2024年ももう終わりです。デジタル一眼レフを使いだした20年前、2004年当時の撮影をシリーズ化して出すつもりだったのですが、やはり今の自分には「連載」は困難なことを認識した次第です。前回は2004年4月、大阪駅での撮影を紹介しましたので、今回は、その後の撮影をまとめて掲載することにしました。
(鹿島鉄道へ)
2000年代半ばまで、たまに東京へ行くと常磐線の普通電車で鹿島鉄道、茨城交通(現ひたちなか海浜鉄道)、他には関東鉄道常総線、鹿島臨海鉄道に行っておりました。その手段も、ムーンライトながらが便利だったのですが、2009年に季節列車化され、指定の取得が難しくなり、コロナのさ中の2021年には廃止になってしまいました。その列車利用で活用した青春18切符も、2024年12月からは連続した日程でしか使用できなくなりました。鹿島鉄道は2007年に廃止となっています。旧式のディーゼルカーが最後まで活躍していましたが、その沿革はウィキペディア等に詳しく書かれていますのでそちらをご覧ください。
▲東京駅での一コマ 2004年5月2日 湘南電車の113系も185系の踊り子号もとうに代替わりしました。
▲石岡 2004年5月2日 430型は加越能鉄道から2両が活躍していました。430型はクーラーが付いていませんでした。
▲終点鉾田 2004年5月2日 ▲借宿前 2004年5月2日▲常陸小川 2004年5月2日 600型 元は鉄道省のキハ42032で昭和11年製でした。前面は原形を留めていませんでしたが、室内に響くエンジンの振動は古典ディーゼルカーの存在感を感じました。
(名古屋鉄道)
▲瀬戸駅に進入する6600型 2004年10月1日 瀬戸線では釣り掛け式の6750型や高性能車の6000型、6600型が活躍していましたが、2014年に全て引退し、今はステンレス車体の4000型に統一されています。
▲喜多山車庫 2004年10月1日 検車区は、今では尾張旭に移転しています。
▲岐阜市内線 2004年12月2日 写真の780型のような新鋭車も活躍していただけに翌2005年の廃線は衝撃でした。
▲名鉄880型 2004年12月2日 今でも福井鉄道で健在なのは喜ばしいことです。
(福井)
▲えちぜん鉄道福井駅 2004年9月18日 阪神電車由来のMC2201型もとうになく、今年2024年は、北陸新幹線も敦賀延伸し、サンダーバードが福井までやってくることもなくなりました。地上駅時代のJR福井駅の奥には懐かしい475系も。写真のMC2204型は2014年まで活躍しました。
▲福井新駅 2004年9月18日 写真のMC2102型は翌2005年に引退しました。MC2101型は元阪神ジェットカーで、旧京福電鉄に釣り掛け式にデチューンして長らく一大勢力を誇りましたが、2014 年には引退しました。
▲福井鉄道市内線をゆく300型 2004年9月18日 静岡鉄道からやってきた高性能車300型は2006年まで活躍しました。
▲福井鉄道福井駅前駅に停車中の200型 2004年9月18日 自社発注車200型が登場した頃、昭和30年代は地方私鉄も元気で長野電鉄2000型、富山地方鉄道10020型のように次々と自社発注車が登場しました。令和の時代、また伊予鉄道、高松琴平電鉄などで自社発注車が次々と登場しています。60年以上前と背景は違いますが、地方私鉄が奮闘してるのは喜ばしいことと思います。
(関東)
12月には出張ついでに信州から北関東に行っています。
▲東武小泉線の5050型 2004年12月18日 5050型は旧7800車体更新車で2000年代まで活躍していましたが、2007年には全車引退しました。5070型の方が後発でしたが、野田線が一足先に高性能化されたため5050型が宇都宮線で最後まで現役でした。
▲佐野線で最後の活躍を見せる1800型 1800型は伊勢崎線の急行りょうもう号として高度成長期から活躍を見せていましたが、平成期になって機器を200型に譲り次々と引退しました。一部は格下げされてシートの一部取り外しなどの改造工事を経てローカル列車で使用されていました。昭和62年に製造された1819Fだけは製造年が新しかったことから波動輸送等で使用され続け、2018年に引退しました。また300型、350型に改造されたグループは2022年まで活躍しました。
▲篠ノ井線ローカルの115系 松本 今はどんな車両が使われているのか知りません。
(琴電他)
1990年代から2010年代まで釣り掛け車を追って足繁く高松琴平電鉄に通いました。もっと言うと、ひところまで釣り掛け車一択、時々ローカルのディーゼル車追いでした。ふだんの「鉄」活動は、琴電の高松、名鉄、えちぜん鉄道&福井鉄道でほぼ事足りたのです。自分にとって長らくJRの特急電車や寝台列車は楽しい移動の手段であっても遠方で撮影する対象ではありませんでした。貨物も含め、何でも食う(撮る)ようになったのはほぼ2010年代になってからです。
