶりのテープは幸い健在だった。蒸気機関車の汽笛で音楽を演奏するというアイディアも良かったが、「蛍の光」の何ともいえない哀愁と蒸機の汽笛とのマッチが言葉に尽せない。

そういえばM君はDRFC-OB会に顔を見せなくなって久しいが、元気で商売に励んでいるんだろうなぁ。

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