北方見聞録 北の大地、シベリア鉄道をちょっと見の旅 Part17 サハリンからロシア本土のウラジオストクへ

今日はサハリンから帰路の旅となります。Part15でも述べましたように当初はユジノサハリンスクからの直行便で成田に帰るはずだったのですが、行程が決まって申し込んだ後で突然にオーロラ航空が6月18日からの休航を発表しました。発表前にもロシアに折角行くのだからウラジオストクにも寄りたいねと冗談ですが言っていましたので、これが現実となったのです。
NETさんのようにトランジットで帰国する事も選択肢だったのですが、次はいつ行けるか、もう行く機会はないかもしれないロシアです。一回ぐらいは行って見てみたい気持ちが大きくなりました。即決で2日間の追加滞在に賛成しました。

第8日目 7月16日 その1

▲ 7:00 いつもと同様にサッポロホテルで朝食です。

7:30 チェックアウトを済ませて手配しておいた送迎車に乗ってホムトヴォ空港(別名;ユジノサハリンスク空港)へと向かいます。

▲ 7:35 空港へ向けて走り出しました。日曜日の朝とあって車も通行量は少ないものです。
【 サハリンの車事情 】
サハリン滞在6日間の間に印象に残ったのは走行している車の約90%は日本車が殆どだったという事です。中でもトヨタ車が圧倒的に多かったのはミャンマーとよく似ています。

そして4輪駆動のRV車の多さでした。日本では1日街中にいてもそう何台も見る事はないランドクルーザーはサハリンでは15分もいると数台以上は見ます。街中を出ると未舗装の道路が多く冬季は積雪と凍結で一般の乗用車は走行できないと思いますのでこれらのRV車は必至です。
その他の乗用車も右ハンドルの日本の中古車が殆どを占めていますが、飛行機の機内誌にレクサスの広告が掲載されていましたので新車も販売しているようです。これらは左ハンドルの国外仕様ですのですぐに分ります。
▲ 7:38 レニナ通りを南下します。▲ 7:42 大泊(コルサコフ)へ向かう鉄路と並走するようになってきました。

▲ 7:46 ユジノサハリンスク市内から同じく南下するミーラ通りと合流して直ぐに直角に右折して空港へと向かいます。

▲ 7:47 所要時間わずか17分でホムトヴォ空港に到着です。この空港は元々日本時代の1945年(昭和20年)8月に豊原大澤飛行場として建設されたそうです。2,700m滑走路で開港しましたが、ソ連接収後は3,400mに拡張されています。ロシア国内各地の国内線以外に国際線として成田、新千歳、仁川(韓国)、北京、大連、ハルピンへもフライトがあります。その他着陸料が安い事から貨物便の利用も多いそうです。

▲ 7:53 チェックインカウンターはまだオープンしていません。我々の搭乗する便は9:50発のウラジオストク(Vladivostok)です。表示がS74716となっていますが共同運航便の別名と思われます。

▲ 8:37 カウンターがオープンなって搭乗券を受け取りました。9:10に搭乗開始です。

▲ 売店がありましたので見てみましたが、街中のスーパーと同じくここでも日本商品が並んでいます。サハリンに住むロシア人の生活に日本商品が完全に入っていますね。
▲ 9:08 フライト情報システムの表示が変ってしまいました。何と9:50から11:30と1時間40分の遅れになっています。

▲ 11:32 時間は延びてとうとう、13:00発表示になってしまいました。その間どんどん先発する飛行機があります。

◀ 結局、最終的に差し替えられた搭乗券では14:50発になっていました。遅れること何と5時間です。私の今までの最長待ち時間は1990年代の北京空港の4時間でしたので、更新しました。

しかし問題はウラジオストクでトランジットされて成田に向かわれるNETさんです。乗り継ぐ飛行機が待ってくれているのか保証はありません。不安の搭乗でした。

▲ 14:45 バス移動で搭乗です。飛行機も当初のA-319からボンバルディアのDHC8-Q400型機に変更なっていました。久々のプロペラ機です。

▲ 15:27 フライト25分後にはサンドイッチとジュースの軽食が出されました。国内線ですが昼食の用意があるのですね。
フライトスピードは最高578km/hでした。プロペラ機なのでこんなものなのでしょう。
▲ 17:00(ウラジオストク現地時間、日本時間とは1時間の時差)
当然5時間遅れでウラジオストク空港(クネヴィッチ空港 Кневичи、Knevichi)に到着ですが、定刻なら3時間で接続するはずだった乗継便は待たずに成田に飛び去っていました。

