銚子電鉄近況

4月10日(土曜日)銚子電鉄を訪れたので近況等をお知らせする。事前に鉄子色のデハ1002が検査中で旧形が走っているとの情報を得ていたが、銚子駅にはそのデハ1002が停まっていた。運転士氏に尋ねたところ今日から復帰した。客が増えれば、デハ701を増結に使うかもしれないとのことであった。

今回は成田で113系の成田空港行を駅撮りするため成田線回りで行くことにして、最寄り駅6時59分発の電車で出発した。松戸、我孫子とタイミングよく乗換え、成田に8時10分に到着し、113系8連の8時13分発成田空港行の発車を撮影した。この電車も近々京浜東北線から来た209系に置換えられてしまうのであろう。8時18分発銚子行は113系4連であった。下総神崎で「あやめ4号」と交換したが乗客は疎らであった。そもそも鹿島神宮~東京間は10~20分間隔で高速バスが頻発しており勝負にならない。その高速バスでさえ、公共交通機関を無視した「高速道路1000円」の愚策の影響により乗客が減少していると言われている。銚子には9時48分に到着し、すぐ接続の9時50分発の外川行の電車(デハ1002)に乗車した。

 

成田駅を発車する成田空港行1431M

 

成田~銚子間を乗車した2433M/下総神崎駅で特急「あやめ4号」と交換待ち 

外川駅の留置線にはグリーン塗装のデハ2001+クハ2501が停められており、パンタを上げれば直ぐにでも走りそうな雰囲気であった。また、奥の方には1月23日にさよなら運転を行ったデハ702がユ101と連結されて停められていた。デハ702は一時期ネットで売りに出されていたが、買い手はついたのだろうか。これらの車両を撮影後、次の電車で君ガ浜まで戻り、海鹿島との間で約1時間撮影して本銚子に移動した。観光協会のおばさんが乗車しており、沿線のガイドと共に「この電車は東京メトロさんから譲り受けました」と説明していた。「東京メトロとちゃいまっせ。営団地下鉄でっせ」と突っ込みを入れる客がいないか心配したが、そのようなことはなかった。その後、仲ノ町車庫、笠上黒生駅の交換風景を撮影後、211系5連のロングシート車で来た道を戻った。

 

外川に留置されているデハ702+ユ101 

新車について

デハ2001+クハ2501は外川駅に留置されているが、終電後に試運転を行っているようである。デハ2002+クハ2502も整備が完了し、パンタを上げて仲ノ町車庫に留置されていた。塗装はアイボリー一色で、東武熊谷線キハ2000形のような感じである。諸般の事情で営業運転の開始が遅れているが、4月28日に笠上黒生駅のホーム伸延工事が完成すると営業運転に入るのではないかと思われる。

 

外川駅に留置されているデハ2001+クハ2501

 

整備が完了して仲ノ町車庫で待機中のデハ2002+クハ2502

 

ホームの伸延工事が行われている笠上黒生駅、完成は4月28日の予定である。

旧形車について

デハ1001、1002、701、801の4両が稼働しており、通常はデハ1001、1002が使用され、ツアーの団体客等で客が多ければデハ701、801が増結される。1001、1002のいずれかが検査等に入った場合は801が使用されることが多いようである。10日から12日にかけて、20年に1度の「銚子大神幸祭」が開催され、11日の祭りのメイン会場が外川であったため、朝から夕方まで全列車2連(デハ701+デハ1001・デハ801+デハ1002)で運転された。ちなみに訪れた10日のメイン会場は、成田線の下総豊里駅と総武本線と成田線が分岐する松岸駅付近であった。事前に情報をキャッチしていれば、1日ずらして11日に訪れたのに残念であった。

デハ701と801は「ラストラン」のシールが貼られており、ゴールデンウィーク期間中に「ラストラン」が実施されるのではないかと思われる。デハ1001、1002は新車稼働後も引き続き使用されるが、夏季を中心に稼働日は減少すると思われる。しかし、団体客がない時は単行でも十分まかなえるため、冷房が必要でない時期を中心に使用されるものと思われる。

