アイキャン電車とは

変【12628】関西急電アイキャン色

アイスキャンデー色が話題になっていたそうだが、老人は退院後ボランティアに追いまくられ、その前のP-6の時もさぼってしまった。期変わりと共にまたまた多忙な日を送る事になるので一気に昔話を展開することにしよう。

アイスキャンデーのことを京の童は「アイキャン」と言っていた。アイキャン省電が出現したのは昭和24年9月15日のダイヤ改正の時だと、我が奧野利夫師匠は書き残してくれている。鉄道省から公社になった頃だから国電とするのが本当だろうが、こげ茶色の省電の中にあって4両1編成、流線型モハ52003+サハ48035+サハ48033+モハ52004の鮮やかな色の急電が京都-神戸間を走り出した時は、省電ファンならずとも大騒ぎとなった。老人はこの時小学校5年であった。

アイキャン屋と名付けられ、紙芝居屋と同じくジャランジャランと鐘を鳴らしつつ自転車でやってくる物売りのオッサンの商品・アイスキャンデーを収納したアイスボックスは水色であった。この色が急電の色に似ているとした名付け親がいたようだ。この年はよほど残暑が酷かったのか、印象深く語りつがれた。翌年8月から急電は関西急電色、モハ80系の湘南型に変わっている。僅か1年の命であった塗り分けであったが京都人にも強烈な印象を残して阪和線に落ちていった。

落ちた先に同じアイキャン色モタ303+クタ501+モタ302が頑張っていた。こちらの登場は流線型より3ケ月早かったとか。阪和線の山手からは青い海がこの頃は見えたのであろうか。少なくとも青の濃淡の塗り分けは大阪湾や紀伊水道の青い海を象徴しているように思われる。それが京阪神間の餓えた都会人からすれば、アイキャン屋の箱に写ってしまったのかも知れない。

さて、昭和25年前後、アイキャン屋全盛期であった。老人の縁類になる下鴨神社の「みたらし茶屋」を名乗る京菓子舗・亀屋粟義も、京菓子の原料は統制品であり入手ままならず、夏にはアイキャン製造機と言っても簡単なものだが、同じ町内の肉屋の冷凍機製造と修理を手掛ける業者に作らせ、初夏から初秋にかけて京菓子など目もくれず空と温度計を睨みつつ、アイキャン製造に励んでいた。おじさんが自慢することが一つあった。「うちのアイキャンは京菓子の色粉使ってから色と香りが良い!」であった。薄い水色とピンクの2色とほのかな香り。これが自慢であった。ただし甘味料の方は砂糖を使うわけにいかず、サッカリンでなかったと思っている。

アイキャン箱は近所の指物大工が作り、すのこの下に氷2角置いてアイキャンを30本ばかり重ねて、売り子のおっちゃんが下鴨を廻っていた。今は昔の話、大変な脱線となってしまった。

3 thoughts on “アイキャン電車とは

  1. 長老様、
    オツムの手入れをされたので、CPUが最新型になりさぞやレスポンスが早くなるかと思いきや、慣らし運転中とかでゆるゆるとお返事をいただき安心しました。
    さて、アイスキャンデーのことは河様からのお話で理解できましたが、そこに書かれていた「阪和電鉄開業の頃に京阪電鉄が和歌山での電気事業を手がけた・・・」とある部分を詳しくお教えいただきたい。

  2. さすがに長老ですネ。仰ること全てに頷く以外ありません。
    先日厚かましくもコメントさせていただきましたが、実は自分でコメントを書きながらも今ひとつ整合性についてスッキリしない気がしていました。
    特に阪和線の方が先にアイキャン色を採用していたかどうかが府に落ちない点でした。
    何しろ小生も当時は幼少で、やっと国電を意識し始めた頃ですので、当時住んでいた立花からは『遠い所』の阪和線の状況などは未知の世界でした。
    ただ、京阪神の急電は当時の自宅前の田んぼを挟んで至近の築堤上を右に左に行き交うのを毎日眺めて育ったため、アイキャン色の52系は強烈に脳裏に焼き付いています。
    しかし、その52系急電が登場した時期の時系列的な流れはアヤフヤで、1949年4月10日に京都-大阪間に復活した時にアイキャン色で登場したものと誤認していました。
    仰せによると、その後の6月1日からの京都-神戸直通時でもない9月15日の時刻改正時からとの事、これでモタ303等の方が先にアイキャン色だった事が判明し抱いていた疑問は氷解しました。
    また、その空色系の色が『アイスボックスの色』だと言う事や『大阪湾と紀伊水道の海の色』だと言う事をご教示いただき、『なんで京阪神の急電が青(水)色にせなアカンかったんやろ?』と言う疑問も阪和線に倣ったためと納得できました。
    ところで、そのモタ303等のアイキャン色を写真で確認したくて探していましたが、本日ネット上で見つける事ができました。

  3. 昨日のコメントに又また不注意にも変換ミスのチェック漏れがありました。
    4行目の『府に落ちない』は『腑に落ちない』ですので訂正致します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください