京都市バスの挑戦

報道で全国が知った“京都市が破産か!”のニュース。
その元凶が交通局だそうです。
数年前までバスに乗ると、大きなバッグを持った外国人だらけで、市民が乗車できず、市民専用車を造って欲しいなどの投書が新聞に出ていたほどです。それが地下鉄の建設時の借金が返せなくて倒産の危機にあるとか。

でも、京都市交通局はいろいろとアイデアを出して乗客を増やそうと努力しているようです(私から見るとピントがずれているものや、不十分なものもあり不満もあります)。
でも、努力する姿勢は評価して、協力できるものならしていこうと思っています。

この話は私の考えを書いたものですから、さらに良いアイデアがあれば教えてください。そして京都市交通局が京都市の財政を支えられるようにご協力をお願いします。

黄色のラインは西大路通経由を表す

ラインカラーの設定

《バスの運行方向のわかりやすさ向上のため、市内を南北に走る6つの主要幹線道路にラインカラーを設定しております。》(京都市交通局)
西大路通 黄色
千本・大宮通 紫色
堀川通 緑色
河原町通 水色
東山通 赤色
白川通 白色

市バスは南北を走る場合でも、経由する通りがちがう系統があります。交通局内部では「甲」「乙」で分けているのですが、これがわかりにくい。一定したルールがある訳ではなく、上り下りでもありません。交通局に確認すると「概ね営業所を出て右へ曲がるコースをとるのが甲、左へ出るのが乙」とのことですが、これも絶対ではありません。明確な定義はないそうです(交通局)。例えば208号系統は九条営業所(市電九条車庫)を出ると九条通を東へ行って(208甲)、東山線を七条まで北上して七条通を西大路まで西進して左折、西大路通を九条まで南下して左折、九条通を九条車庫まで東進します。
上記のラインカラーに当てはめますと出庫時は赤色で、東山七条で黄色に変わります。
では、それをご覧下さい。

京都駅を出る208乙

⇧これから東山通を南へ下がるのでラインカラーは「赤色」

⇩これから西大路通を下がるので「黄色」

京都駅を出て、堀川七条を左折西進する208甲

その他もご覧下さい。

⇩9系統は堀川通を西賀茂車庫へ行きます。(緑色)

堀川通りを北進する9系統(緑色)

⇩大宮通・千本通を北上する206乙(紫色)

京都駅から大宮・千本通を北大路バスターミナルへ行く206乙(紫色)

⇩京都駅と北大路営業所(市電烏丸車庫)を巡回する206甲(赤色)

大宮通を下がり、京都駅から東山通方向へ出発する206甲(赤色)

 

⇩京都駅へ入る九条営業所発河原町通経由の205甲(水色)と⇩⇩「西大路通経由205乙(黄色)同一場所で撮影

堀川塩小路の205甲

堀川塩小路の205乙(黄色)

ここで205系統を説明します。
元は市電の5系統を踏襲している205系統ですが、九条営業所➜京都駅は同じコースをたどります。そのため京都駅から先、西大路通方面へ行く205乙と、河原町通方面へ行く205甲が混じって途中の停留所へ到着するのです。特に堀川八条にはイオン京都というショッピングセンターがありますのでラインカラー頼りでは乗り間違いが多いのではと心配です。

さて、諸兄の中にはこのラインカラー以外の“ラインカラー”をご覧になった方もおられるはずです。

⇩ラインカラーのない(白線)の205

入庫前の205

⇩回送車
回送車にラインカラーがないのは当たり前ですが、京都駅でよく見ていると系統番号があるのにラインカラーがある車両と無い車輌が走ってきます。上記の205は京都駅から九条営業所へ営業運転中の車両です。交通局の説明では《例えば205甲の場合、西大路通を運行中は黄色のラインカラーが入っていますが、七条通へ進入するタイミングでラインカラーが入っていない方向幕が表示される》事になります。つまり、この先ラインカラーのある南北の通りへ行く予定の車両は、行く通りのラインカラーが方向幕に表示されるが、行く予定がない時はラインカラーは表示されない(白色で白川線と紛らわしいが)のです。上記の205は、京都駅を出たら、堀川通を九条まで下がり入庫するからラインカラーは表示しません。

