「昭和の神戸と市内電車」作品展


以前この掲示板に、神戸元町4丁目のこうべまちづくり会館地下ギャラリーで、神戸市電や和田岬線列車の詳細、かつ何ともいえない温かみのある絵画、三ノ宮付近の立体模型などの作品展の紹介があった。この老人も習慣としての須磨-三ノ宮までのウォーキング中にたまたま拝見し、そのすばらしさを伝えた記憶がある。鈴木 城氏の長年にわたる作品群の由。

今回どうして老人の住所をお知りになったのかは不詳だが、やはり同じ会場で、11月11日(木)~23日(火・祝)「昭和の神戸と市内電車」鈴木 城絵画立体作品展のご案内を頂戴した。これは必見である。鈴木氏とご面識はないが、今回は是非お目に掛かりたいものと念願している。

会場は神戸の元町本通、4丁目と5丁目の堺の4丁目側南角にある「こうべまちづくり会館」で、9時30分~18時。京都からわざわざお越しになったとしても、それだけの価値は充分あると確信する。最寄駅は神戸高速鉄道「高速花隈」、神戸地下鉄海岸線「みなと元町」だが、JR元町、阪神元町からでも徒歩10分とかからない。

蛇足を加えると、冒頭リーフレット上の絵は、元町6丁目の三越前。三越撤退後は結婚式主体のホテルになり、それも震災前から家督争いか何かで閉鎖されたまま、今日に至っている。元町通りの西の入り口である。市電が通っている道路(多門通=現在中央幹線)は神戸高速鉄道建設に際し、左(山)側が拡幅された。

電車のすぐ横に「太井肉店」の看板のある異人館が覗くが、この建物は神戸高速鉄道が補償・全額負担して明治村に移築。最初は大井が牛鍋を営業していたが、現在では別の業者がやっている。なお大井肉店はビルになり、絵とほぼ同じところ(道路拡幅分だけ引っ込んで)で営業中である。

下の絵は、国鉄和田岬線の三菱造船所通勤客満載列車。ヘッドライトの背後に神戸港線名物のエア作動の鐘が見える。背後の誇線鉄橋は神戸市電高松線。この一帯は低地(旧湊川の川口扇状地)で、台風ではすぐ水没し、老人も若かりし日、写真取材で腰まで水に浸かった記憶がある。

飲酒の運転手が、公用車に「偉いさん」を乗せたまま、この誇線鉄橋の標準軌レールの上を、脱線もせず渡り切ったという「武勇伝」?があった。当時宴会中待機している運転手に、酒食が供されるのは至極当たり前というより「当然」であった。

なお和田岬線は旧山陽鉄道時代から存在し、現在では幹線道路の手前で切られ、駅も無人に。利用者は全員定期券のため乗車券自販機もなく、フリの客は無札で乗車し、兵庫駅で精算するシステムである。かつては川崎車両、神戸市中央市場の貨物が相当にあり、鐘紡の工場もあった(その後に競輪場が出来、市電車庫や交通公園にもなり、現在ではサッカー場と公園)のだが、旅客オンリーになり、それも三菱の縮小で昔の超満員など、かけらもない。

神戸市は地下鉄海岸線の開通で、和田岬線の廃止を予想していたが、何と電化までして残存したため、完全にアテが外れた。山陽本線の一部のため単独の収支係数は公表されていないが、平日朝夕のみ17往復、土休日は4/2往復で、黒字のはずもない。三菱が通勤上必要ならタダで譲ってでも、三菱に運行させたらと思うが。世の中にはいろいろ不思議なことがある。

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