(ペナン島からタイ国境の町パダンプザールへ)
▲コタバルの街並み
2月5日、タイからマレーシアに入り、東海岸近くのコタバルに着く。コタバルは、1941年の開戦時、真珠湾攻撃とほぼ同時に日本陸軍が上陸し、侵攻を開始した地点である。24年前の1996年、ペナン島からバターワースに渡り、夜行バスに乗ってコタバルに着いたが、今回はその逆である。コタバルは、イスラム教色の強いマレーシアの中でもとりわけ目立つところであり、カラフルなヒジャブを被った女性が行きかい、モスクの尖塔も目立つ。前回は、イスラムスタイルのホテルに泊まり、コーランのようなBGMがホテルの廊下で流され、部屋の中も靴を脱いで上がるスタイルが印象的であった。コタバル近郊のトゥンパからマレーシア鉄道の東線にゆっくり乗ってみたいが今回は時間がない。トゥンパを18時50分に出て、マレーシアとシンガポール国境のJBセントラルに12時6分に着くラックヤット急行に乗ってみたいものである。そもそも約一週間でタイ、ラオスに加えマレーシアにも入り、タイには3度出入国するというスケジュールに無理があった。今回は、コタバルから空路で一気にペナン島に渡る。双発のプロペラ機で約50分の行程である。ファイアフライという航空会社は、短いフライトの中で、パンケーキとグアバのような南国果実のジュースを運んできてくれた。昼ごはんを食べれなかったので有難い。雲間を抜けるとほどなくシートベルト着用のサインが点灯し、ペナン島に着いた。▲ファイアフライ航空の機材 ATR72というのだそう
▲機内サービス▲これはお腹にしみわたった
路線バスで1時間弱乗って中心市街に入るとすっかり日が暮れてきた。ペナン島は古くからのリゾート地でもあり、イギリス植民地時代の街並みが残る中華系市民が多く住む島である。翌朝、華僑のレストランであっさりとした中華麺をすすってから、午後のフェリーまで時間があるので、海岸沿いをゆっくりと見て回る。
▲ペナン島のまちかどにて▲朝ごはんは中華系のレストランで
▲あっさりとした麺。かまぼこのような魚肉の団子入り。
▲ペナン島のまちかどで
▲ペナン島から対岸のバターワースまで船に乗る。背景のビルはペナン島で最も背の高いコムタ。
ペナン島からバターワースまでは、船で渡る。船といっても20分ほど乗るだけである。観光客もいるが、地元の人が圧倒的に多いと見た。川を渡るような感じである。
駅のある場所がよく解らず、少し迷ってから着くと、ちょうど電車は出たところだった。
バターワースからタイ国境のパダンプザールまでは電車で2時間弱。その逆行のクアラルンプール行きもそうだが、集団見合い式の固定シートのコミューター(普通)、インターシティ(特急)の2本立てで、空調付きの最新電車は、さながら中央線の快速電車とスーパーあずさ、或いは常磐線の緩行線とフレッシュひたちになぞらえることが出来そうである。
▲パダンプザールまではコミュータートレインの電車に乗る。これは、マレーシア鉄道のKTMコミューター用の電車、クラス92で、交流25000ボルト、最高運転速度140キロ、軌間はタイと同じメーターゲージ(1000ミリ)、中国株洲電力機車製だそう。
バターワースを14時25分、定刻通りに発車。路盤と台車がよいのか滑るような乗り心地で、空調もよく効き車内も静かである。各駅停車のようだが、駅間距離も長く、結構高速で走る。169キロの距離を2時間を切る速さである。バターワースから暫くは都市途中には、日本では見られないような岩山というより奇岩の景色もあり、なかなか飽きない。16時16分、定刻にパダンブザール駅に到着。改築したばかりのような大きなターミナルビルで、マレーシアとタイとの共用駅になっている。駅ビルの中に両国のイミグレーションがあり、流れ作業のようにスムーズに手続きが進む。今回、タイ―ラオス、タイ―マレーシアと陸続きの国境越えを続けてきたが、いずれも従来方式のパスポートに出入国スタンプを押すやり方で、スタンプ省略や機械ゲートは無かった。パダンプザールは、北タイ方面に向かって、駅の右側がマレーシア、左側がタイになっている。発車までだいぶ時間があったので、一旦駅を出てマレーシア側の市場をうろうろしたが、すでにマレーシアは出国手続きを終えていたので、実はまずかったのかもしれない。でも駅からは出入り自由であるので、地元の人たちはどうしているのだろうと思った。▲マレーシア鉄道の優等電車。これは、マレーシア鉄道公社の都市間高速列車の急行、ETSGOLDとETSSILVERで使われている電車で、写真の電車はクラス93(中国株洲電力機車製)というのだそう。
タイ、マレーシアあたり面白そうですね。言葉が理解不能で一人旅はハードルが高いのではと思っていましたが、交通網も整備されたようで、昔ながらの風景も残っているうちにぜひ一度行ってみたいと思いました。また、良いところ教えてください。
大津の86様
コメント有難うございます。タイの鉄道は、無煙化はされているものの、非電化の昔の鉄道シーンそのもので、長距離客車列車の旅を楽しむにはうってつけですが、裏を返せば、速くない、埃っぽいなど旅行者に気合いを求める部分もあります。マレーシアの方は、乗った区間だけの印象ですが、新快速乗ってるみたいやな、と思えるくらい各駅停車でも速いのです。この落差も含め、東南アジアの鉄道にまた行ってみたいと思っています。