このアイデア、ラインカラーについて、諸兄はどう思われますか?
私は良いアイデアだと思います。ただ、これは浸透しなければ意味がありません。京都駅の表示板を見てもラインカラーに関する告知は、私が見た限りでは判りませんでした。
それともっと大きな問題があります。
トップへ戻って208の甲と乙の方向幕を見比べてください。
実を言うと私は長い間、どうして208はいつでも黄色なのだろう?と思っていました。今回写真を撮って見比べて初めて違いがあることに気付きました。でも自分が悪いとはどうしても思えません。見比べずに、別々に見るとどちらも「黄色」に思えませんか?見比べても「黄色」と「オレンジ」に見えますが、東山通を表す「赤色」にはとても見えません。
他にも9系統の堀川通の「緑色」と205甲の河原町通を表す「水色」は見分けがつきません。
線が細いためか、LEDの発色のせいか判りませんが、《バスの運行方向のわかりやすさ向上のため》(交通局)に設定したのであれば、もう少しメリハリが付く色彩にすべきではなかったかと残念に思っています。

最後になりますが一言

最近の市バスは乗務員の接客がすばらしくよくなっていると思いませんか?
学生時代は「京都市バスかダンプカー」と揶揄され、返事はしない、質問には答えない、停車までに出口へ来て待っていなければ怒られる、など市バスに良い思い出はありませんでした。いまでは先に出口へ進むと「停まってから来て下さい」と言われる始末!
先日乗った9号系統の運転士さんは「ただ今◯◯分遅れて運行しています。このままでは京都駅に◯◯分ほど遅れて到着する見込みです。お急ぎの所申し訳ございません。安全運転ですが、回復に努めて参ります。」との車内アナウンスがあり、これは国鉄か!と驚いたものです。新聞の投書欄には悪口や苦情ばかりが目に付きますが、がんばっている交通局の方々に応援をしようとこの原稿を記しました。

京都市バスの便利グッズに「市バススマホ接近情報」というのがあります。
これは当会会員の児玉さんも企画に参加したとか伺っております。
地下鉄も20系が走り出しました。どなたかの試乗レポートが待ち遠しいです。

市民として、市民の足を強くする提案をお待ちしております。

京都市バスの挑戦」への10件のフィードバック

  1. 市民でない人がコメントしにくいのも今の京都の変わりように驚くばかりの元学生、元市民です。
    この問題は整理しないと無理ではないでしょうか。路線バスのことは後に回します。
    インバウンドは日本が円安とビッグマック指数に見られるよう、海外から見て相対的に旅行経費が安いから、イナゴのようにわーっと外国人が2010年代後半に傾斜して訪日が増えただけ。
    その時に日本中が「それだ!」になり、カジノリゾートとか、東京オリンピック、そして京都は自らを「ブランド」と思い、何もしなくても付加価値のある街と思い込み、その代り一気に大規模開発と街の中心地の様相が変わりました。
    参考 https://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/cmsfiles/contents/0000275/275160/09zaiseijoukyou.pdf
    2020年からのコロナ伝染病の流行でインバウンドが途絶えて、気が着くと真っ青、一番痛手が大きいのが京都市かと思います。ホテル建設と中国人が投機で住宅も購入していましたから。
    そんな現在、路線バスは乗りやすくはなりましたが、将来的に巨額の負債を抱えた都市の経営再建は大阪市と大阪府のような図式になるのか。
    うっかり素人や都市外の者が口を挟むのも難しい場所かと思います。

    京都市は中都市が大きくなったような所、40数年前、市電廃止直後に出て来た者はそう思いました。
    おそらく「交通局」といった発想では、ミクロとマクロが時系列で見えて来なかったと思います。
    先日舞鶴に行くと閑散とした街中を走る路線バスが錆びて穴が空いていました。(写真)走って来るバスも殆どが中古なのか錆びており、都市としての衰退も厳しさが伝わってきました。
    昔の京都市は節約や倹約が美徳、しぶちんの町に思えました。市井に生きる市民の暮らしも倹しかった。これから人口減も始まると思います。
    京都は府下の丹波や山陰から出て来る人と荷物の物流で営んで来た町でもありました。舞鶴市や福知山市が廃れれば、京都市だけが影響を受けないという地政ではないと思います。その辺りも巨視できる交通経営、経済の手腕に任せないと、小手先の改良ではとてもと思いました。
    私の個人的な視察では、広島市よりもミニですが岡山市の交通が最近面白かった。熊本市も面白いし活気がある。路面電車の一部復活はあっても良いのでは。岡山市は広島市より安いです。京都の地下鉄は相対的にも高いです。

