桜前線追っかけ2010年 Part2  くま川鉄道→西人吉

第3日目 3月29日 午前中
くま川鉄道撮影、以降は、西人吉付近、夕刻→道の駅-不知火温泉(泊)
▲ 5:00、ホカロンと湯たんぽで、寒さ対策はしていましたが、起きました。外の温度を測ると、1℃以下です。昨年10月の北海道でも経験しなかった最低温度です。

昨日、A・K氏西人吉の桜満開は、1週間前だったと、写真を見せてくれました。寒い日々が続いたので、今日まで満開状態が続いたとの言葉を実証する夜間の寒さです。

道の駅錦にあった周辺観光案内図を見ると、ここは、かつての湯前線、くま川鉄道の沿線近くにあります。SL人吉号撮影までは、充分な時間がありますので、この沿線にも桜があるだろうと、線路沿いをロケハンしながら、走りました。
最初に訪問したのは、瓦葺屋根のおかどめ幸福駅です。
▲ 駅玄関には、珍しいかな神社のような鈴を鳴らす、鈴紐が付けられていました。
▲ 続いては、SLの形を表現した朝霧駅。煙は出ませんが、中々凝っています。
▲ 肥後西村駅は、構内に桜がいっぱいです。
▲ 多良木駅の駅舎内は、山小屋風でステンドグラスまで入っていました。踏切向こうのかつての相対ホームには、ブルートレインが3両留置されていて、木造屋根が建設中でした。単なる展示か、列車ホテルとして運営するのか問い合わせ中です。
▲ おかどめ幸福→あさぎり間の免田川橋梁を渡るKT-102。
▲ 公立病院前駅を出るKT100形2連。
▲ 終点の湯前駅、かつては、妻線杉安駅と結ばれ宮崎方面への予定線がありました。
▲ おかどめ公園の桜をバックに走るKT-202。
▲ 免田→おかどめ公園の菜の花畑を走行するKT-102。

そろそろ、SL人吉号の来る時間です。西人吉に向かいました。今日は、場所を変えて、線路上の道路橋から撮影しようと待ちましたら、パトカーが来て、道路上からの撮影は、交通渋滞を招くので、禁止と言います。
確かに、広くはない道路なのに、ダンプカーが引っ切りなしに走り、撮影者が道路上にいると、車の離合ができなくなっています。仕方ありません。道路のガードレールをまたいで、一応道路外に出ました。

10数分ほどして、パトカーがまた廻って来ました。警告を無視して、道路上にまだ残っておられた3名の老人の撮影者を強制的に連れて行きます。聞けば、公務執行妨害罪です。身分証明書の提示を求められ、次に同罪を犯した場合は、逮捕しますと言われたそうです。
絶好の撮影地です。撮影する側も、警備する側も緊張しています。せめて、SLが来る直前までは、その場所に来るのは、控えていたほうが良いと、忠告する人もいたのですが、それでも居座ったのですから、どうしようもありません。

こういった現場トラブルが、全国各地のSL撮影地で起こっているのでしょうね。鉄道ファンが増えている事は歓迎すべきでしょうが、限られた絶好の撮影地には、全員が収容できません。はみ出た撮影者が許可されない場所に行かざるを得なくなるのは、容易に考えられます。
これを見るのが嫌で、布原以来、鉄道撮影を諦めた経緯があります。かつては、夜間にヤードで撮影していても、珍しい趣味を持っているなあと現場の方々に歓迎されて、お茶までご馳走になりました。もう、こんな時代はやっては来ない!

関西本線でも問題となり、マスコミを騒がせましたが、撮影マナーを取りあげたり、規制警備を厳しくするだけでは、何の解決にもならないのは、この現場を見れば一目瞭然です。

そこで一案、鐡道ファン以外にも撮影者が集まる、イベント列車を走らす際は、
① 鉄道側で、イベント対応の専門スタッフを置いて、撮影者が集まる所には、配置する。
② ①は、既に実施されている事が多いので、地元鉄道ファンのボランティアを公募して、①とチームを組んで、撮影者側にたっての撮影指導を行う。
③ 肝心なのは、①、②共に同じ場所に同じ担当者が行い、人が替わる度に、規制具合も替わる様な事がないようにする。
④ 新しい試みとして、撮影者が集中する撮影ポイントには、有料のお立ち台を数多く設置する。有料指定観覧席の設置です。今までと違い抵抗はあるでしょうが、京都の時代祭りや大津の花火大会等、毎年設置されています。1番良い場所で見たり撮ったりするには、それなりのお金を必要とするのは、社会的にも通用すると思っています。
有料指定観覧席は、インターネットやみどりの窓口で申し込んで購入出来るようにすれば、前もって撮影場所を確保でき、遠方から来られても、安心です。脚立や大型三脚等の場所取りで、他の撮影者に迷惑をかける事もなくなります。
⑥ ①②のチームで、集中する撮影場所近くには、臨時駐車場を用意する。有料指定観覧席購入者には優先的に提供を行う。

