年末 大慌ての決算報告(2)

「高崎周辺が騒がしい」と以前の掲示板にも投稿がありました。高崎を中心に群馬県下では”群馬デスティネーションキャンペーン”が繰り広げられ、「ぐんまツーデーパスSP」を手に現地を訪れました。9月は多くの鉄道イベントが目白押しで、C61も含めた蒸機の運転も盛んに行われましたが、イベントは避けてもっぱら私鉄巡りに時間を費やしました。
「ぐんまツーデーパスSP」は、2日間、群馬県下のJR・私鉄乗り放題で3600円、これまた超お買い得切符で、JR東日本の大人の休日倶楽部会員だとさらに安くなるため、わざわざ同会の会員になりました。JR西日本内の居住であっても、J東日本の格安企画切符は大きな魅力です。制限の多い格安きっぷをうまく利用できるのも、毎日が日曜日族の特権ではあります。

▲上信夕景 出版社での仕事が予定外に早く終わったため、東京から明るいうちの高崎入りとなった。まだ宿へ入るには早い。日が暮れるまでのひと時に、ふと思い付いたのは上信電鉄南高崎~根子屋の烏川鉄橋だった。3年前に来た時は急にカメラの調子がおかしくなり、眼前を通過する電車を泣く泣く見送ったことがある。今回はリベンジでもある。南高崎で下車して歩き出すと、ちょうどいい具合に陽が傾き始め、鉄橋を渡る電車がシルエットになった。

▲”わ鐵”爽秋 群馬県下の3私鉄に全線乗車したが、いちばん印象的だったのは、わたらせ渓谷鐵道(わ鐵)だ。前身の足尾線から通じて初乗車となったが、沿線の光景にすっかり魅せられた。栃木県に入る北半分は、ずっと渡良瀬川に並行している。そして、沿線の上神梅、神戸、沢入、通洞、足尾などの駅をはじめ38の施設が登録有形文化財に指定されており、昔の国鉄時代が、ごく自然に、そのままの形で残っている。好天もあいまって、清々しい光景が続く。
終点の間藤から、川沿いに歩き、次駅の足尾まで来た。背後の緑、青空に木造駅舎が美しく映えていた。丸型ポストもいいアクセントになっている。つぎの列車が来るまで、ポッカリ空いた時間、付近をウロつくのが無上の楽しみとなった。すぐ近くで公開されている明治建築、古河掛水倶楽部も、たいへん興味深く内部を見学することができた。