連接車9

今回はヨーロッパの路面タイプではない連接車とする。連接車については鉄道ピクトリアル789 2007年5月号にその特集が組まれているが、巻頭の説明では「連接車は車両同士の連結部分に台車を配置し、隣接する2つの車両を1つの台車で賄っている車両である」と書かれている。ところが、その特集記事の中で専門家は上記定義に当てはまらないものと断って最近普及しているLRVを広義の連接車として説明している。広島電鉄5000形のようなLRVはヨーロッパ各都市では以前から多く見られるが、このような5車体3台車の車両では台車のない車両は隣の車両が吊っている様である。この連接車特集号では日本のLRVの写真がどんどん紹介されているし、旧東ドイツでは2車体2台車もある。連接車の定義、範囲はよくわからなくなった。ということで連接車最終回は標準型で有名な車両を選んでみた。

最初はイタリアの元TEE「セッテベロ」ETR300で小田急NSE等に影響を与えたといわれる車両。1952年生というから恐れ入るが実に思い切ったデザインの車両である。2車体3台車の間に3車体4台車の中間車を挟む7両編成。2000年5月5日ミラノ~ボローニャ間にあるFidenzaでの撮影。

 

これも有名なフランスのTGV。8車体9台車の中間車に両端はボギー式で10両で1編成。2005年8月7日南仏Antheorの高級別荘地から撮影。パリリヨンとニース方向を結ぶ上下列車。↓        

     

 

1997年8月17日ベルギーのローゼンタール~アントワープ間のKijkuit付近で撮影のタリス。アムステルダム発ブラッセル行きで両端動力車中間8車体9台車はTGVと基本的に同じ考え。↓

          

ユーロスターも連接台車を採用しているが、動力車と客車間、編成中央の客車間は非連接で4分割可は海底トンネル内での異常時対応。1997年8月20日ベルギーのフランス国境に近いMonsで撮影したブラッセル発ロンドンウォータールー行き。↓

 

最後はスペインのタルゴ。2000年5月7日スイスチューリッヒ郊外のMurgenthal~Rothrist間を行くRE/44に牽引されるバルセロナ発チューリッヒ行きEN273列車。客車間の台車が1軸であるのが特徴で標準型の変わり種。↓

         以上で連接車9回の連載を終わる。

 

連接車9」への3件のフィードバック

  1. 準特急さんご苦労さまでした。イタリアのセッテベッロの台車写真、見たくてたまらなかったものの一つでした。有難うございました。広島のコンビーノの台車部分は導入した年の”広電まつり”の日に公開されました。駆動装置が分ればよいのに思っていたところ、シーメンスの日本語べらべらの営業マンから貰ったパンフをその後思い出し、貴兄にも見ていただきました。連接でなくドイツ語辞典では関節となっています。ドイツの最近の100%低床は押しなべて連接部は関節です。貴兄がその9で打ち切られたのは賢明です。我々が「れんせつ」といっている意味と欧州で意味しているものはニュアンスが異なるようです。ドイツが大好きな鹿島さんもこの問題は「連接」派です。鹿児島700形ついて、老人のコメントが説明不足ですが、ナニワ工機元常務取締役、故山上聖之さんから頂いた図面が出て参りました。それを送りますからよろしくお願いします。スペインのタルゴ、接続部分の写真を見たことがありますが、心皿らしきものが見当たらずです。構造図には今まで行き当たらずで、どうなのでしょうね。野次馬根性は何時までたっても治まりません。

  2. 乙訓の老人様
    タルゴは専門家によりますとタルゴⅠ、Ⅱは標準型の連接構造ではないとあります。タルゴⅢは該当するようですが写真の車両はⅢなのか確認しておりません。、東急200形の1軸台車に似ていますし、心皿部分の話はよくわかりませんが、わからないなら載せない方がよかったと反省しております。

  3. 準特急さん、分らないなら載せるなといっているのではありません。卑屈にならないようにお願いします。老人は車両の専門家ではありませんから分らぬものだらけです。野次馬根性、好奇心だけは今も旺盛です。以前も澤村君にこんな図面を入手したから解説してくれないかとコメント入れたら、応対してくれた。とても嬉しかった。今、不思議な動力伝達方式を持っているのがウィーンの超低床車。なんでも連接部に推進軸が垂直に伸びているらしい。いつぞや構造について図面で説明受けて現地へ連れて行ってもらったが、ワルツに惑わされ撮影せずに終わってしまったのが悔しい。身体と年金生活の事を考えると、自由に動けないのが情けない。

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