まだまだ続くよ、台湾鉄路への遠征その2

翌1月11日、宿を早めに出て、八堵駅に入線するEMU300の自強109次をホーム端で撮り、そのまま乗り込む。自強109次は、日曜日以外毎日運行しており、基隆を7時35分に出て、竹南から海線を経由し、終点の彰化には10時48分に着く。八堵ではがらがら状態だったが、台北から満員となり立客が出るくらいになった。竹南から彰化までは、山線と海線に分かれており、乗り間違えでもするとややこしい。

EMU300型 彰化

莒光号 楠梓

山線は、竹南を出ると、苗栗、后里、豊原、台中、新烏日などを経て彰化に至る。途中の豊富は、田園の真ん中にあり、見通しが良くホーム端から撮影するのに都合がよい。高鐵苗栗に歩いてすぐの位置にあるが、停まる列車の本数は少ない。苗栗には苗栗鉄道文物展示館という小さな鉄道博物館があり、泰安もホーム端から見通しが良くきれいに走行写真を撮ることが出来るが、鈍行しか止まらない駅で、優等列車はかなり高速で通過してしまう。台中は、人口280万超、今や高雄直轄市を抜く台湾第2の都市、台中直轄市の玄関口である。日本時代からの風格のある駅舎は、高架化後もそのまま残されている。新烏日は、高鐵台中の接続駅だが、少し離れており在来線と新幹線の乗り継ぎには最低10分は余裕を見ておきたい。また優等列車の停車は少ない。海線は、竹南から後龍、大甲、清水、沙鹿などを経て彰化に至る。後龍の隣の駅、龍港の近くに南シナ海と発電用の大きな風車群が見渡せる好望角が近い。好望角からは海線を走る列車がきれいに撮ることができる。パノラマのように見渡せるので一列車のシャッターチャンスは多い。龍港からは徒歩で30分はかかる。しかも好望角へはちょっとした山登りのようなのでハードである。残念ながらバスの停車場も近くにはない。楽に行こうとすれば、手前の優等列車の停車駅、後龍からタクシーで行くしかない。後龍から龍港にかけては、好望角まで登らずとも工夫すれば風車をバックにした写真を撮ることができる。台中港は、ここから貨物専用線が延びていて、台中港駅の近くに腕木式の信号機が残っているのが有名。海線には、談文、大山、日南、追分など日本時代からの木造駅舎が現役である。自強109次で終点彰化まで乗り、山線の普通電車で新烏日へ向かい、先輩のデカンショまつり号さんと落ち合う。デカンショまつり号さんとは、もう10年以上、台湾鉄でご一緒させていただいている。新烏日で高鐵台中に乗り換え、12時20分に発車する新幹線の125次に乗る。今日11日は総統選挙で普通席は満席である座っていくには、奮発して商務車=グリーン車に乗るしかなかった。新左営(高雄)まで45分で着いてしまうのだが、運賃は1390元(約5200円)といい値段である。これが在来線の台鉄自強号なら台中から高雄まで最速のプユマでも1時間53分かかるが、運賃は469元(約1700円)となる。商務車は、日本の新幹線のグリーン車そのものだが、座ったところで高鐵の駅弁を食べる。高鐵の駅弁は100元(約370円)と、台鉄弁当に比べ若干高めだが、彩りもよく味も1クラス上のように思う。その後、有難いことに、コーヒーと菓子(台湾名産のパイナップルケーキ)の商務車だけのサービスがあり満足感が高まる。

自強168次 EMU1200型 九曲堂

ディーゼルカーの自強号 DR3100型 九曲堂

九曲堂

楠梓で莒光号を撮った後、九曲堂に移動し、釣り掛け式EMU1200型電車の自強168次を撮影する。EMU1200は、特急用のEMU200を更新し、2000年代初めから運行を開始したそう。以前は長駆、基隆―潮州の400キロを超える運用に就いていたのだが、2020年1月現在は、潮州―彰化の200キロほどに短縮されてしまっている。このEMU1200も今のうちに乗って記録に留めておきたい。高雄で駅近のホテルに投宿する。高雄の駅は、地下化されて、地上時代のターミナル感が失われてしまった。都市の再開発、種々の効率化のためとはいえ、旅行者にとっては味気なくなったがこれも時代の流れであろう。高雄在住の鉄道ファンの趙さんと再会し、ホテル近くの食堂で晩御飯を食べる。彼はかなり日本語が通じ、台湾や日本の鉄道事情、撮影の予定など語りながらデカンショまつり号さんと共にビールも進む。

高雄での晩ご飯

高雄駅の入り口付近

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まだまだ続くよ、台湾鉄路への遠征その2」への2件のフィードバック

  1. ブギウギ様
    ご一緒させていただきましたデカンショまつり号です。初めて台湾にお誘いいただいたのは、確か2009年でしょうか?
    それ以来、台湾鉄道の虜になり、30回近く訪台し、最近では、年6回ペースで訪れています。この先、5月、6月、9月と飛行機を抑えてましたが、新型コロナの影響で、5月はキャンセル。6月も難しいでしょうね。9月には何とか行きたいです。少なくとも年内にあと2回訪台しなければ、台湾のファストパス「常客証」の更新ができなくなるため、何としても行きたいものです。(笑)
    台湾は新型コロナ対策では、数百億円を使って布製マスク2枚配布するどこぞのお国と違い、マスクの管理から防疫まで、しっかりした対策をとり、世界でも評価されています。コロナが落ち着きましたら是非、ご一緒しましょう。

  2. デカンショまつり号様
    コメントを頂き有難うございます。年6回とは恐れ入ります。台湾にはそれほどの魅力があるというのはよく理解出来ます。今は訪台が叶わない状況ですが、そのうち半日くらい走る急行客車に乗って、食べて飲んで居眠りして、ということをやってみたいと思っています。大井川鐵道では、かつての長距離鈍行客車の旅を模したツアーが、好評を博していますが、台湾ではまさに今その至福の時が現役の幹線で味わえる訳です。台湾の客車が未体験の方には、今ですよ、とお薦めしたいところ、このコロナ禍は痛恨の極みで、一日も早い終息を願うしかありません。話が逸れましたが、是非また台湾ご一緒致したく宜しくお願いします。

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