第13日目 12月12日 白銀4日目
① 白銀 15:30(チャーター車)→蘭州
② 蘭州1 9:07(T76次) →翌 9:16 鄭州
今日は、359次撮影後に兰州に向かい夜行列車に乗車して翌日郑州下車、鄭州鉄道日記さんとお会いしてからO氏は北京へ、私は彼と一緒に上海へと向かいます。ご一緒に帰国したいのですが、JAL北京線は関空への直行便はありません。東京圣由だと、午後便では翌日のトランジットとなりますので、上海からの直行便としました。
▲ 今日は土日運休だった三冶錬往復の客車列車が走りますので、両方撮ることにしましたが、7:53の三治錬行きの355次は暗くて、ISO3200でも開放で、シャッタースピードは80分の1しか切れません。初めて前照灯を点けて来ました。
357次は、場所を三冶錬よりに変えましたが、こちらも 8:19と日の出前の薄明るい状態で、ISO400の開放で160分の1です。
折り返しも撮った後、貨物は入るのか、SY牽引ではないかと情報収集のために踏切番小屋に行きますと、今日はDL牽引で今ヤードで待機中との連絡が入りました。私はDLでも一応撮っておきたいと近くの丘に向かうことにしましたが、O氏は蒸気以外に興味がないと動かれません。
▲ ところが、ビデオの三脚を設置して準備しますと、ドラフト音が聞こえてきました。10:55、1583号機牽引の空車10両の貨物が来ました。
踏切番小屋に戻るとO氏も踏切前で撮影されていました。昨日と同じく、行動が裏目に出ましたので再び反省されておられました。実際、トウさんも踏切当番の職員さんもDL牽引と疑っておられませんでしたが、私は駐在中の勤務時期や、今までの中国での少ない撮影経験中に幾度も彼らの言うことを聞いたために苦い経験をした事があり、信用していませんでした。
現地勤務時に行動するについて疑問があれば、よく「これで大丈夫か」と問うのですが、その度に「没問題=問題ない、没錯儿=まちがいない」と返事が返ってきます。再確認を要求すると、確認はせずに私の言う事に間違いがあるのかと怪訝になります。
ここで問題になるのは、日本人には理解しがたい中国人が持つ”メンツ”です。だいたいの日本人は、これ以上言うと相手のメンツを潰す事になるので諦めて、これ以上は追求しませんが、結果は彼らの言うとおりにならない事があります。そうしますと、誤るどころか自分の責任にせずに別の理由が原因だったと摩り替えます。
要するに確認する習慣がないのです。私はこれは、かつての大躍進時代に製造や生産について質よりも量が要求された悪しき名残ではないかと思っております。製造の場合は、量の絶対目標値が定められていましたので、期日までに間に合わせるために質のばらつきは二の次にされていました。品質検査をすることはありません。検査は購入する側の責任で、代金を支払った後に分かった欠陥の責任は購入者側に押し付けられるのが当たり前でした。
農業生産でも市場で売られている物の良し悪しは、購入者が吟味して決めます。新鮮であろうとなかろうと、美味しかろうとまずかろうと、品質は問われず販売価格は一緒です。
一言で言うと、”騙される方が悪い” と思ったら理解ができます。対策は、一人ではなく複数の人間に問う事でした。面倒ですが、これが私の行き着いた対策でした。
しかし今回は、二人が同じ事を言っていました。しかし話の出所は一緒です。確認できる第3者がいない場合は、相手に気づかせぬようにして、自ら確認行動に出る以外はありません。
長々と説明をしましたが、中国でよく日本人が失敗することの1つです。日本語の”大丈夫?”と言う言葉には、もう一度状況や他の人からも聞いて確認してくださいという意味も含まれていますが、中国語にはこの深い意味を表す言葉がないのをお分かりください。
▲ 15:27、白銀の最終撮影は1470号機牽引の359次としました。
最終撮影に向かう際にチャーターしていた車のエンジントラブルにあい止まってしまいました。どうやらダイナモが壊れたようです。幸いにして、まだ時間に余裕があったのと、すぐに修理屋が来てくれましたので、工場に回送しての取替えで済みましたが、ひやりとしました。
白銀での撮影を終えた後は、無事兰州に着き、トウさんから夕食をご馳走になったうえ、ホームまで荷物を持ってのお見送りを受けて郑州へと向かいました。明るくお茶目なトウさんです。いろいろと無理な注文もいたしましたが、怪訝な顔をせずにいつも笑顔で対応してくださりました。ありがとうございました。機会があればまた引率をお願いしたいと思いました。 Part14へ続く