下津井は生きていた

三蟠鉄道を訪ねる前に下津井に立ち寄りました。下津井にも保存会があって電車が残されていると聞いていましたので 30年ぶりに訪ねてみました。下津井電鉄には昭和44年、52年、60年の3度訪問していますが廃止後は初めてです。

平成28年12月5日 下津井駅跡

平成28年12月5日 下津井駅跡

駅本屋などの建物はありませんが、広い構内はほぼそっくり残っていて驚きました。

下津井電鉄は昭和47年3月末に茶屋町・児島間が部分廃止され、18年後の平成2年12月末に児島・下津井間も廃止され鉄道事業から撤退しました。鞆鉄道同様バス会社として盛業中です。全線廃止からもう26年も経つので痕跡は殆ど残っていないのだろうと思っていましたが、予想に反して当時の面影を色濃く残しているのは意外でした。

保存会

下津井みなと電車保存会の看板

電車の保存活動にとどまらず、駅跡や沿線を花で飾る活動など鉄道ファンに限らず幅広く地元の力を集めておられるのがすばらしいと感じました。

定例活動日のお知らせ

定例活動日のお知らせ

会員以外への何気ないPRも大切なことだと感じました。保存会の皆さんの手で車両たちが手入れされ、雨ざらしではありますが比較的良好な状態で残されているのは有り難いことです。近づいて見たかったのですが しっかりフェンスで囲まれ、施錠もされていましたのでフェンスの外からの撮影となりました。

復元作業中らしいクハ5

復元作業中らしいクハ5

電車たち

2編成の電車たち

2101他

2101他

晩年に井笠からやってきたジハ3

晩年に井笠からやってきたジハ3 塗装途中か?

ホワ、ホトフ

ホワ、ホトフ

次回訪問するなら保存会の活動日に合わせて来てみようと思いました。車両だけではなく石積みのホーム跡もよく残っています。駅そばの陸橋から全景を眺めてみました。

陸橋から駅構内を望む

陸橋から駅構内を望む

昭和44年8月1日 

昭和44年8月1日

建物は消滅していますが、当時の雰囲気を感じることができました。この陸橋から児島方面に線路跡はずっと続いているようです。草刈りもされていて 自転車で通る人もおられました。

特徴ある架線柱が数多く残されている。

特徴ある架線柱が数多く残されている。

名残り惜しかったのですが時間も無いので先を急ぎました。ところが赤碕でも線路跡がしっかり残っていて、生活道路、散歩道として活用されており これも驚きでした。

赤碕駅跡付近

赤碕駅跡付近  人が歩いているところに赤碕駅ホームが残る

昭和52年9月 モハ103+クハ24

昭和52年9月 モハ103+クハ24  後ろの白いビルは当時のまま

街中は道も狭く 駐車スペースも無いので早々に立ち去りましたが 改めて廃線跡ウオークをしてみたくなりました。調べてみると茶屋町から下津井までの全線にわたって 線路跡はすべて倉敷市に払い下げられたようです。児島市街地は様変わりしているのは仕方ないとしても、こうしてできるだけ地道として整備し、残している倉敷市も立派なものだと感心しました。

下津井鉄道が思いのほか残っているのに満足し、次なる玉野市に向かいました。(続く)

下津井は生きていた」への7件のフィードバック

  1. 車両がこのように残っているとは知りませんでした。高松へ行く途中に何度か寄りましたが、突然の廃止で残念に思っていました。また機会があれば寄ってみます。762も北勢線と四日市あすなろう鉄道は何とか生きていますが、下津井鉄道が残っていればまた別の風景が楽しめたのにと思います。

    • INUBUSE様
      コメントありがとうございます。廃線跡や保存車両より元気で走っている鉄道が良いに違いありませんが、四日市付近同様、岡山近辺には762の痕跡が多く、まとめて回れるので思い出しては一巡しています。実は今回もう1ヶ所訪ねるつもりだったのですが、暗くなり始めたので次回に回しました。それは岡山市内の池田動物園です。井笠のコッペルと西大寺の客車、貨車が保存されているはずなのですが、まだ訪れたことが無いので気になっています。さて全国を股にかけた貴兄の奮闘ぶりには脱帽ですが、もう年内はおとなしくされるのでしょうか?それとも次なる予定がおありなのでしょうか?まだ気が早いのですが来年も是非ご一緒にあちこちに行きたいと思っております。