 

ラストランのシールがついたデハ701

 

デハ801のラストランシール

 

キャベツ畑を走るデハ1001/君ヶ浜~海鹿島間

 

犬吠埼灯台をバックに走るデハ1002/君ヶ浜~海鹿島間

 

本銚子~笠上黒生間の切り通しを走るデハ1001

ダイヤ改正について

3月13日のJRのダイヤ改正に合わせて当線でも実施された。それにより早朝、深夜を除き、銚子、外川発が毎時20分、50分に統一され、非常にわかりやすくなった。笠上黒生駅での列車交換は、従来通り外川行が先着する。

 

その他

デハ701は昭和53年に近江鉄道から入線以来32年間、デハ801は昭和61年に伊予鉄道から入線以来24年に亘り活躍を続けたが遂に引退の時期を迎えた。特にデハ701は近江鉄道縁の車両であり、近江鉄道時代に乗車、撮影された方もおられるのではないだろうか。

 

デハ701の近江鉄道時代/上 昭和40年1月6日彦根、 下昭和47年9月9日貴生川(モユニの代わりに郵便車として使用されている)

鉄道の車庫は基本的に部外者立入禁止で、見学は年1回の一般公開時以外は不可能であるが、有難いことに仲ノ町の車庫は入場券を購入すれば見学が可能である。

2月26日から27日にかけて583系が両国~銚子間を団体臨時列車で運転され、撮影に行かれた方もおられると思われるが、銚子電鉄でも記念入場券を発売中である。仲ノ町駅で購入すれば、車庫見学も可能である。

見学、撮影に行かれた時は、記念乗車券、家族へのお土産に濡れ煎餅、観音駅の鯛焼き等を購入して、わずかでも収入に貢献していただきたいと思う。

 

仲ノ町駅の入場券

 

時々デザインが変更されている一日乗車券

銚子電鉄近況」への3件のフィードバック

  1. 質問があります。1001,1002共に密連のようですが、701,702,801は自蓮ですが、増結の時はどうなるのですか。

  2. 長老の仰せの通り、デハ1001、1002はトムリンソン式密着連結器、それに対してデハ701、702、801は自動連結器を装備しており、通常であれば相互の連結は不可能です。

    銚子電鉄では日常的にはデハ1001と1002を使用しており、デハ701、801は予備車的存在で、1001、1002の検査時とツアーの団体客が乗車する時の増結車に使用しています。ツアーのコース途中に銚子電鉄の乗車が組み込まれることが多くなり、増結に機会が増えたため、1001と1002は前後共に密着連結器の頭にアダプターとして中間連結器を取り付けております。中間連結器はナックル部分が固定されているため、自動連結器とは連結できますが、中間連結器同士の連結は不可能です。
    また、異形式間の総括制御は不可能なため、デハ1000形とデハ701、801が連結した場合は、運転士が2人乗務してタイフォン合図に協調運転をします。デハ1001と1002を連結は総括制御が可能なため運転士は一人で済みますが、両車とも中間連結器を装着しているため連結ができません。当件については、写真を交えて別途解説したいと思っています。

  3. 教えていただき有難う。もう1点、ブレーキ関係はどうなのでしょうか。重連は電鈴やラッパ合図で加速出来るが、急停車の必要に迫られた時が気になります。共に減圧式なら安心です。
    老人が日常行動で利用している新京阪線、大市交乗り入れの頃は中間連結器搭載、
    その後も増結用7320系が出たときは運転台に転がっていた。最近見ない。
    重量がどのくらいなのか、鉄の塊は重いよ。毎日取扱やっている間に老人のように椎間板ヘルニアになること間違いなし。銚子電鉄の方、気をつけて下さい。
    桂車庫で居眠りしていた6350、6354の編成、6350の方は4/16朝、消えていた。6354は今朝4/21、消えた。いよいよ6連化工事に入るのではなかろうか。尚、この6連に嵐山線用の4連を連結する工事は絶対しない!と強調された。

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