▲瓦町で休む500型&120型 2004年12月29日
▲長尾線元山ー水田をゆく300型&760型 2004年7月27日 釣り掛け車の定期運行が2007年に終了した後、120型、300型、500型、23型は2020年~2021年まで活躍しました。後位の760型は2006年に引退していますが、今でも玉野市電保存会によって保存されています。
▲仏生山 2004年12月29日
▲仏生山 2004年12月29日 1050型は、阪神ジェットカーを2扉化、釣り掛け式にデチューンし、さらに高性能化し、エアサス台車に履き替えましたが2005年に廃車となりました。 ▲片原町 2004年7月29日 写真の315型は2007年に引退しました。
▲そごう色の1100型 片原町 2004年6月16日 元京王5000型も、撮影の時から20年を経て、一畑電鉄など各地で引退が報じられています。
▲高松 2004年7月27日 四国でもキハ58&キハ28、キハ65が最後の活躍を見せていました。
▲高松のキハ40系 2004年12月21日 20年の歳月が経ち、2025年には四国からのキハ40&キハ47の引退が報じられています。
(そして)
20年前というと随分前のようであり、ついこの前のようでもあります。一つ言えることは、時の流れの中で今当たり前のものでも時が経てばそれなりに貴重な記録になるということです。これからも少し先の車両の動きを意識し、日常の鉄道シーンを撮っていこうと思います。
もともと本稿は、デジタル一眼レフ導入20年がテーマでした。2004年に初めてのデジタル一眼レフ、ニコンD70を手に入れ、翌2005年にはD200を導入しました。この頃はデジタルカメラの革新が激しく、毎年のように性能が向上した機材が登場し、カメラ好きにとって高揚感がありました。スマートフォンのカメラの性能が著しく向上し、デジタルカメラの出荷台数が大幅に減った今、これからのカメラシーンは2004年前後のように熱くなることは恐らくないでしょう。
D200は1000万画素、1秒5コマの撮影枚数、何枚でも連続撮影可能なバッファ容量、フィルムカメラと差異を感じないファインダーを装備し、もはやフィルムカメラを完全に越えたと思いました。これは同時期のキャノンでは、EOS20D〜40Dにも言えることです。フィルム時代には無かった手振れ補正と高感度耐性の技術も確立し、いとも簡単に安価に高精細な写真が誰にでも撮れるようなりました。SNSの普及もあり、鉄道撮影者は増え、とりわけ、ヘッドマーク付きや引退列車には爆発的に人が集まるようになり、困惑することも多くなりました。
2025年はどんな風になっていくのでしょうか。私自身の機材は、その後、D200からD300、D7500を経て、今ではミラーレスカメラに移行していますが、あちこち撮りに行っていることでしょう。
ブギウギ様
様々な時代の車種を楽しく拝見させていただきました。文中、篠ノ井線のローカル運用列車の車種についてのご質問があったかと思いますが、同線は長野-松本間は127系が、中央本線からの乘り入れには主に211系が使用されているようです。127系は701系交流の直流版のような感じでどちらも私は好みではありません。写真は2023年12月7日西条駅を出て松本に向かうクモハE127-117+クモハ126-117の2連です。
準特急様
コメントありがとうございます。今年も宜しくお願いします。127系が篠ノ井線にも進出しているのですね。211系一族までは親近感というか趣味としての鉄道車両の範疇に入ると思うのですが、127系や701系になると、もはや何というか、いや好みの問題かもしれませんが、最初の印象は、ここまで合理化するか、というのが正直な感想でした。
ブギウギ様
あけましておめでとうございます。
どの写真も鮮やかでピカピカと輝いていますね。とても綺麗ですね!
福井の懐かしい数々のシーン、あぁこんなんやったな!と思い出が甦りました。特に旧福井駅のシーンはえち鉄、サンダーバード、475系の普通車の三段並び、もう見られないですね!
今年もよろしくお願いします。
マルーン様
コメントありがとうございます。福井は新幹線開業で鉄道シーンが激変したと言えるでしょう。新幹線は通りましたが、これまで関西との結びつきが強かった福井はこれからどうなっていくのか、と思います。なにはともあれ、今年もよろしくお願いします。
ブギウギ様
また私で恐縮です。文中にあります琴電1105は元京王クハ5772で特急に使われなくなった晩年の頃(1995.10.14)支線の多摩動物公園線線で7連で使われていた頃の姿です。先日、富士急から引退して各地にいた旧5000系も残り僅かとなりました。