三江線 桜満開、春爛漫の旅 Part5 見納めの”三江線”の桜を見に行こうツアー開催

今日は「見納めの”三江線”の桜を見に行こうツアー」の当日です。東京から福岡からも合わせて12名のクローバー会の皆さまがそれぞれお好みのルートで潮温泉を目指して参加されます。集合は三次16:56発の432Dとさせていただきましたので引率は今回のリーダー山室さんにお任せしました。私は三原在中の西村さんがマイカーを運転して福塩線を撮ってから三次に参られますのでホテルでピックアップしてもらいます。ご一緒に三江線と運行が空く時間は芸備線で撮ることにしました。

第3日目 4月2日
DSC_0535_1002▲ 9:16 撮影地⑪ Google座標;34.813273, 132.836379
西村さんと最初に訪れたのは尾関山公園の江の川に架かる鉄橋下の河原です。見事なしだれ桜を前景に入れて江津から来る直通1番列車の423Dを撮りました。

DSC_6583032_1▲ ホテルの部屋からみた朝の三次市内です。名物の真っ白な「きりこちゃん世界」が広がっていました。冬から初春には霧が良く出ますがこんな日は霧が晴れると快晴になることが多いので期待していましたが、423Dが来る頃はまだ山頂に残っていました。

三江線は江の川に沿って走ります。春らしい山里の光景を入れて撮りたいと対岸の国道375号線を走りながら撮影ポイントを探します。昨日とは違って運転する役目と、撮影する役目に分担作業ができますので安全で道を間違うことはありません。
DSC_0551003DSC_0552004▲ 10:12 撮影地⑫ Google座標;34.811199, 132.810482
粟屋を発車した辺りに桜・菜の花・棚田・農家が重なる待望の山里の光景が見えました。三次発9:57の424Dは立ち席も一杯の満員の乗客を乗せて走っていきます。これだけ満員では石見川本まで約2時間の乗車はきついでしょうね。週末の土曜日で桜祭りも開催されます。どうして増結しないのでしょうか、我々は車で追っかけます。

DSC_0567005▲ 10:19 撮影地⑬ Google座標;34.807383, 132.776279
長谷~船佐の中間点あたりです。岸壁をくり抜いたトンネルに桜がありました。もう少し花が多いとよかったのですが・・。

この後、式敷までロケハンを続けましたがこれと思う撮影地を見つけられず次にキャッチできる列車は夕刻になりますので西村さんお薦めの芸備線へ進路を替えました。
02‗Map‗三次⇒甲立_100
DSC_0585007▲ 11:05 撮影地⑭ 国道433号線、4号線を走りショートカットして着いたのは芸備線甲立駅です。入線してきたのは広島三次行きの快速 ”みよしライナー”5856Dです。

DSC_6594033▲ 11:31 撮影地⑮ 太平神社 Google座標;34.726605, 132.785976
西村さんは神社の鳥居がお好きです。案内していただいたのは神楽等の祭典が上演される上川立駅近くの太平神社。私は本殿側から鳥居を前景に入れて撮りました。走ってきたのは三次狩留家行きの4863Dです。

▲ 11:42 撮影地⑯ 桜並木が綺麗な志和地に到着。

DSC_0603010 DSC_0604011▲ 12:14 志和地に入線してきた三次狩留家行きの4865Dです。キハ40タラコ色と桜とのコラボを撮りに来たのですが西村さんの言われる通り桜の木の下には黄色い可憐な花を咲かせたタンポポの群生地にもなっていました。珍しい光景にびっくりしました。西村さん、ありがとうございました。

DSC_0625012▲ 12:32 志和地を出るとすぐに鉄橋があって土手には桜が咲いていました。私は鉄橋下からの撮影です。広島三次行きの1858Dを待ちましたが来たのは単行でなく3両編成でした。ラッシュ時なら分りますが土曜日の日中の閑散時に3両編成が来るとはまたびっくりしました。

芸備線の撮影はこれで切り上げて、再び列車が運行を始める三江線に戻ります。経路は三次市内で昼食をとるためにぐるっと一回りのルートになりました。
06_撮影地図‗石見都賀~三次_12_100▲ 三江線三次~石見都賀で我々が選んだ撮影地の地図です。ご参考にしてください。

DSC_661203905_三次~式敷‗S311119▲ 14:00 撮影地⑰ Google座標;34.815708, 132.712580
昼食後は北上して式敷に到着しました。
戦争勃発で中止されていた三次~式敷14.8㌔の開業は1955年(昭和30年3月31日)、当時は三江南線と呼ばれていました。時刻表を見ますと粟屋での折り返しが3本、船佐での折り返しが1本(休日運休)あり、全線直通は6往復となっていて気動車運用でした。1編成の運用で足りるようにダイヤが組まれています。貨物ホームがあった中間駅もありますので蒸気機関車牽引の貨物列車もあったようです。式敷には転車台跡もありませんので機回しだけで走行していたのでしょうね。全線開業する前の1974年(昭和49年)11月30日に無煙化されています。