    • K.H.生さん
      おおむね仰るとおりだと思います。
      しかし京都市民にとっては我が事で、当事者でもあります。緊急事態ですから、批判するより建設的意見を発するほうが大切では、と考えました。
      どしどしご意見をお願いします。

  2. 米手作一様
    市バスにラインカラーがあるとは、この記事を拝見するまで知りませんでした。交通局のホームページを見ても、ラインカラーの案内はありません。周知不足は否めないでしょう。
    わたくし、長年京都市民をやっておりますが、市バスには乗らなくなりました。過去10年間を調べて見ますと、2019年に一度、2016年に一度乗っただけで、それも片道のみの乗車です。最寄りのバス停までは5分もかからないのですが、市バスを利用しようとは思いません。出先で駐車料金を払ってでも、自家用車を選んでしまいます。
    1 待たずに乗れる
    2 目的地へ早く行ける
    3 雨降りでも濡れない
    4 同乗者がいても料金は同じ
    5 荷物が多くても車なら積める
    6 たばこを吸える (出先では吸える場所がありません)
    いずれ免許を返納する日が来て、市バスのお世話にならなければなりません。その時が来て、市バスが利用しにくい存在になっては困りものです。何か良いアイデアは無いものかと、無い知恵を絞っても、これは!というプランが浮かんできません。素人の考えかもしれませんが、思いついたアイデアを一つ二つ書いて見ます。
    1 少ない系統で運行本数を増やす
    2 乗り継ぎ割引の導入
    JRに例えるなら、新幹線と在来線を乗り継ぐような考え方です。東京から乗り換えなしで園部や奈良へ行けると便利ですが、現実的ではありません。今の市バスは系統が多く、園部行き新幹線があるように思えてなりません。不便になる地域が増える可能性もあって、あちらを立てればこちらが立たずで、ルートの設定は難しいですねえ。

    • 紫の1863さん
      ご提案ありがとうございます。
      この投稿は交通局の方にもご案内しておりますので見て頂けているかも知れません。
      私も以前は同じ理由でバスは利用せず(幾ばくかは学生時代の“ダンプカー”のトラウマが有ったのかも知れません)車を利用しておりました。70才を超えて敬老パスを持ってからは専ら市バスを利用しています。なかなか便利なものと感心しております。
      ただ利用していると不都合な点や、ちょっと頭を使えば(失礼!)より良くなるのにお役所仕事やな、と思うことは多々目に付きます。
      たとえば、市バスと民間バスで同じ系統番号で行き先がちがうのに同じ停留所に停まること。観光客が乗り間違えると思いますが、これには交通局から次のような回答を頂いています。(要約)
      《観光客や海外からの旅行客に、バスの情報をわかりやすく伝えるため、民間バス事業者と連携して停留所名の統一や系統番号の整理についても議論をしています。しかし、行き先表示や路線図なども併せて更新する必要があるため多額の費用を伴います。また、系統番号はバス事業者がそれぞれの考え方に基づき設定しているので、これらを整理する必要があり、直ちに実施するのは困難です》
      文面からは観光客や外国人旅行者のために、急ぎ解決しようとの気迫は感じられません。
      もしこれが喫緊の課題として全バス事業者が協議すれば簡単に再編でき、紫の1863さんも市内移動がバスの方が便利と言って、市バス愛用者になってくれるかも知れませんね。