【 トラブル発生以降の経緯 】
日系の航空会社なら飛行機を降りたところで担当者が待っていて無事に帰国できるようこれからの事を説明されるのでしょうがそんな人はどこにもいません。我々のメンバーは旅のプロのJTB卒業者もいます全員海外鉄のベテランばかりで語学もできますが、ウラジオストクは初めてでロシア語は片言レベルです。
差し迫った問題は今日帰国予定のNETさんでロシアビザの有効期限は明日までです。宿は我々が手配しているホテルに潜り込めますが、成田へ向かう飛行機は今日も明日もなく明後日です。観光ビザのために原則、延長はできません。ステイオーバーとなると不正滞在として事は厄介になり、共産国家ですので簡単にはいきません。
何とかして今日、明日中にロシアを出なければなりませんが、近くの便というと韓国の仁川空港行きです。手配手続きについて話し合っていましたら、同じ飛行機に搭乗していた尾道からの団体ツアー客がおられました。この方々はJTBで申し込みされたそうで、すでに現地の
日本語堪能な女性
ロシア人担当者が来られていてこれからの事の説明をされておられます。さすがJTBです。こうしたトラブルにぬかりはありません。我々のツアーはロシア専門の小さな旅行社に依頼した手配旅行でしたのでこのようなトラブルが発生しても対応は出来ません。尾道からの方に乗っかかりをお願いすることにしました。

NETさんのその後ですが、
「添乗員さんに聞いてみますと、一緒に手続きをしてくれるということなので、お願いすることにしました。助かりました。後で聞くと我々のツアーの約三倍のツアー料金を払っているとのこと。我々の旅行社は何もしてくれず、さすがJTBです。飛行場の社員食堂で夕食、20:45発のエアロフロートの便で韓国インチョン(仁川)に向かいました。夜の11時前にインチョンに到着、主として乗務員の使っている、3星ホテルに案内。夜だったせいもあり、フロントには韓国語のみしゃべれる人しかおらず、電話で英語のできる人をよんでもらいました。別の団体なのでシングルにしろ。わかったその代わり90000ウオン払えと。とんでもないと接続しなかったのはそちらのせいだと、ぶつぶつ言いながらシングルルームを手配してもらいました。後で調べると高速鉄道の2つ目の駅に近い仁川市にあるホテルでした。次の日金浦-羽田便を利用するので、金浦に向かうのに、いったん仁川に行けとのこと。出発は9時の便なのでホテル5時に出発しないと間に合わないとのこと。早すぎると言ったら、そんなことはないとのこと。次の日4:45にフロントに行くと出発は6時でよいしばらく部屋で寝てろとのこと。絵で説明。やっと帰国できました。帰国後旅行社に苦情を言うと、ホテルで寝れただけでも良い、ベンチで寝ることも多々あると。後進国に行くときは、ちゃんとした旅行社に頼まないと非常の場合駄目ですね。こりごりです。」
と、いうコメントがありました。予期せぬトラブル経験に大変苦労されていました。しかし、もし尾道からのツアー客がいなく一人だけだったらもっと、とんでもない事態になっていたでしょうね。

NETさん方の追伸が入りましたので掲載させていただきます。
【 追伸 】
ジュンホテル最寄りの高速鉄道駅名は雲西です。

ウラジオストックのJTB関連の係員は日本語:ロシア語可。女性の上司と若い男性両方とも親切。
インチョンのJTBの関連の係員は若い女性:英悟:韓国語のみ。
なんか言うとスマホの画面を見せるだけ。
ホテルのリムジンバスに我々8人と乗り込み、ホテルまで同行。手続きをしてくれるのかと思ったら、突然消える。多分夜遅かったので、同じホテルに泊まっただけ。次の日も現れず。
次の日JTB関連の別の係員がインチョン空港で待っているのでいったんインチチョン空港にこいとの指示。英語韓国語対応可。バスの切符をカードで購入してくれる。バスには乗らず。
電車で行けないかと聞いたところホームまで遠いので、バスの方が便利といわれる。
後でわかったのだが、電車は特急だと金浦は通過。一人で行けば迷った可能性も。
ホテル名は、ジュンホテル三ツ星。汚いホテル。乗務員用だと思う。インチチオン空港から高速利用で15分くらい。
受付の男性は、韓国語のみ。英語は片言。一行にいきなりバウチャーはないのかと質問。

