未来の関西鉄道網への空想

こんばんは。最近は公私ともに慌ただしくなかなか更新できませんでしたが、少し余裕ができたので久しぶりに投稿をします。

2015年の北陸新幹線、2016年の北海道新幹線と大規模な新線開通が一段落し、次はオリンピックへ向けて車両は駅施設の整備へと進もうとする雰囲気を東京では強く感じております。あと3年半で首都圏の鉄道模様がどれほど変化するかが楽しみです。

一方、関西は自分の在学中には車両の動きが大半で、新路線の話というのは殆どなかったように記憶しています。しかしながら、この1年間で夢物語かと思われていた路線が一気に具体化して非常に驚いています。人口減少や建設費の高騰、環境問題など鉄道をめぐる環境が厳しいなかでここまで動くとは思いもしませんでした。

JRの路線のなかで最も歴史の浅いおおさか東線。今のところは古参の103系も行き交うのどかな路線です(2013年3月、高井田中央駅)

 

■北陸新幹線

敦賀から大阪までのルートが長いこと決まっていなかったですが、京都までのルートが小浜経由で決着がつき、一気に話が進んだ印象があります。舞鶴経由の話まで出てきたときは一体どうなるのかと肝を冷やしましたが、とりあえず決定して嬉しく思います。

ルート決定時、Twitterなどで話題になったのは「京都市内はどこを通るのか」という話でした。現在のところでは詳細が決まっていないため、興味深い話です。

小浜から進路を南にとった新幹線は、山岳トンネルでほぼ一直線に京都までやって来ます。現在の京都駅へと向かうとしたら、地下を通過するのは確実です。小浜から京都駅を通過し、向島辺りまでずっとトンネルの中ということもあり得ます。

碁盤の目になっている京都市街を通るとなれば気になるのは、どの通りの地下を走るか、ということです。興味本位で気になることと、工事を行う際にもルート決定が容易になる、また京都御所は当然避ける必要があることから必然的にそのような話題になるのでしょうか。

通常の地下建設の場合に予想されるルート

現在最も話されているのは、堀川通の地下を通すルートです。既存路線がないこと、京都駅への乗り入れが容易であることから予想されています。次点は河原町通で、鞍馬方面から南下してくる場合に接続が容易であることが挙げられます。

大深度地下で工事する場合、通りには沿わず建設することになるでしょう。京都の地下に付き物の遺跡発掘の手間を考えると深いところを掘るのが現実的で、通りの地下はあくまで想像の域でしかありません。けれど、新町学生会館の目と鼻の先にある堀川通を新幹線が通ると想像するとワクワクするものです。

 

■なにわ筋線と阪急新線

大阪と難波を一直線に結ぶ、関空アクセスのためのバイパス路線として長いこと計画されていました。おおさか東線の延伸、梅田貨物駅跡地再開発とタイミングが揃った上、インバウンド戦略が大きな後押しとなって話が具体化しました。

梅田貨物駅跡を横目に通過する「はるか」(2015年6月)

これまでは「東海道貨物線の梅田貨物駅付近から地下線に接続」「JRなんばで関西本線に接続」「汐見橋あるいは新今宮(?)で南海と接続」ということしか決まっていませんでしたが、この一年間で2030年度の完成や、梅田側の接続方法および北梅田駅の構造、列車の運行形態まで話が進展しました。

列車の運行形態については、JR西日本と南海が共同で関西空港までの列車を運行するという点に注目しています。新聞報道では不確定な部分が多いですが、同一規格の車両を製造し同じ区間を運行する旨の記事を見かけました。JR西日本は過密ダイヤかつ遅延が頻発する阪和線が、南海はキタへ向かうには乗換が必須の難波駅がそれぞれネックとなっているため、新大阪⇔(なにわ筋線)⇔南海難波⇔(南海本線)⇔関西空港 というルートが互いの弱点を克服できるのではないかと思いました。車両に関しては、使用頻度を勘案すると耐用年数がきている南海ラピートが近年更新を行ったため、なにわ筋線での前面取り換えを視野に入れた動きが一足先にきている印象です。

20年目を迎えたが新車置き換えではなく更新で対応した「ラピート」(2014年4月)

北梅田は、都市再生特別地区(経済特区)の指定も受け、今後の大阪、ひいては関西圏を引っ張る新たなエリアと変貌する可能性を秘めています。あくまでも希望的観測ですが、関西経済が一気に伸びる起爆剤となりそうです。なにわ筋線も単なるバイパス路線ではなく、御堂筋線に匹敵する大動脈へとなりえることでしょう。

 

開通への期待が高まるなにわ筋線ですが、昨日の新聞に興味深い記事が掲載されました。

なにわ筋線30年開通 JR・南海運行、新駅以北は阪急交え協議(日本経済新聞)

この記事では、阪急神戸線を十三から分岐させ、北梅田駅へ乗り入れを検討しているとのことです。

阪急も「なにわ筋線」乗り入れ…関空へ時間短縮

こちらの記事では更に確定的な書き方で、専用車両の導入まで言及されています。

阪急が狭軌車両を新造?(2014年11月)

現状では、あくまで北梅田⇔十三(⇔新大阪)の狭軌新線にとどまっていますが、「神戸線へ乗り入れ」という書き方から最初はフリーゲージトレインを想像、阪急が軌間変換可能なラピートを運行する…なんてことまで考えてしまいました。神戸・宝塚方面から関空へ行く列車は存在しないため、いずれはそういうことも視野に入れているのでしょうか。

 

暗い話題の多い日本の鉄道のなかでもひときわ輝いた関西の話題に、大いに期待していきたいです。

未来の関西鉄道網への空想」への2件のフィードバック

  1. 私も気になったのは、阪急が乗り入れるという記事です。テレビを見ても新聞を見ても軌間が違うことについての記述がないため、北梅田-十三だけ新線でつないで接続のみなのか、狭軌新線で関空まで乗り入れるのかが分かりませんでした。狭軌新線でつなぐとなれば阪急に狭軌の車両が出来ることになり楽しみです。あとはその時まで寿命があることを祈るばかりです!

  2. 寺田さま
    公私ともお忙しいのに関わらず、はるか東の都から、関西に興味を持っていただき、ありがとうございます。最近の鉄道新線の話題は首都圏ばかりですが、久しぶりに関西がネタになりました。新幹線のルート予想も、ネット上を賑わしていますが、堀川通にせよ、河原町通にせよ、京都の街の直下を新幹線が走るとなると、生きている可能性は限りなくゼロに近いとはいえ、ワクワクものです。
    いっぽうのなにわ筋線は、何十年も前から喧伝されてきたことですが、やっと現実の話になったようです。ただ“阪急も強い関心”には、どれほどのメリットがあるのか、ちょっと違和感も感じました。また、南海との接続は、汐見橋線の活用かと思っていたのですが、難度も高く、工費も掛かる難波、新今宮経由になったのか解せません。

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