工房便り D50の制作(3)

前回の投稿からあっという間に一月経ってしまいました。前回までで足回りの目処が立ちましたので今回は上回り、主として給水加熱器回りの太いパイピングを中心に、それに関連する工作をご紹介します。苦労して叩き戻したサンドドームでしたが、どうやら高さも高すぎたようで、結局約1mm高さを低くしました。幸い、断面がほぼ同じ部分がありましたので水平にスライスし、再度ハンダ付けで接合しました。ただしこれも1度では決まらず、2回切り接ぎましたのでご覧の通り、継ぎ目が現れています。同時にロストワックス製の蓋と砂撒き管元栓をつけておきました。なお、当社では煙突、ドーム類などに限らず、可能なパーツは出来る限りねじ止めするように心がけています。手順によってはあとで取り外す必要がでてくるからです。

シリンダーブロックの側板にシリンダ排水弁をつけ、シリンダーブロックに仮留めしたところです。ご覧のようにロストワックス製のこの排水弁はとても良く出来てはいるのですが、強度不足でご覧のようにすぐに曲がってしまいます。スケールだけを重視した製品にありがちなこの問題は困ったもので、後日裏側に補強を添えることにします。

フロントデッキには給水加熱器がつきました。ネジの頭が見えていますが、パイピングで隠れてしまうでしょう。シリンダーブロックの真上、ランボード上に突き出しているものはD50特有のバイパス弁の一部です。通常のデフレクターなら省略しても隠れてしまうところですが、門鉄デフではそうはいきませんね。ただし、少々オーバースケールとなっています。

非公式側、給水加熱器へのパイピング中。蒸気管、給水管は布巻きを模した製品で、B6では極薄の帯を真鍮線に巻き付けましたが、ショップでこれを見つけ、今回使ってみました。缶廻りのパイピング が終わっていないので、ハンドレールはノブに差し込んであるだけです。そのため、管支えの位置もずれています。
煙突は実物同様少し延長してあります。7mmのパイプがジャストフィット。前照灯も250Wの大型を奢りました。
ボイラーサイドの給水用逆止弁は下側から入って横に出るタイプ。長い間パーツ箱を暖めていました。

公式側。逆転棒、缶梯子、冷却管、そして砂撒き管もつきました。

これで随分出来て来たように見えますが、まだまだ工作が 残っています。キャブ下の主台枠後部が最大の難関です。次回は従台車廻りと共にご紹介しましょう。(つづく)

工房便り D50の制作(3)」への4件のフィードバック

  1. 頑張るぷるぷるさん、昨11日、小寺康正さんが「集酉樂」にお越しになりました。
    山科の人間国宝もお越しになった直後だったのですが、模型つくりに話題が移りました。「先日夜中まで頑張ってリベット打ち2000本やった」とおっしゃり、同席していたtsurukameさんと2人とダァ-となりました。なんでも蒸気機関車つくりで、なんと2万本リベット打ちした機種があるとか。
    帰りがけに「京都新聞が東山区の変人と言う事で明日取材に来ると電話してきよった。娘はんの記者や!」。張り切ってお帰りになりました。
    ここでぷるぷるさんに質問、リベット打ちの痕跡らしきものが見受けられますが、
    D50のリベットは何本あったのでしょうか?

  2. 恐れ多くも小寺康正さんがお越しになられた由、私は同氏の写真集「蒸気機関車の角度」を最大の情報源として蒸機の模型と向き合ってきました。制作経験を比べたら私など、数のうちに入らない雑魚のようなものでしょう。

    リベットやボルト頭の打ち方(表現の仕方)も、打ち出し器で板の裏側から打つ場合と、ドリルで開けた穴に一本ずつ真鍮線を植えてゆくやり方とがありますが、当然両者には質感等に差が出ます。丸い頭を表現するには打ち出し器の方が適しているでしょう。それと、厚みのある母材には打ち出し器は使えない筈なので、両者万能ではないと言うことです。尤も弊社のような貧乏会社の場合は後者しか方法がない上に、穴開け作業で折れたドリルの刃を研ぐのに結構手間もかかります。

    このコメントを書く直前まで、ある車両の下回りの工作をしていまして、ボルト頭を表現するため、0.4mm線を64本植えましたが精々そんなものです。私自身の記録?としてはC54のキャブに0.3mm線を400本植えたことがありますが、いずれにしてもリベットの本数を競うために模型をやっている訳でないことはご理解下さい。リーズナブルかつ楽な方法があればそちらを選択するでしょうね。

  3. 昔、鉄骨に跨りリベット打ちする職人を建設工事でよく見ていました。熱したリベットを放り投げ、それを大きな革手袋で受取、はめ込んだ後はハンマーで打ち込む作業がみられました。打ち込みは、後にエアシリンダー打設器になりました。この職種は国家資格が必要で、特定の職人しか出来ないと、そして工賃も1ケ所〇×円だと職人は威張っていました。とび職の倍になると言っていた人もいました。
    さて今朝NHK2チャンネルで5:50頃、今も現役と称して、タンク蒸機と82歳の機関士が紹介されました。所在地は山形県河北町、乙訓が知らない話です。なんでも5/5こどもの日には運転すると事。ハザは炭庫の中。主食は割木。風呂の缶応用の野辺山のSLランド、息子が復活させたとの話を耳にした事あり。本当なら来年の総会は蕨刈りを兼ねて野辺山荘に集合!は如何でしょうか。4/24はこんな話をワイワイガヤガヤとやりたい。
    実はこの内容で{新規投稿}クリックしたが拒否されてしまった。なにか不穏な文言があったようだ。それが知りたい。今後気をつけます。

  4. 乙訓の老人さま

    新規投稿が拒否されたとか。内容や文言をシステムでチェックしているのでしょうか?それなら私のいい加減な投稿なんかあまり通らないかも(笑)

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