JTBは日本語のわかる人が、その都度電話で丁寧に対応。ジュンホテルでは、尾道の団体が焼き肉を食べに行ったので私一人取り残されてしまいました。
帰国後旅行社に保険の件問い合わせたら、どうせ出ないので請求してもめんどくさいと。直接AIUに次の日電話して対応してもらいました。
結局バス代515円と電話代5000円を支払ってもらいました。金浦から羽田は大韓航空。思ったより親切で快適でした。機内食もまともでした。結局韓国での出費は515円でした。

▲ 16:49 尾道のツアー団体と空港事務所に向かわれるNETさんをお送りした後1階ロビーから空港駅へ向かいます。


◀ 空港駅に向かう通路にあったプリモーリエ特急Express of Primoryeの時刻表です。
2012年7月下旬にアエロエクスプレスとして運行開始しましたが、2015年1月以降Express of Primorya に移管されています。
Airport Knevichi駅から
ウラジオストク駅まで54分で結んでいます。
ご覧の通り5往復のみの運行です。これだけで市内からの需要は賄えるのでしょうか。

 

▲ 17:07 徒歩約5分、空港駅はターミナルビルを抜けてから別棟にありました。
待っている乗客はわずかですが、なぜか若い韓国美女の2人連れが多かったですね。

▲ アクセス特急は4両編成で4両目はグリーン車になっていました。

▲ 18:24 定刻にウラジオストク駅に到着。ザっと見てからホテルに向かいました。

▲ 18:57 駅から徒歩10分でホテル プリモーリエに着きました。部屋は広くはないですがバスタブもあってまあまあです。

▲ 19:52 近くのロシア料理レストラン(ノスタルギーヤ)で美味しく頂きました。

明日はいよいよシベリア鉄道の撮影です。ウラジオストクからそれほど遠くには行けませんので今日空港から乗車してロケハンした所をリストアップしました。  Part18へ続く

北方見聞録 北の大地、シベリア鉄道をちょっと見の旅 Part17 サハリンからロシア本土のウラジオストクへ」への4件のフィードバック

  1. ぶんしゅう様
    手に持っているように見える「速度計」はどんな仕組みで計速するのですか?

    • 「GPSロガー」というものです。電車に乗った時にはスピード表示が出ますので便利です。1日移動した軌跡も記録します。GPSが届く場所なら後でGoogle地図に軌跡を表示できます。便利ですので外に出かける時はいつも携帯しています。何時に何処にいたかを後で確認できます。
      一般の電気店では売っていませんのでネットで購入するしかないと思います。私は下記のを愛用しています。i-gotU GT-600です。
      http://www.i-gotu.jp/?page_id=56

  2. 帰国後尾道の団体の責任者に大変助かりましたと、メールでお礼をしましたら、早速ご返事を頂きました。
    トランジットの時間が、3時間あるので接続は大丈夫だと油断していました。
    また、韓国について、全く行くことを想定していなかったので、インチョン空港の配置図等全く用意してなかったので、慌てました。
    又ホテルに英語の表記が全くなく、ハングルのみで困りました。
    ただ、韓国の高速道路は片側4車線で、インチョン市内電柱がなく、この面では日本より進んでいる印象を持ちました。
    家に帰ると家内から、帰り1人で帰るようなことをするからだめだと、どうせたいした仕事があるわけでないので、みんなと同一行動を足らないとだめだと怒られました。
    そうすればJTBのOBもいるので、ご安心だと。
    初めてのサハリン面白かったです。

    • 私は結構皆さんとのツアー前後に一人旅をする事が多いのですが、こういったトラブルには会っていなかったので、今後もし会ったらどうするかと真剣に考えました。一人きりだとかなりパニくってしまうでしょうね。こんな時に便利なのがタブレットで現地のSIMさえ入れておけば、自動翻訳ができますので助かります。私はipad を持ち歩いています。ただSIMフリーのipadでないと海外では通用しませんのでアップルストアで購入できるSIMフリータイプを持っています。ご検討されてはと思います。

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