  3. クルマは最初からナシ、自転車もなし、移動手段は市バスと自分の足だけという都心生活者(?)になって一年経ちました。最近は京阪、阪急に乗ることもありません。しかも“敬老乗車証”という強~い味方を手に入れてからは、ほぼ毎日、京都市バスに乗っています。それだけに米手さんの核心を突いたレポート、我が意を得たり、です。
    「ラインカラー」、知ってはいますが、全く頼りにしていません。交通局も効果が薄いと判断したのか、最近はPRをしていませんね。最近増えたLED表示では、白昼は肝心のカラーが全く分かりません。本当に分かりやすく表示するためには、カラーは“ライン”ではなく“ベタ”にすべきです。幕全体をカラーにするか、あるいは写真のような市電代替を示す系統番号バックのオレンジ色部を、路線カラーに色分けするなど、デザイン変更が必要だと思います。しかし、「通り」の一部でも経由する場合でもラインカラーが付くため、ライカンカラー頼りに乗っても目的地へ着けない矛盾は解決できませんね。
    系統番号+「甲」「乙」は、局内用語だったのですが、市電全廃後に、表示幕にも堂々と表示されるようになりました。さすがに古くさい表示に気が引けたのか、行き先だけでなく経由地を幕に付加することで、「甲」「乙」表示を無くしています。
    いまの交通局の窮状は、外的要因によるもので、交通局は頑張っていることを、乗客としても感じています。いまとなっては、インバウンド客が街にあふれて、増便、系統新設が相次いだ3年前が懐かしいです。

    • 市バス愛用者、というより、市バス必需家と言うべき特派員氏の発言には重みがあります。私も“ライン”ではなく方向幕のべた塗りが良いと思います。でも言われるようにラインカラーのその先が判らないのではあまり役には立たないでしょう。
      90年代にM氏というバスの責任者がおられました。ある場所で私が市バスに関して講演をしたのを聞かれて、訪ねてこられました。一日乗車券や系統の事などを話したら、ほどなく改良して下さいました。「これからも純粋に市バスのサービス向上のため意見交換をしましょう」と言って下さったのですが、程なく急逝されたのは残念でした。
      今もこういった機会があればいくらでも提案をするのにと、思っています。

      • 米手さま
        ご返信、ありがとうございます。交通局では、ちょうどこんな募集をしていますょ。締め切り間近です。一度、応募されてはどうでしょうか。

        • ご案内、ありがとうございます。
          貴兄もご存じの通り、私は一対一には強いのですが、多数を相手にすると元来の内気が災いして言いたいことの十分の一も話せないのです。
          当会には多数を相手にしても動じない猛者連がおられるので、その方たちに任せたいと思います。

  4. 米手さんは、最近の市バスの乗務員の接客にも触れておられます。乗客にすれば、市バス評価の最大ポイントだと思いますが、最近はホントに接客が良くなりましたね。以前は、無愛想を通り越して、“怖い、恐ろしい”思いで市バスに乗ったものです。いまでは、下車客に対して「ありがとうございます」はもちろん、転倒防止のために「ブレーキ掛けま~す」と、ちょっと喋りすぎの感もあるのですが、市バスの好感度に繋がっているのは事実だと思います。書かれているように、ダイヤの遅れも伝えるという、JR並みのアナウンスも見られます。少し前など「このバスは一時間遅れで運転しています」のアナウンス、ホンマかいなと思って、運転台のダイヤを見ると、まさに一時間遅れで運転していました。頻発運転の205系統でしたから、別に遅れていても、乗る側には一向に差し支えはないのですか、この時期、ヒトもクルマも増えていること実感しました。
    日本各地でバスに乗っていますが、総じて乗務員のサービスは向上していると思います。私が乗ったなかでは、都バスがていねいな運転・接客において、ピカイチだと思っています。やはり、日本の首都のインフラを支えていると言う誇りが、そうさせたのではと思っています。京都も、もう少し丁寧な運転になれば、東京に肩を並べると思います。

    • 数年前に三朝温泉へ行った時のことです。
      倉吉駅から日の丸自動車のバスでした。
      途中の公共施設がある停留所で足の不自由なお年寄りが降りるため出口で待っていると、歩道に切れ込みがあるバス停なのに車道で停まったため、路面とステップの段差が大きくなり、お年寄りが「もっと近づけて」と運転士に言うと、返事もせずに急角度でハンドルを切り、タイヤを縁石にこすり付けながら止めました。三朝温泉の停留所に近づいたので「次、降ります」と口頭で言ったら「ベルを押して」と叱られました。
      地方だから許されているのでしょうね。

総本家青信号特派員 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください