「信号場」を巡る   ③

ホームのある信号場 北豊津信号場

当時の北海道の時刻表を見ると、「キロ数」の欄が空白の駅があります。巻末に解説があって「キロ数を示していない駅は臨時の駅ですから、そこに行かれる際は、その先の駅まで切符を買ってください」と注釈があります。北海道に多かった臨時乗降場の類いですが、これには、もともと臨時乗降場として開設されたものと、信号場が昇格し旅客扱いを行ったものに分かれます。この北豊津は、数少ない臨時乗降場でした。北豊津信号場は、函館本線黒岩~国縫にある信号場。昭和19年、太平洋戦争に伴う輸送力強化の一環で設置された。太平洋戦争中は、陸軍の軍馬補充部があり、戦後も付近で砂鉄の採集が行われていて、仮乗降場として旅客営業が行われていた。昭和62年の国鉄分割民営化に伴い、JR北海道に継承されるとともに、正式な駅へ昇格し、北豊津駅となった。しかし周囲には、民家は皆無で、一日乗降数が0人台が続き、2017年3月に旅客扱いを廃止、信号場に戻って現在も所在する。この当時は、単線から分岐する2線構造の信号場であったが、昭和45年に国縫方が複線化されたため、分岐型の信号場となった。

短めだが相対式ホームを持つ。駅名標には「Signal Station」の表記が見えるが、これは道内の信号場で見られる独自の表記である。国道5号と並行し、その向こうは噴火湾だが、駅前で工事中のため見ることができない。列車は函館発札幌行き「すずらん1号」、56系10連で運転され、函館~札幌は82系DC特急が主体だったが、まだまだ急行が活躍していた。

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