これまでは、イベント列車に乗車される方のみへのサービスばかりが、提案実施され、撮影者対応は、柵を設置したり、警備増強ばかりで、邪魔者扱いのマイナス思考でした。
遠くから撮影を楽しみ来る撮影者の立場に立った、受け入れ体制は、全く検討もされてこなかったように思えます。
そろそろ、マイナス思考は捨てて、積極的に撮影者を受け入れる体制を考慮すべき時がきているのではないでしょうか。

少なくとも、撮影する鉄道ファンは、鉄道を愛しています。意図的に列車を、停めたりしようとはしていません。愛されている鉄道側は、それに答える必要があります。いつまでも、迷惑と思い続けていては、解決にはならないと思います。
今回訪れた絶好の撮影地『西人吉』の混乱振りを見てしまうと、こんな事を思わずにはおられませんでした。


▲ 見事な桜並木です。多少注意されても無理しても撮りたくなります。
▲ 風が出てきて、煙が流れてしまいました。丸田氏は、これでは写真にならないので、再挑戦すると言っていました。明日火曜日は、SL人吉号は運休日です。明日は、休んでゆっくりすると言われましたが、多分新幹線でも撮るんでしょうね。

この日は、折り返し列車撮影を済ませた後、道を間違えずに追っかけをして、球磨川橋梁を渡る定番撮影地で、丸田氏と一緒に撮影した後、明日の撮影に備えて『道の駅-不知火』に向かいました。今夜もゆっくりと温泉に浸かって、疲れを取りました。  Part3 へ続く

桜前線追っかけ2010年 Part2  くま川鉄道→西人吉」への5件のフィードバック

  1. 西人吉の桜並木は一度は撮影してみたいと思っていますがやはりそういう状況
    なのですね。磐越西線の咲花の桜も置き三脚は1ヶ月も前から置かれJR側
    から警告の張り紙が貼られたとかという噂が流れてきます。
    非常に残念ながら鉄道撮影を巡る環境は日々悪化の一途を辿っているこを実感
    しつつ撮影しています。
    先日の「あすか」や「北陸」「能登」のニュースでの取り上げなどで会社でも
    「撮り鉄」という言葉が知られてしまい苦笑いするしかありません。
    技術の進歩と社会の発展(?)により昔と異なり列車が高速化、過密化し
    人身事故などが増えた結果、鉄道会社の自衛策としてフェンスなどを設けたり
    と対策を施すことにより昨日の撮影地が今日はもう撮影できなくなるといった
    ことがあちこちで起こっています。そのため撮影者は脚立でフェンスの上から
    撮影したり、限られた同じ場所でも人の頭ひとつ越えることで撮影を可能に
    したりと工夫していくことになり新たなトラブルも発生しています。
    また、撮影者間でも世代間のギャップがあり今回の投稿のようにSL現役時代
    を知る人たちがトラブルを起こしているケースもよく見受けられます。
    ネットの普及で色々な情報が得やすくなった反面、情報を鵜呑みにしていくと
    現地でどう考えても撮影するには鉄道敷地内に侵入しなければ撮影できず
    断念するケースもあり、大なり小なり種々のリスクを抱えて撮影しているのが
    現状ではないでしょうか。どこかの出版社の撮影地専門のサイトでさえ
    そのような有様です。
    撮影について色々と考えさせられる日々です。

