2010年2月14日に春節(旧正月)を迎える中国では、1年に1度の民族大移動が、ピークを迎えています。現地では、この輸送を『春運』と呼び、各交通機関が、最大限の体制をひきます。
2010年の『春運』は、1月30日から3月10日までの40日間と設定され、この期間中の旅客輸送量は、延べ約25億人強、昨年に比べて、7.7%増と予測されています。
利用される交通機関は、道路を走るバス、自家用車が22.7億人(89.3%)と殆どを占め、次いで、鉄道の2.1億人(8%)、水路の船が3200万人(1.3%)、航空の2894万人(1.1%)に達するだろうと、発表されました。
日本では、JR私鉄の鉄道輸送は、2007年度で、40日当たり、約25億人です。日本の10倍以上の人口を誇る中国です。数字からは、鉄道王国日本と比べると、まだまだ貧弱な中国鉄路と言わざるを得ませんので、経済発展に欠かせぬ交通インフラ、特に飽和状態の鉄道輸送は、整備が急務です。
中国政府は鉄道切符の不正な転売などに対処するため、2010年の『春運』は、広州と成都の鉄道局が管理する一部の駅で、切符販売の実名制を試験的に実施したそうです。切符に、名前が印刷されています。飛行機と同様ですね。不正なく徹底されたら、旅行社等が買い占めて、窓口で買えないといった事は、起こらないでしょうが、結果はどうでしょうか。
中国鉄路では、2020年までには、縦4線横4線の高速鉄道網を建設予定ですが、経済発展のスピードに追いつくには、まだまだ足らないと思われます。
上記の営業キロは、予定だそうです。
世界最高表定速度を誇る、武広高鐡。CRH2-300とCRH3が使用されています。ダイヤから見ると、殆どフルノッチでの力行を続けていると思われます。ピンク色は、途中站無停車です。
2010年は、『春運』に間に合わせるように、350km/hで走行する世界最速の武広高鐡線と、続いて鄭西高速鉄道が誕生しました。しかし、日本のように、充分な試運転を行ったのではなく、とにかく走らせてからとの思惑が強く、初期故障は、防ぎきれずです。度々の遅延、運休に散々の批評を受けています。
山岳路線だけあって、武広高鐡のような高速連続走行はできませんが、充分なスピードアップです。
また、CRH2-300(はやて改良型)が、登場しています。北京~天津間の高速線で、技術供与協定違反の350km/hで運行されました際に、JR東日本、川崎重工等からの強い申し入れで、運行停止となり、姿を消していました。
今回の復活を、調べてみましたら、昨年10月に、日側との調整が取れたとの、中側発表が、隅っこにありました。詳細については、記載がありませんが、何やらあったろうと、容易に推測されます。しかし、これで、雄姿をまた見る事ができます。
何と言っても、乗ってみてのピッチの広さ、リクライニングの角度等々の居住性は、他のCRHと比較にならないほど、良いのです。是非とも、北京~上海間には、ドイツ製を追い抜いて、登場して欲しいと思うのは、私だけではなく、CRH2に乗車した、多くの乗客の希望だと思います。いくら、CRH3が、394km/hの最高速を誇っても、狭い居住性は、まっぴら、ごめんです。500系以上の圧迫感があります。
続いて開業するのは、上海を中心とした路線で、上海万博直前あたりです。どの路線が、無事開業するのか、楽しみです。