2012年冬から春への中国鉄路一人旅 Part10  大地縦断5,010キロ 鸡西から昆明へ

第11日目~第14日目  2月29日~3月4日

① 鶏西21:03(K7076次)→5:58ハルピン   549キロ  8時間55分
② ハルピン8:50(D28次)→17:53北京   1249キロ
9時間03分
③ 北京西19:31(K471次 )→16:21昆明  3212キロ 44時間50分

今晩から鶏西を出発して、3本の列車に乗り継ぎ、冬の東北から南国昆明に向かいます。乗車距離5.010キロ、乗車時間は62時間48分(3泊4日)にも及びます。今までの中国鉄路乗車では、乗車距離と乗車時間とも最長になります。勿論、もっと長い乗車もできますが、今回は、乗り鉄だけでなく撮り鉄も目的の一つです。昆明ではメータゲージ、重慶では600㎜ゲージが待っています。

▲ 青線が昨日までに乗車した路線、赤線が今回乗車する路線です。

▲ 切符がオンライン化(?)されて、今迄できなかった乗継乗車も簡単にできるようになりました。ただ、日本のように遅れても次の列車は待ってはくれませんので、リスク覚悟が必要です。

【 K7076次乗車 】 鶏西→北京 549キロ 8時間55分

▲ ホテルは駅前正面ですので、発車近くまで部屋をキープしてゆっくりしました。田舎と言っては失礼ですが、軟座待合室は、大都市ハルピンより広くて綺麗です。発車45分前の光景ですが、30分前になるとどっと乗車客が入って満席に立ち席状態となりました。

▲ 乗車後に切符と交換された寝台券。受け取ってびっくり、だいたいは広告なしですが、悩ましげな広告が付いています。お堅いはずの中国鉄路局です。よく許可したものだと、在職中は鉄道広告に携わった者として意外感がありました。日本では、絶対に無理です。デザイン審査許可が通りません。

コンパートメントの同室者から日本語で声をかけられ、こんな所でとびっくりしました。聞きますと、自分は48歳、郷里は鶏西ですが、今は家族一緒で、広島の福山に住んでいます。昨年夏に脳溢血で倒れました。今回、郷里の親戚から中医治療を受けなさいと言われ出てきました。ハルピンに到着後、飛行機で上海へ行き、広島までまた搭乗して当日に帰ります。近くなりましたと言われました。障害も残っているそうです。48歳の働き盛りに大変だなと思いました。

【D28次動車に乗車】 1249キロ 9時間03分
定刻にハルピンに到着しました。乗換まで3時間近くありますが、日本のようにちょっとその辺を散歩など広い中国では考えられません。おとなしく駅前食堂で朝食をとってから、動車(和諧号)待合室で待ちました。軟座待合室より広くてゆったりしていましたが、発車30分前はいつもと一緒の状態でした。

▲ 少し残雪が残る満州の荒野を150~190キロで快走します。以前はもう少し速かったのですが、温州での事故以来、スピードダウン化がなされました。車窓には、ウルムチ同様に風力発電の風車が乱立しています。火力発電に頼る中国ですが、自然利用も結構多く見られました。

【 K471次乗車 】 3212キロ 44時間50分
北京駅には定刻着でしたが、乗り継ぐ列車は北京西駅発です。地下鉄はまだ開通していません。Taxiに乗れば楽なのですが、雨で丁度ラッシュとなりますと、車は動いていません。乗っても昼間の20分程度では到着しないのは明らかです。1時間半以内で確実に着く方法は、近くの地下鉄駅まで行って、後は徒歩しかありません。

▲ 左は北京駅、右は北京西駅。西駅の地铁開通は、今年中だそうです。

北京駅から2号環状線で復興門駅まで行き、1号線に乗り換え軍事博物館館駅で降りれば、1キロ先に西駅が見えます。自転車Taxiがあれば便利なのですが、Taxi同様に空車はありません。時計を見ながら、とぼとぼと雨降る夕闇の街を歩きました。北京西駅が開業して16年以上、首都でもあるのに、どうしてまだ地下鉄が開通しないのか、高速鉄路の目覚ましい開業ぶりと比べると、あまりの差に分らない国の実態が見えてきます。


▲ 北京駅到着後、地下出口通路で新しい2012年3月号時刻表を見つけました。 訪中以来、新しい時刻表を探していましたが、どの駅でも置いてありません。1月号が出ていると思っていましたが、この時刻表は、今迄発行されたことのない3月号です。鄭州鉄道日記さんから電話がかかってきたので知らせますと、自分も1月号を求めたがなかった。それに3月号が1日に出るとは意外です。通常は末日近くに発刊されることが多いと言っておられました。早速、今から乗るK471次の時刻を見ますと、19:23と間違っています。しかし、10月号では合っています。運用の関係で、2~3日は改定前の時刻で運転するのでしょうか? この時間帯は、各地方鉄路局受け持ちの夜行列車の発車がラッシュになりますので、調整が大変でしょうね。

【長距離夜行列車の楽しみは、車窓と食事】
K7076次は夜行でも深夜発早朝着ですので、食堂車の連結はありません。D28次は、動車のためレンジでチンの高くてまずい弁当しかありません。一方K471次は2泊3日も走りますので、勿論あります。受け持ちは、初めての昆明鉄路局です。隣の成都鉄路局は中国一ですので期待したいところです。

▲ 左上から1日の夕食;食堂車に行こうとしましたら、出来立てアツアツの弁当の車内販売がきました。これで20元(約260円)、安くて美味しそうでしたので買いました。ご飯がぱさぱさでなく中々の味でした。右上は、2日の朝食10元です。左下は2日の昼食(20元) 昨日と同じようですが、おかずが変わっていました。右下は食堂車での注文した夕食(64元=約800円)です。選べるおかずは約30種類と豊富です。味もしっかりしていましたが、ご飯がパサパサに変わってしまって上手くありませんでした。

▲ 3日朝の米で作った米麺(10元)。昆明局名物です。昼間は、この列車に乗るのがギリギリでしたので、食堂車が空いていなかったらと駅で買い求めていたインスタントラーメンです。

また食事のオンパレードになりました。車窓を紹介したいのですが、北京を出て以来雨でかすんでいます。窓ガラスは、例によって汚れてスリガラスに近い状態です。

この列車の寝台券です。これが普通ですが、昆明らしく少数民族のお姉さんの写真でもあったら素敵と思います。

3日目に入ると車窓も変わってきました。山水とはいいがたくとも、山の形が違ってきています。

▲  この列車、北京から昆明まで乗りとおす乗客はわずかです。殆どは、途中乗車下車客で、大きな駅では、乗客がすべてすり替わってしまうほどです。終点近くなった紅果駅では約30分の停車時間があって、食堂車のコックさんたちもホームに降りてゆっくりとしていました。雨も上がり、日差しが入っていました。
私のコンパートメントですが、2回ほど乗客が変わりました。そして途中からは個室状態で昆明に到着しました。

ホテルは、ネットで予約済みです。駅前で近いので歩いて行こうと思っていましたら、突然の雷雨です。500mぐらいだったのですが、たまらずバイクTaxi(10元)に乗りました。
  Part11  へ続く

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