  2. 西村雅幸様
    廃線跡探訪というジャンルがあるなら鉄道模型同様に私は部外者ですが、3編成の電車が停車している現役時代と廃線後に同じ位置で撮った石積みのホ-ム跡などの新旧対比は何かジーンとくるものがあります。短命に終わった軽便といい地道な趣味活動に頭が下がります。保存蒸機を撮ることがありますが、これだけの車両が残っているのなら一度は行って見たいですね。

    • 準特急様
      過分なるコメントありがとうございます。今回マイカーで1日走ったのですが、家を出るときに家内から そんな遠くまで大丈夫かと心配されました。高齢運転者の事故や逆走が毎日のように報じられる昨今ですから、いつまでも若い時のようなわけにゆかないことは認識しつつ、一層の安全運転を心がけて出かけています。青春18でとにかく乗ることに徹するなら楽なのですが、かなりの距離を重い荷物を抱えて歩くとなると、無理がきかなくなっています。クローバー会の旅行も歩きを減らさないと参加者が減るのではなかろうか、鉄道乗車と徒歩だけでは成り立たなくなるのではと思っています。今回の下津井にしろ三蟠にしろ公共交通機関では訪問しづらい場所で、クルマでの訪問が条件です。そういう意味でマイカー、レンタカー、ジャンボタクシー、貸切バスなどを使って なるべく歩きを減らした旅や撮影行を企画すべき時期なのではと思い始めています。準特急様が下津井などにご興味があるなら、もちろんお一人でもいいのですが、関東の皆様に声掛けして頂いて何人かが集まれば、少人数でクルマでゆっくりと あまりガチガチのプランを立てずに回る旅もいいのではと思っています。そういう意味でこの地域には訪ねるべきポイントがかなり多く集まっていて自由度が高い地域だと思っています。クルマの運転もそういつまでもできないとなれば、ここ1,2年がこういうことを実現する最後の機会ではないかと思っていますので、是非お声かけ下さい。話が変な方にそれましたが、体が思うようにならなくても頭がはっきりしているうちは鉄道に触れたいと思うのが我々共通の願いだと思う今日この頃です。

      • まさに仰るとおりだと思います。体力差は個人によって違うものの、小生の感じでは65歳位から年齢を感じ始めました。その頃からこの趣味もどう仕舞してゆくかを意識するようになってきましたね。目下は撮り貯めたビデオの編集に勤しんでいますが、定年直後には65歳頃に編集を終えたいと思っていたものの、ズルズルと今日まで来てしまいました。年が明けると70の大台に突入ですから、昨今は気ばかり焦る毎日です。
        「出来るうちにやる」という想いを標榜してきたつもりですが、やはり歳月人を待たずの例え通りの展開になってきました。
        西村さまもここ1~2年とはいわないまでも、精力的に励まれることを期待しています。

  3. 一昨年に岡山へ行った際に、池田動物園も訪問しました。西村様のお書きのとおり3両の保存車がありました。井笠と西大寺がフリーゲージトレインばりに一つの軌道上に特に違和感もなく並んでいるのと客車内に展示されてた写真が見モノでした。
    動物園に隣接してここにも廃線跡があります。廃線跡といっても鉄道ではなく、京山へ登っていた索道ですが、駅舎が動物園のすぐ横に残っていて(今もあるか定かでありませんが)、ロープが撤去されたロープウェイ駅の姿はなかなかシュールでした。

    • 宇都家様
      近々池田動物園に行くつもりだったのですが、3両の保存車だけのために行くのも効率が悪いと思っていたところでした。索道のことは全く知らなかったので是非訪ねてみます。ありがとうございました。

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