  2. くま川鉄道には、10年程前仕事で免田まで行った時に乗りました。現役時代にも乗り潰し目的で湯前まで往復しましたが、日が暮れてからのため記憶がありません。前日は熊本で夜まで仕事があったため、辛島町のバスセンターの近くのホテルで宿泊。免田の訪問先に9時30分に到着するためには、JRに適当な列車がなく、宮崎行の高速バスで人吉まで行き、くま川鉄道に乗継ぎました。熊本~宮崎間と熊本~鹿児島間の高速バスは人吉インターで一旦降りて、人吉駅の直ぐ近くの「人吉産交」に停車するため、熊本~人吉間は1時間間隔位でバスがあり、JRとは比較にならない位早くて便利です。到着したのは8時頃で暫くすると湯前発の4両編成の通学列車が到着しました。4両編成のまま折り返しの湯前行となり免田まで乗りました。
    帰りこそJRで帰ろうと思ったのですが、仕事が長引きアウト。おまけにくま川鉄道にも間に合わず、飛行機の最終便に間に合うかも怪しくなり、ダメもとでバス停に行くと、人吉行のバスは20分間隔で運行されています。程なく来たバスで人吉に向かう途中、球磨川下り発船場にロンドンバスが停まっており下車して撮影。後日ロンドンバス研究家の友人に写真を見せたところ、ついこの間まで横浜市内の某所におり、突然姿を消したので探していたとのこと。その後、鹿児島発のバスに乗り、熊本市内で空港バスに乗り継ぎ、辛うじて東京行の最終便に間に合いました。
    余談になりますが、かつては宮崎~人吉間を妻、杉安、村所、湯前経由で国鉄バスが運行されており、宮崎~人吉・熊本間の都市間連絡ルートの一端を担っておりました。国鉄バスは撤退しましたが、宮崎~村所間は宮崎交通、村所~湯前間は西米良村営バスが運行されており、通り抜けることは可能です。

  3. 893-2様へ
    コメントをいただきましてありがとうございます。
    遅れている投稿原稿作成にやっきになっておりまして、大変お礼を遅れてしまい、申し訳ございません。
    昔は、カメラを持つこと自体、贅沢でした。また、フイルムの出し入れに始まって、撮影時の絞りやシャッタースピードの選択等は、機械音痴には難しく、写真撮影は技術を要する技でしたが、オート性能等技術の進歩や、安価なAEカメラの普及によって、庶民に身近な物となりました。
    近年では、誰でも撮れるデジタルカメラや、高画素カメラ付き携帯電話の普及で、全員カメラマンとなり、いつでもどこでも撮れる時代になったおかげで、爆発的に鉄道写真を撮る人が増えてしまっています。そのために、いろいろと弊害が出てきています。
    世の中の流れですので、変えようがありませんが、弊害を食い止めるためには、投稿させていただきました案の他、SL列車を増やして、撮影チャンスを拡大するのも方法でしょうが、静態保存されているSLを生き返らし、維持管理するには、かかる費用が莫大です。約100路線の保存鉄道が残るイギリスのようになれば、混雑も緩和できるのでしょうが、今の日本では、直ぐの実現は不可能です。
    磐越西線の三脚での場所取りの件は、西人吉でも聞きました。異常な事態ですね。今年、桜前線を追いかけて行く予定をしていましたが、これを聞いて、止めました。
    私には、小春日和の中、同業者の来ないローカル線で、のんびりと1日数本の列車を撮っている方が似合っています。
    これからもスタイルを変えずに鉄道写真を撮っていきたいと思っております。

  4. 藤本先輩へ
    コメントをいただきましてありがとうございます。お礼が、遅れましてまことに申し訳ありません。
    デジ青へのご投稿記事を読んでおりますが、本当によく動かれておられますね。
    湯前線は、未乗車線だったので乗ってみたかったのですが、時間の調整がつかず、今回は、撮影のみになってしまいました。
    平坦な路線ですので、車窓はあまり変化に富んでいませんが、沿線には温泉が多くゆっくりとできそうなので、次回、多分来春の同時期のなると思いますが、また来てみたいと、思っております。
    つながる予定線だった妻線には、国鉄では最初で最後だったろうと思いますが、気動貨車キワ90形が試作されて、走っていました。当時、鉄道雑誌で見て、これはおもしろい。実際に見てみたいと思っていましたが、残念ながら思いを果たせずのうちに消えてしまいました。最近では、常磐線のクハ415-1901も乗り損ねた車両です。
    やっぱり、思った時に行動しておかないと、後で悔いが残りますね。早く溜まっている紀行文を投稿して、廃線近い北陸鉄道や近くの183系も撮りに行かねばと思っております。

  5. ぶんしゅう様
    拙コメントに返信頂きありがとうございます。
    いつも素晴らしい行動力には頭の下がる思いで掲示板を拝見しております。
    昨年行かれた常紋越えにはこの初春に訪問が叶い常紋信号所にも立つことが
    できましたが、掲示板の投稿には非常に勇気づけられました。
    ぶんしゅう様のようにテーマを持ちつつ撮影されている方がいらっしゃると
    いう事実は嬉しい限りです。
    翻って私は時間や費用などの関係でどうしても葬式鉄にならざるを得ず
    まだまだです。
    鉄道撮影者の問題はどんなことをしても当面解決することはないと思い
    ますが自身が当事者にならないように気をつけて撮影していくしかないと
    思います。今後も素晴らしい紀行文に期待しております。

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