「信号場」を巡る  ⑫

南海電鉄 梶取(かんどり)信号所 

信号場は国鉄・JRだけの設備かとも思いますが、大手の私鉄にも存在していました。ただ大部分は、駅間で車庫・支線への分岐上に設けられた分岐型の信号場で、たとえば、京阪電鉄寝屋川信号所、阪急電鉄東吹田信号所は、いずれも車庫線への分岐です。今回紹介の南海電鉄加太線の梶取信号所は、単線の駅間で、行き違いのために設けられた信号所です。関東なら大手私鉄でも、西武鉄道秩父線の正丸トンネル内や、京成成田空港線に行き違いの信号場がありますが、関西私鉄ではたいへん珍しい存在です。南海加太線が紀ノ川で本線と平面交差して分岐し、つぎの東松江の間にあるのが昭和25年に設置された梶取信号所で、かつて加太線に貨物も走り、客貨とも賑わっていた時代の遺物とも言える。日中は交換もなく、電車は通過するだけだが、平日の朝の6時台に一回だけ、和歌山市6:10発加太行きと、加太5:56発和歌山市行きが、この信号所で交換していることが、時刻表から読み解ける。なお、2013年に加太を訪問した際にも、記事を載せていた。加太紀行 〈上〉 | DRFC-OB デジタル青信号

 「信号場」を巡る  ⑫」への6件のフィードバック

  1. 総本家青信号特派員様

    加太線といえば北島支線ですね。紀ノ川に架かる河西橋は今夏新しい橋にその役割を譲りました。

    確認のためにネット検索すると、なんと本日にこんなニュースがあったようです。

    https://mainichi.jp/articles/20251205/k00/00m/040/374000c

    私鉄といえば、名鉄小牧線の五郎丸信号場もありますね。

    • 奈良の駅名研究家様
      名鉄小牧線の五郎丸信号場、その名もさることながら、信号場の存在も初めて知りました。こちらは、高架上の信号場なのですね。北島支線の河西橋の倒壊も、ネットニュースで知りましたよ。

  2. 総本家青信号特派員様
    私鉄で行き違いのための信号場は珍しいですね。一度、加太線に乗車しましたが、気づきませんでした。
    加太線は使用される車両の今後の動向も気になりますね。

  3. 準特急より
    皆さんこんばんは。同志社の150周年広告も日経新聞で見ております。さて、デジ青ですが知識のない人間は登場の機会が限られるようですが、長いこと写真撮っていると「こんなんありまっせ」でコメント登場することは可能です。南海の支線なんか関西のことよう知ってる人でもなかなか行くことはないようですが2008年4月27日に南海加太線加太-磯ノ浦間で和歌山市行き7969+7193の2連を撮っていました。この日は海を入れた写真を含めて鉄道ピクトリアル2008年8月号特集:南海電気鉄道に掲載いただきました。総本家青信号特派員さんには貴重な信号所研究シリーズに邪魔させていただき申し訳ありません。

  4. 南海には単線時代の高野線三日市町~千早口間に列車交換のための加賀田信号所がありました。写真は残せませんでしたが、子供の頃、ここで対向列車待ちをしたことは記憶に残っています。この辺りは複線化の際に線路が大きく付け替えられ、旧信号所とクロスするあたりに新たに美加の台駅が開設されました。写真は旧信号所より千早口方の旧線跡近況で、遊歩道になっていて廃線跡歩きを手軽に楽しめます。

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