失業者二人の旅日記 初冬の大地へ Part6 三道嶺 その4

第6日目 12月5日 三道嶺4日目

今日は三道嶺撮影の最終日です。今年2月に準特急先輩と来た時は、お互いに何も分からずで、ただ案内されるままでしたが、2回目とあって土地勘も出来ていて、今どこにいるのか分かっての撮影ができました。三道嶺4回目のO氏の存在も大きかったと思います。4日間のまとめの意味からも今日はバッチリと決めたいと起き上がりました。

▲ 8:54、3回目の朝の通勤列車の撮影。今日は少し先まで行ってみました。S字カーブを回って登り坂を上がってくるのが分かりました。日の出が後15分遅ければ、朝日をバックに撮れますO氏は一日ごとに1分間、日の出は違ってくると申されていましたので、来年2月初旬がベストになるのではと思われます。


▲ 休息中のズリ捨て列車群。左から、80818076807680776261号機。
三道嶺は24時間操業の露天掘り炭鉱で、9時から10時頃まで職工交代で作業は止まります。昨日同様に西站を散策しましたが、今日は朝日がさしこまずでどんよりとしていましたので、早々に正方向の建設型の走る抗口站付近へと向かいました。


▲ 11:23、今日も天山山脈は、すっきりと見えてくれません。4日間滞在して瞬間的にまあまあ見えたことはありましたが、そんな時には列車が来てくれませんでした。ここで満足できるカットを撮るには、撮れるまで帰らないぐらいのデスマッチが必要なんだと思いましたが、この後無念を打ち消してくれる思わぬシーンに出会いました。上の牽引機は、何度も撮った8089号機、左は8080号機でした。


運炭列車が走る東露天鉱を抗口站上から見た光景。この下の路線の向うに生産現場があります。O氏から、やはり蒸気機関車を撮るなら正方向が良いなあと言われました。同意見です。ほぼ20分ヘッドで運行されるので、ここを下りて生産現場に向かいたいと思いは、一致しました。昼食をとった後、右側の線路の先を目指すことにしました。

トウさんに許可を求めると、今日は検査院の偉いさんが来ているので、昨日撮影した場所まで行くのは、避けなければならない。手前の信号所の小屋の辺りまでならOKでしょうと言われますので、崖下へと続く道を下りて線路沿いを歩きました。
ところが見えている場所ほど遠いとはこのことなのか。歩けど中々目的地には着けません。あまり時間がかかるようであれば、夕日のスポットに行ける時間オーバーとなります。
途中でお互いギブアップして3脚をセットしてビデオ撮影の準備となりましたが、今度は空車は下りて来るのですが、13:30以降、運炭列車ピタリと上がって来なくなりました。 どうやら、ホッパーがまた故障しているようです

14:26、ようやく信号待ちしていた8089号機の空車が採炭現場に向かいましたので、これで上りが来るかと思いきやダメです。 移動をしようと思いますと、ドラフト音が聞こえてくるので動けません。翻弄されて約2時間近くも待つ羽目になってしまいました。

異変が起こったのは、16:17、次の空車が信号所の小屋へと向かったその時でした。何と、3列車が正方向で並ぶシーンが見えました。
逆方向で並ぶシーンは西站で毎朝夕に見られますが、正方向はめったに見られるものではありません。
しかし200mm望遠レンズでも遠すぎます。これは、近くで撮らなければと、O氏と一緒に3脚を持って走りましたが、5分後の16:22にはその内の1本が発車してしまいました。

▲ しかしこの8195号機が牽引する運炭列車、南站から生産現場までは複線になっているのですが、空車が走る下り線を逆走して来ます。信号所からは、隣の列車も発車しました。どうやら運炭作業が3時間近く止まっていたので、急いでの作業開始のために上下2線を同時に使う事になったようですが、登り坂の途中で空転を起こして止まってしまいました。

何度も発車しようと試みますが空転はおさまらず走行できません。多分普段は使っていない運行方法なので、線路との相性が良くなかったのでしょうね。
これを見てか、隣の上り線を走っていた8080号機の列車も停車してしまいました。どうなるのだろうと思っていましたら、しばらくしますと逆走をして信号所に戻ってしまいました。


▲ 16:47、もう1台待機していた8089号機が上り線を駆け上がって行きます。 8195号機は発車しようと、まだ頑張っていますので、一瞬併走シーンが見られるのではと期待しましたが、残念ながら追い抜いていきました。
そして8195号機は、走行を諦めたのか信号所まで逆走して戻ってしまいました。

もう夕日のシーンが真近です。急いで抗口站への崖を登りましたが、17:12には、先ほど戻っていった8080号機が、17:20には8195号機が今度は上り線を上がってきました。
採炭には1日の目標値があると思いますので、3時間以上もの運炭停止のために少なくとも運炭列車5本以上、約5,000トンの運送遅れがあります。これから運炭列車のピストン運転が続くと思われますので、絶好の撮影チャンスですが、めったに見られぬシーンを見せてもらいました。これだけでも十分の価値がありまし
た。


▲ 17:50、今回の三道嶺、最後の夕焼けのシーンです。夕日は雲間から出ず、4日間でリベンジしたかった思うカットは撮れませんでしたが、次の機会があればと誓いました。

この後三道嶺を後にして、20時前に哈密へと戻りました。三道嶺で泊まった三和賓館(前回同様)はシャワーしかなく、お湯も温くチョロチョロでしたので、風邪をひいてはならずと着たきりすずめでした。二人とも大好きなビールと美味しいウィグル料理を食べて、入浴した後は、ばく睡でした。 Part7へ続く

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