▲ 珍しく正面に駅名表示のないログハウス調の駅舎です。珍しいと言えば発車時刻表は風雨にさらされるホーム屋外に設置されていました。1桁台が多いこの路線の乗降客ですが、この駅は平日24人、休日3人の調査結果です。
DSC_661103803_Map‗式敷~香淀▲ 駅舎内には存続を訴える近隣住民の寄せ書きが掲示されていました。願いは届くのでしょうか。

次の香淀への鉄路は川を渡って馬蹄形にループしますが、道路は長いトンネルが貫通してショートカットされています。この間の鉄路の様子はトンネルを通っては分らないので線路に沿った狭い旧道を走りました。

DSC_6613040▲ 14:20 撮影地⑱ 式敷と同じようなログハウス調駅舎の香淀に到着。正面には駅名表示がありました。1日の乗降客は平日9人、休日3人です。

▲ 駅舎内とホームです。

DSC_0637014▲ 14:47 撮影地⑲ Google座標;34.815775, 132.703843
式敷~香淀の江の川に架かる鉄橋です。桜を入れて撮りましたが寂しそうな感じがしました。

DSC_0646015▲ 渡ってきた三次口羽行きのキハ120-357428Dですが、寂しいはずです、乗車しているのは見る限りでは2名です。口羽折り返しですので利用する人がいないのは分ります。
日中に走る列車は424D428Dの2本ですのでこの列車を追います。

DSC_0648016▲ 14:58 撮影地⑳ 香淀~作木口の崖にへばりつくような蛇行区間を行く428D。絶壁を切り開いて線路を敷設したのが三江線です。難工事だったでしょうね。

DSC_0663017▲ 14:59 撮影地は同じく⑳ 作木口に近づく428D作木口の乗降客はちょっと多い平日19人、休日5人です。

DSC_0669018 DSC_0670019▲ 15:05 撮影地㉑ Google座標;34.876074, 132.703426
江平を発車して10数軒の集落を行く428D。乗降客は平日6人、休日2人と集落がある割には少ない。

DSC_0685020▲ 15:21 撮影地㉒ Google座標;34.883416, 132.673110
口羽折り返し427Dの後追いです。428Dの正面撮りを狙っていたのですが間一髪で間に合いませんでした。しかし昨日と比べると、桜はほぼ一気に満開になっています。

DSC_068602106_記念碑▲ 15:25 Google座標;34.885027, 132.672348
口羽駅近くにあった三江線全通の記念碑。蒸気機関車の動輪はこの地で走ったこともないD51869です。D51869は東北本線(尻内)で活躍し、晩年は新見区に属し伯備線で終焉を迎えています。

撮影後は本命ののお立ち台へと向かいます。雲から太陽も見えてきましたので今日はどうなっているか楽しみでした。
その前に途中で江の川と三江線が広く俯瞰できる宇津井~石見都賀の大カーブで撮影ポイントを西村さんと探します。しかし狭い鋭角の急カーブ、急勾配の農道です。それまで私が代わって運転していましたが、大事なマイカーを傷つけてはいけないと再度西村さんにハンドルを委託しました。

撮影場所が決まったところでに戻ると、途中の線路横断の歩道橋には列車が来るはずもない時間なのに三脚をセットして待ち構えておられるお2人がおられます。気になって引き返して聞いてみますと、臨時列車が走ってくるそうです。本命はそれからきますのでこれは撮らなきゃいけないとご一緒させていただくことにしました。お2人とも地元の方です。臨時列車のダイヤは公表されていませんが聞けるルートを持っておられます。

DSC_0702023▲ 16:26 撮影地 Google座標;35.010863, 132.628561
満開となった桜咲く中、ラッピングされたキハ120-310が単行でやってきました。どこからやってきてどこへ行くのか? お聞きしますと、なぞは解決しました。下がダイヤグラムです。

01‗三江線ダイヤ_臨時含む_100▲ 赤線が今日の臨時列車ダイヤです。15時頃に三次を発車、式敷427Dと交換後途中ので団体客乗せて浜原に向かう。ここで430Dに連結されて江津に向かうらしい。今日はこのダイヤで運行されてきたようです。残念ながら江津から三次へのダイヤは分りません。
ピンク色は3月27日に私が乗車した4129Dのダイヤです。三江線の閉塞区間は、江津~石見川本~浜原~石見都賀~口羽~式敷~三次のはずです。臨時団体列車が設定されるたびにダイヤが引かれているようです。
問題は在籍車両が少ないキハ120形です。この線は米子支社の管轄ですが、広島支社で臨時列車を受け付けた時は福塩・芸備線の予備車を、米子支社で受け付けた時には浜田の車両が使われているそうです。

DSC_0733024▲ 17:18 少し遅れてを発車した江津三次行きの429Dです。ほぼ満開となった桜並木に沿って走ってきました。久しぶりに30数枚の連写をしました。では7人ほどが乗車されたようですが、通常この駅の乗降客は平日4人、休日2人です。8本が発着していますが桜の時期には10倍以上の乗降はあるでしょうね。
【DATA】 ズーム180㎜、F6.3、1/320秒、ISO400 薄日ですが日差しがありましたので好条件で撮影できました。潮付近の撮影地についてはPart3をご覧ください。

