活躍する103 〔1〕

“国鉄型”と言われる車両は、根強い人気があるようだ。とくに京都・大阪では、首都圏で消えてしまった車両も、国鉄色をまとって頑張っている姿が見られる。なかでも昭和37年度から20年余りに渡って3447両が製造され、国鉄電車の最大製造両数を誇る103系は、首都圏では、平成18年3月の常磐線快速線の運用終了で見られなくなったが、JR西日本ではまだ活躍が見られる。格別に電車に興味も示さなかった私も、業務もあって昨年来から103系の撮影を行なっていた。そのなかから、吹田総合車両所の奈良、鳳、森ノ宮支所の103系の活躍を見てみよう。

奈良支所の103系

奈良支所には6両編成が3本、4両編成が13本の計70両の103系が在籍し、カラーは「ウグイス色」と呼ばれる黄緑6号で、前面は、JRマークも加えた白帯を巻いている。ウグイス色は、103系で最初に使われた車体色だ。山間部の走行もあり、ウグイス色だけでは識別が困難という理由で、国鉄時代に黄帯が巻かれ、JR化後に白帯となった。6両編成は、201系と共通運用で、関西・おおさか東線で使用、4両編成は奈良線で使用され京都駅に顔を出す。また4両編成×2の8両編成は、関西・大阪環状線で使用されている。今回、紹介するのは、その8両編成で、平日の朝夕のみに大阪環状線を走るウグイス色の103系だ。

1212_030sy大川を渡る 桜ノ宮 運用は、奈良を7時06分に出る天王寺行き区間快速321Yから始まり、関西、大阪環状線外回りで天王寺へ向かう。天王寺からは、そのまま環状線内を外回りで周回し、都合3周半して京橋に終着、森ノ宮支所に入区するもの。昼間は、同支所に留置され、夕方に出区し、京橋16時46分発の内回りから始まり、大阪環状線を3周半してから関西本線に入り、区間快速2460Yで加茂に向かうもの。

大阪環状線をメインとする森ノ宮支所の103系は、すべてオレンジ色、体質改善40N工事の高運転台車であり、奈良支所の103系は、全盛時代の103系を彷彿とさせ、大阪環状線で異彩を放っている。

7-2 大阪駅 140317 (82)-2syu

国鉄色並ぶ 大阪 国鉄色との邂逅も一瞬見られる。右は381系「こうのとり」、大阪駅は新しくなったが、走る車両はまさに国鉄時代、40年前とそれほど変わっていない。

131212_075syu野田にて クハ103-174F 「延命N工事」と呼ばれる更新を行なっているが(一部、延命N40工事あり)、先頭車は低運転台のままで、国鉄時代の面影十分である。

 活躍する103 〔1〕」への2件のフィードバック

  1. 総本家青信号特派員様
    かつて旧型国電は面白かったです。戦前の2扉クロスシート車両が改造されて4扉車になったり、京都~西明石間の各停電車にも3扉のセミクロス車がいたり、片町線、阪和線も今から思えば宝庫でした。1両、1両撮影する価値のある車両ばかりでした。逆に101系以降の通勤用の全金属、高性能車両は編成美等の格好よさはありましたが、ことさら撮影の対象とならず、フィルムが余った時についでに撮るような車両でした。ところが、どこでも見られた103系等も首都圏ではあっという間に消えてしまいました。晩年は常磐線の15両編成や京葉線、武蔵野線、南武線、はたまた仙石線や広島、岡山方面にもよく出かけました。異国の地インドネシアにも行きました。残念なのは単なる移動のために利用し撮影対象でなかった山手線103系の全盛期の姿がほとんど撮れていないことです。そういう意味で近年になり、関西に行くと手軽に写せる大阪環状線大正を始め、阪和線浅香、関西線河内堅上、奈良線宇治等にはよく出かけております。そして、いつの間にか、かつて若いころに接していた戦前の古豪、旧型国電と同じような感情を持って撮影している自分に気づきました。113系についても同じことが言えますが、これら国鉄形車両が晩年を迎える頃にはいろいろ改造されて個性的な車両が増えてくるからかつての旧型国電と同じような気持ちになって撮影しているのだと思います。播但線や加古川線等はこれでも103系かと思うほど改造されてしまい、それはそれで103系のバリエーションが増えて面白いものです。総本家さん同様にこれからもくせ者を求めて撮影に行きたいと思います。続編を楽しみにしております。

  2. 準特急さま
    いつもいつも、暖かいコメントいただき、ありがとうございます。“かつての若いころに接していた旧型国電と同じような感情を持って撮影している自分に気づく”は、全く同感です。この気持ちが鉄道趣味を永続させる源泉なのでしょう。とくに103系の場合は、製造両数が多いだけに、地域差、個体差が多いのも魅力です。私は細かいところまで観察する興味や能力は有りませんが、塗装や外形の違いをみるだけでも楽しいものです。

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