鉄道に関して、特に最近は今までになかったものを見ることがあって戸惑います。
先日の午後、1900生さんと鉄鈍爺さんが来訪され、ひとときを楽しい“鉄バナ”で過ごしました。帰りにお二人と京都駅まで散歩がてらに歩く途中、普段から『なんやろ?』と思っていた信号機について質問しました。ご存じの通りお二人は「DRFC五変人」の一角を占める方々ですから当然知っているものと思っていましたがご存じないとのこと、そこで我が会が誇る“何でも探偵団”にご助力をお願いする事になりました。
京都駅から山陰線を下り方向へ、大宮陸橋辺りの単線区間終了付近までにある架線柱についている“けったいな信号機”のことです。写真をご覧下さい。なお、この写真は闇鉄・鉄鈍爺さんが昼間に撮ってくれた珍しい写真です。
⇧こんな場所に取り付けられています。
中央の柱に背中合わせに取り付けられた丸い信号機で色はミドリのLED、「点灯」か「点滅」をしています。拡大して見ます。
⇧下り方向から京都駅へ入線する列車へ「点灯」している信号。反対側は「点滅」している。ところでこの柱は1957年11月の設置らしいので、東海道線電化時に設置されたものが今まで健在と言うことだろう。
構内を跨いで南側から超望遠で撮った信号機フードに書かれている記号が「UKー6」「DK-2」とある。⇩
鉄鈍爺さんの推測では「UK-6」の「U」は「UP」つまり上りを示すUで、「D」は「DOWN」のDで下りではないか?とのことだ。
しばらく見ていると進行してくる列車から見える方の現示は「点灯」で、その時の反対側へは「点滅」である。
以上が見たままであります。
どうやら「点灯」は進行で「点滅」は停止とおもわれます。
そこで問題です。
この信号機は何のための信号機で誰に見せているのか、意味するものは何か、をお教え頂きたい。
ヨロシクお願い致します。
米手様
これは車両に対する信号機ではなく、保線員など地上作業員に対する列車接近警告灯(正式名称は知りません)だと思います。カーブ区間やトンネル出入り口、あるいは退避場所が無い区間に設けられていて、列車が接近すると点滅するものだと思います。写真の例では、跨道橋の鉄橋に退避場所が無いため、設けられているように思えます。踏切警報器が鳴り出すより先に、この表示灯が点滅を始めるので、タイムラグを長目に設定してあるようです。この表示灯がJR西だけのものかどうかは知りませんが、トンネル出口で出てくる列車を撮ろうと待ち受ける際に、重宝しています。
私も西村さんおっしゃる通りだと思います。私も写真を撮る時にあれば重宝しています。たいがいは踏切の警報器ですが、以前南海本線七道駅近くにある旧ダイセル工場の赤レンガ建物と南海電車を撮るときに列車接近警告灯があり重宝しました。はじめは何かわからなかったのですがよく見てみると警告灯だったのです。ご丁寧にどちらの方向から来るか矢印付きです。
四半世紀ほど前まで民鉄でかかる業務に携わっておりました。
記憶に誤りがあれば申し訳ありません。
国鉄時代に当時の要職にあった方からのお話しです。
「D」は「下り」、「U」は「上り」です。
「K」は「indicator」を表しています。「indicator」が何故「K」なのかを伺ったところ、アルファベット1文字で表す適切な文字がなく、「indicator」の「ca」を「K」表記にしたのではなかろうかということでした。
例えば、ホームに設置されている「出発反応標識」も「K」でした。
米手作市さま 皆さま
DRFC3奇人のうちのお一人との呼び声高い米手さまから、鉄鈍爺さんと小生が5変人の一員呼ばわりされるのは非常に片腹痛いものがあります。当日我々が「恐らく接近通報装置だろう」と示唆したにも関わらず、この欄で広くコメントを求められるのは、我々両名を信頼されていないことの表れではないでしょうか。とはいえ西村大賢人さまが同じ答えをコメントしてくださいましたので、まあどうでもいいと考えることにしましょう。
ところで一つ疑問があります。この手の装置は幹線ではかなり昔から使用されていたようですが、小生の経験では通常は1灯のみが多く、普段は消灯していて、列車接近時に点滅するものが多いように見受けました。同時にブザーが鳴る場合が多いようです。点と滅に関しては幾つかの方式(パターン)があるようです。複線区間では上下どちらから接近しても、本例のような方向性のあるものはほぼ無かったと記憶します。ということは、本例の場合、単線区間なのに何故方向性を持っているのか、これが大いに不思議なのです。最近規定が変わり、このようになった可能性もありますが、どう考えても両方向から接近する複線区間で見たことがなく、単線区間なのにあるのか、考えれば考えるほど夜も寝られません。どなたかご存知の方が居られましたら、ぜひお教えくださいますようお願い申し上げます。
1900生さん、鉄鈍爺さん
老婆心ながら申し上げます。“非常に片腹痛い”とのこと、年のせいで尿管結石か膀胱炎が心配です。至急病院に行かれることをおすすめします。このまま放置しますと「某氏」のように尿漏れパンツを愛用することになるやも知れません。
クモハ73106東ウラ様
西村雅幸さん、
どですかでんさん
よく解りました。列車接近警告灯ですね。
ただ、そうするとチョットおかしな事があります。
警告灯の役割は列車がどちらから接近しつつあることを現示する役目ですね?ところがこの標識灯はいつも点きっぱなしなのです。つまり接近を知らせるなら普段は消えていて列車が何㍍かに近づくと点灯なり点滅するのが役目だと思います。この標識灯は通過したらそのまま次の列車が来る方へは「点灯」、反対方向へは「点滅」します。消えることはありません。ですから次の来る方向は分かりますが、いつ来るのかは分かりません。
こんなものなんでしょうか?
米手作市様
興味深い & 奥の深い話に、電車ばかりに夢中で如何に小生がボーっとしていたかを反省させられる機会を得る事が出来、感謝の念で一杯です。(大袈裟?)
併せて貴殿の広範な知識欲と研究魂に何回も脱帽で~す。
UK、DK標識灯には気付かなかった小生ですが、かつてホームでこれに似た標識灯に気付いた事がありました。
しかし『の~てんき』な小生の事『何かの暗号灯やろう』・・・・ってな調子で結局ほったらかし。
しかし、貴殿のコメントを読んでから俄然気に成り出しましたので、これからは『夜も眠れない日々』が続きそうです。(笑)
米手作市さま
我々の体調をご心配下さり恐縮です。やはり持つべきは優しい先輩だと感謝の気持ちで日夜涙しております。尤も昨日も二人して、今や1機のみになった原色EF66 27号機を撮りに上牧桜井の駅史跡近くへ出かけておりました。両名至って健康ですのでご心配下さるには及びませんのでご安心ください。
ところで例の列車接近報知器ですが、やはりいろいろ不思議な点がありますので、いま一度考えてみたいと思います。鉄道や飛行機など輸送機関の設計思想に「安全側」や「二重系」という、安全確保のための考え方があります。それに基づくと、本来「消灯」していることはなく、「常に点灯、接近時点滅」が王道ではないかと思います。消灯定位では故障で消えた場合に安全が担保できなくなります。その点本件話題の京都駅西方山陰線の同器はセオリー通りということになりますが、なぜ方向性を持たせるのかは疑問のままです。大事故のあと、その方が安全が確保されるという考え方が確立した結果であるなら、それにこしたことはないと思われるので、最近の安全意識向上の結果だと考えることにしたいと思います。