撮影後は急いで追っかけです。石見都賀の大カーブで429Dとツアーの皆さんが乗ってこられる432Dを捉えます。

DSC_0751_100▲ 17:32 撮影地㉓ Google座標;34.944974, 132.645519
予定通りうまくいきました。429Dはこの先の口羽432Dと列車交換します。

DSC_0748025DSC_0781_1028▲ 18:05 ツアーの皆さまを乗せて432Dはやってきました。必死に手を振りますが誰も答えてくれません。山室さんには電話連絡をしておいたのですが・・。

DSC_0784029▲ 18:18 桜も満開となった潮駅432Dが入線してきました。

DSC_6625045▲ 19:00 大和荘に到着してからはまず名湯”潮温泉”に入浴していただいてからの宴会開始です。今回初めてツアー参加で言い出しっぺのリーダー山室さんの挨拶で始まり、同じくツアー初参加の西尾さん、高橋さん、下村さんの自己紹介と近況報告がありました。宴会途中で小林さんがかつて撮られた三江線を走る蒸気機関車の上映を用意しました。

DSC_6634048_100▲ 21時からは幹事部屋で2次会です。鉄道談義で盛り上がりは最高潮に達しました。いつ終わったのかは不明ですが、明日朝は7:34発に乗られる方が多いのでほどほどでお開きとしたと思われます。 Part 6へ続く

三江線 桜満開、春爛漫の旅 Part5 見納めの”三江線”の桜を見に行こうツアー開催」への4件のフィードバック

  1. ぶんしゅう様
    大変お世話になりました。私は鳥居が特段好きというわけではありませんが、芸備線の太平神社で私は参道側から撮って失敗でした。鳥居側からのカットはさすがです。勉強になりました。タンポポも良かったですね。駅撮りもバカにできません。三江線は至るところに絶景ポイントがありますが、福塩線や芸備線は比較的単調な風景が続くだけに ポイント探しに苦労します。足繁く通って季節ごとのポイントを見つけるしかないようです。当地へお越しの節はまたご連絡下さい。

  2. ひやかしたような表現で失礼しました。実は私も神社や鳥居は大好きでしてロケハンではいつもチェックしています。今までも西濃鉄道の石引神社の鳥居を前景に入れて撮りました。また一畑電車の高浜~遙堪のある粟津稲生神社の鳥居群も撮ったりしています。どちらも朱色の木製でしたが太平神社は石製で歴史を感じさせてくれる汚れが気に入りました。また石段やしめ縄があったのも撮影意欲を沸かせてくれました。丁度11㎜の超広角ズームを持っていたので全部を入れて撮りました。まとまってはいますが逆に強調する被写体をぼかしたかもしれません。難しいですね。
    鳥居は中国の街や部落の入り口にある牌坊が由来だという説がありますが向こうには神信仰はありませんので、神聖な神域への境界を示す日本独特の建造物として生まれたと勝手に思っています。日本全国どこにでもありますので日本らしい原風景を表現できる被写体でもあります。いつかは鉄路の中に鳥居を入れて”これが日本の原風景の決定版”と言えるカットを撮りたいと願っています。
    今年はご存知の事情で長期間の海外は行けそうもありませんのでもう一度日本を振り返って、原風景を感じさせる光景を求めて参りたいと思っています。度々そちら方面へ行くと思いますのでご都合のいい時にはまたご案内いただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

  3. ぶんしゅう様そして西村様

     432Dに乗車していたツアー参加者です。
     三次で山室さんのお出迎えを受け、懇切丁寧なご案内を頂き、快適な三江線の旅をさせて頂きました。また、潮駅に到着する前に、ぶんしゅう、西村両氏が432Dを撮影されておられるスポットを通過する際には、必ず手を振る等の挨拶をするようにの厳命がありました。これはツアー参加者全員が納得したことであります。
     ぶんしゅう氏から山室氏の携帯に連絡が入り、一同素敵な景色を楽しむことなく、使命を果たすべく、ご両名の姿の確認に躍起になったことでした。結果、指示のあった潮に向かって左側の車窓に、ご両名のお姿を確認することなく、失意の中、潮に到着したのでありました。・・・・・・・・今回の写真で謎が解けました。
     江の川を背に走る432Dの写真(最後から4枚目)を拡大してみて下さい。BOX席を中心に陣取る、ツアー参加者は全員川側を向いてお姿を探していることがお分かり頂けることと思います。 嗚呼!・・・
     
     

    • マルーン様、コメントをいただきまして、ありがとうございます。また返信が遅れまして申し訳ございません。
      あの日は山室さんに電話連絡を入れておりました。宇津井~石見都賀の大カーブを俯瞰で撮るので進行方向右側の山の手にいますと言っておりましたが、上手く伝わっていなかったようです。アップした写真を見ますと皆さま方は川の方を向いておられました。直前で再度確認が必要でした。
      左側でご覧になられていた江の川は珍しく急流もなく穏やかに日本海に向かって流れています。かつては水運が盛んで、「高瀬舟(帆船)」によって、当時は日本の95%を占めていた鉄や米を運んだそうです。
      どうぞ江の川の穏やかさに免じてお許しください。

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