井笠鉄道記念館 リニューワルオープン

井笠鉄道新山駅舎をそのまま利用した記念館が改修されたそうです。昭和46年の廃線から43年を経て 地元の熱意と行政の理解でこうして保存されているのは 理想的な形態だと思います。保存車両は 西武山口線でも走った コッペル製の1号機、ダブルルーフのホハ1、ボギーのホワフ1の3両で、いずれも大正2年開業時に揃えられた白寿を超えた超高齢車両ばかりです。クルマであれば良いのですが、少々アクセスが不便な場所なので もし訪問してみたい方がおられましたらご一報下さい。近隣の井笠保存車両巡りも併せてご案内いたします。

平成26年4月11日 中国新聞朝刊

平成26年4月11日 中国新聞朝刊

井笠鉄道 4題

井笠鉄道の保存車両の近況と井笠鉄道バスの路線縮小についてお知らせします。

(1)新市クラッシクゴルフクラブのコッペル3号機とホハ12

福塩線上戸手駅の北 約1.5Kmの高台にゴルフ場があり、その入口ゲート横に保存されています。

平成25年8月27日 撮影

平成25年8月27日 撮影

この2両は 井笠鉄道廃止後 JR山陽本線備後赤坂駅の北側にあった赤坂遊園という小さな遊園地に保存展示されていたのですが、遊園地が廃園になり、ここへ移ってきたものです。このゴルフ場は急な坂を登った高台にあって、トレーラーに積んでここまで持ってくるのは大変だったろうと思うような場所です。ゴルフ場と何の関係もなさそうですが、ゲート脇のフェンスの中に置かれています。芝生はさすがにきれいに管理されていますが、車両の方はかなり色あせています。

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井笠鉄道記念館 存続へ

バス会社としての井笠鉄道の経営破たんに伴い 新山にある井笠鉄道記念館のことが気懸りだったのですが、地元民からの要望もあって笠岡市が買取って運営することになった由。8月20日付け中国新聞井笠版を添付します。

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新山は笠岡から井原に向かって5番目の駅で 鉄道廃止後駅舎が記念館となり コッペル製1号機、ホハ1、ホワフ1が保存されています。最後の駅長さんが館長をされていたが、今はどうなのか不明。買取額が150万円とは安い気もしますが、駅舎などはとうに償却されていて資産価値はないでしょうし、いくらドイツ製の機関車とて単なるスクラップと考えると 土地代にしては安いような・・・・。いずれにせよ市が乗り出してくれて存続されるのはご同慶の至りです。この新山の記念館が残るとなると、井笠鉄道遺産めぐりツアーができそうです。笠岡駅南側のホジ9を見たあと 廃線跡をたどって新山記念館へ、そしてバスターミナルになっている旧矢掛駅を見学。山陽道の宿場町のシンボル矢掛本陣と井原鉄道荏原車庫に立ち寄り、井原市内の公園に保存されている9号機を見学。この9号機 日本では珍しいベルギー コッケリル製です。そのあと井原鉄道で福塩線神辺に出るもよし、伯備線総社に向かうも良し、1日充分楽しめそうです。本ツアーをご希望の方は水島臨海オプションなどもございますので お気軽に当社へお問い合わせ下さい。

井笠鉄道の名前が消える!

昭和46年に井笠鉄道は廃止され、バス事業が井笠鉄道の名前を引き継いで続けられてきたが、今日 今月末でバス事業を終了する旨の発表がなされた。すなわち今月末で井笠鉄道の名前は消えることになりそうだ。71系統のうち どの系統が中国バスなどに引き継がれ、どの系統が廃止されるのかなど詳しいことは不明だが、明治44年に走り始めた井笠鉄道の灯が消えるのは バスファンではない私にも寂しいニュースです。我が町にはまだ「鞆鉄道バス」が走っています。トモテツよ永遠なれ!

井笠鉄道連載 その7 番外編

中国新聞の連載は6回で終了しましたが、番外編として あまり紹介されていないであろう井笠の車両たちのその後の様子などをご紹介して この連載の最後と致します。なお横着をしてアルバムに貼ってあるプリント写真をスキャンしましたので お見苦しい点はご容赦を。

笠岡駅構内の西側に県道34号線の跨線橋があり、その跨線橋の海側の高架下にホジ9が保存されていました(現在もあるかどうか未確認)。この2枚は昭和51年撮影ですが、その後昭和52年9月も同じ状態でした。高架下で雨がかかる心配はないので車体は比較的痛みは少なく 塗色もまずまずでしたが 窓ガラスや連結器もなく みすぼらしい姿でした。ちなみにこのホジ9は昭和6年梅鉢製。

昭和46年4月1日に全線廃止後長らく くじ場車庫には多くの車両が保管されていました。駅の敷地は板囲いで立ち入り禁止になってはいましたが 入るのは容易で 荒れ果てた車庫内で撮影しました。廃止後5年の昭和51年の状況です。カラー写真は昭和60年12月30日撮影、 下津井電鉄下津井駅に留置されていたi井笠ホジ3。平成3年1月1日に全線廃止された下津井鉄道で レール撤去工事などで最後のご奉公をしたホジ3でした。

上の写真が旧くじ場駅本屋で 井笠観光開発㈱旅行案内所の看板は上がっていますが この日は無人でした。バスの待合所でもあります。塀の中に入ると荒れた車両が多く残っていたのですが、残念ながら車番を記録していません。一番奥がホジ8、ホワフ、ホハ、ホワフでしょう。

山陽本線備後赤坂駅北側の丘陵地帯に赤坂遊園という 田舎版「ひらかたパーク」があって 子供を連れてよく遊びに行ったものでした。この遊園地のなかに なぜか井笠鉄道の車両が多く保存されていました。上の写真の左側に写っているのがコッペル3号機です。実機にはなぜか「2」の表記があるのですが 実際の2号機は岡山の池田動物園に行っているのに、製番6535の3号機がなぜか2号機になっていたようです。コッペルのほかにホハ11、ホハ12、ホワフ5、ホト2が保存されていました。

これらの井笠保存車の外側にゲージ600mm?のこども列車があり 加藤の3Ton ? 機関車がSLらしく改造されて 周回していました。製造年や前歴など詳しいことは不明です。芦田川などの河川工事にでも使われていたものかと想像します。この遊園地はいつのまにか閉園されて この機関車もどこへ行ったのか不明です(一説には太陽保育園?に行った)。また井笠の車両たちの行く末も調べていません。

この遊園列車の駅舎として使われていたのが、井笠鉄道薬師駅で わざわざここへ移設したようです。駅名標は「ふくやま」となっていますが 多分山陽線福山駅の高架化で不要になった地上ホームにあったものを持ってきたのでしょう。

ホワ2

ホワフ5

井笠の9号機は珍しい経歴の機関車で 1910年ベルギーのCockerill製。 釜石製鉄所から移ってきて井笠9号となり、昭和36年に廃車。その後昭和43年に上記の笠岡跨線橋下に保存、昭和48年にはなんと京都 桃山城に展示され、今度は井原鉄道井原駅建設予定地に移されたという 現役引退後もあちこち引っ張りまわされたSLでした。ベルギー製の機関車は珍しいのですが、あちこち改造されて結局シリンダ回りだけが製造当初のものと言われているようです。次の写真は平成5年8月14日撮影ですが、井原鉄道開業に伴い また場所を移されて 駅の東の七日市公園に屋根なしの状態で保存されました。

 井原駅予定地にて

 七日市公園にて(H11,1,30)

コッペル製のSLは1,2,3,6,7号機の5両がありましたが 7号機は昭和45年にスクラップとして売られ、姫路市網干区北在家のパチンコ店「百万ドル」の駐車場に放置されていました。撮影は平成9年7月24日です。 サイドタンクとキャブに「ホリデー号」と書かれていますので何らかの使い方をされたあと お役ご免でこの駐車場の隅に放置されたのでしょう。由緒正しきコッペル機がこのような姿をさらしているのは つらいものがありました。サイドタンクには井笠の社紋や7の文字がリベット止めされて残っていました。

最後に 笠岡駅にあった1067mmと762mmの平面クロスをご紹介します。笠岡駅の線路配置が北から国鉄の貨物引き込み線、次いで井笠鉄道、そして国鉄本線となっていましたので 井笠の列車は必ず国鉄の貨物引き込み線を横切っていたわけです。そのため異ゲージの平面クロスがあったのです。撮影したのは昭和51年ですから 井笠の廃止後です。このクロッシング前後の井笠のレールは撤去されていましたが、国鉄の貨物線は生きていたので、この部分だけが元の姿で残っていたものと思います。このような場合の保安方式がどうなっていたのか 今頃になって興味が湧いてきますが どなたかご存じなら教えてください。市電などは別として 平面クロスを見る機会はほとんどなくなりましたが 余談ながら糸崎駅構内にも珍しい平面クロスがあったのですが写真に残しておらず 悔やんでいます。それは三菱三原から糸崎港に向かう1067と1435のデユアルゲージと日本セメントへの引込線(1067)とのクロッシングです。

とりとめのない番外編となりましたが、何かの参考になれば幸いです。以上

 

井笠鉄道 連載その3

平成23年7月5日掲載分をご紹介します。

旧矢掛駅駅舎が北振バス本社となっているとあります。私が訪ねたのは平成11年1月30日で もう10年以上前ですから 今の様子はわかりませんが、10年前の様子もご紹介します。給水塔?の残骸もありました。駅舎のスレート屋根の骨材や給水塔の骨組みはすべてレールです。

 

新聞記事と同じアングル

改札口方向を望む

  給水塔?の残骸

井笠鉄道創立100周年

中国新聞井笠おかやま版に「井笠鉄道創立100周年 懐かしの24駅・停留所」という連載記事が掲載されたので これから順次ご紹介してゆきます。第1回は7月3日掲載分です。1回につき4駅のようですから 6回で24駅が紹介されるようです。