芸備線5月下旬まで運休

2017(平成29)年4月にクローバー会の木次線ツアーがあり、新見から備後落合まで満員のキハ120に座れずに揺られ、ようやく着いた備後落合では、肝心の木次線スイッチバック区間が土砂崩れのためにバス代行になっていると知って、一同ガッカリしたのが昨日のようです。早いもので あれからもう6年が経とうとしています。その際に通過した芸備線備後八幡・内名間で去る3月23日に新見発備後落合行き445Dが備後八幡を19:15に発車後、19:20頃に線路上の落石に乗り上げ、キハ120の前の台車が脱線するという事故がありました。乗客はゼロで、運転士にケガはなく、軽微な脱線事故で済んだのは不幸中の幸いでした。

JR西日本のホームページより転載。サラッと5月下旬の運転再開と書かれている。

中国新聞デジタルより転載。

平成28年5月6日 小奴可川橋梁にて

以前にも同様の脱線事故があり、確かその時はキハ120が1両廃車になったと記憶しています。今回は軽微な脱線だったので、早期に復旧させるのだろうと思っていました。ところが、5月下旬の運転再開を目指すとの報道に驚きました。確かに対症療法では事故の再発は防げず、安全運行を確保するには根本的な病巣を断つ必要があることは理解できます。逆に言えば、今まではしっかり点検していませんでしたともとれます。だから、しっかり沿線を点検するので5月下旬までかかりそうで、もっと延びるかもしれませんと言うことのようです。マイクロバスやタクシーによる代替輸送があるので大きな支障はないものの、我々の木次線ツアーの時のように、木次線目当ての乗り鉄が集中した際には「積み残し」を覚悟しておいて下さいということにもなっています。うがった見方をすれば、備中神代・備後落合間の廃止に対する試行・検証期間と位置付けられなくもありません。今後の動向を見守りたいと思いますが、同区間の廃止がまた一歩実現に向けて前進した感が否めません。沿線自治体は「廃止を前提とした協議には応じられない」と言い、JR側は「廃止を前提としていません」と言いながら、一向に展望が開けてきません。誰が考えても過疎化が進み、空気を運ぶだけの超閑散線区の存続には無理があり、廃止を前提に前向きな本音の議論をする時期に来ていると思うのは私だけでしょうか?

そんな複雑な思いでいたところ、小さな新聞記事が目にとまりました。

令和5年3月29日 中国新聞より

実は「ザ・ロイヤルエクスプレス」なる豪華列車が走っていることすら知らなかったのですが、来年の春に岡山発で四国を走らせるとのことです。「ザ・ロイヤルエクスプレス」は電車ですが、すでに北海道にも遠征し、DE15が重連で稚内まで足を延ばし、かつこの列車専用の電源車(マニ502186)まで準備されていることを知りました。四国の電化区間だけを走らせるのか、JR貨物が関わっているので北海道のように非電化区間も走るのかは判りませんが、注目しておきたいと思います。ただし、私は80万円も払って乗りたいとは思いませんが。

毎日の列車通学もままならず、仕方なく寮生活や長距離の送り迎えを余儀なくされる地域がある一方で、外の景色は二の次の豪華列車が増えて、鉄道の世界も二極化が進んでいるように感じられます。豪華な食事が目的の列車なら、山手線や大阪環状線をぐるぐる回っていても良いのではと思ってしまいます。乗れない者のひがみでしょうか?

芸備線5月下旬まで運休」への6件のフィードバック

  1. 西村雅幸様

    https://trafficnews.jp/post/125069

    上の記事によると、ロイヤルエクスプレス単独では四国内のトンネルを通れないそうです。パンタグラフのことを言っているのでしょうか。

    豪華列車に関して私も同感です。ロイヤルエクスプレスよりもスカイレールサービスの方がよほど興味あります。

    • 奈良の駅名研究家様
      素早いコメントありがとうございます。なるほど、トンネルを通れないのですね。ロイヤルエクスプレスの車両限界がJR四国の建築限界に支障するということでしょうかネ?同じ国鉄線だったのにと思いますが、よくわかりません。スカイレールに関してはその後なにも情報がありませんが、海田市から向洋を経て天神川までの間の高架工事がかなり進んでいて、向洋の仮駅が出来ている頃でしょうから、一度取材に行こうと思っています。また広島駅ビルも気になっています。また西高屋駅の橋上化工事も進んでいる筈ですが、上下線のプラットホーム最下段の山陽鉄道時代のレンガ積みが壊されないかと気がかりです。

  2. 昭和41年3月8日、東城駅に到着した、C5892牽引、広島発新見行です。
    非鉄の親友と卒業旅行した時の撮影で、この列車で新見まで行き、キハ35×2の津山行、C11牽引の姫路行、門司発大阪行と乗継ぎ、大阪駅で親友と別れて、23時50分発、東京行に乗り、京都を素通りして豊橋で降りました。切符は、東城駅で日立まで買いました。

    • 藤本哲男様 コメントありがとうございます。57年前の東城駅の風景、見入ってしまいます。広島から新見に向かう普通列車、構内に停まっているツムやワ、線路内に設けられたアッシュピット、線路を横切るトロッコ用の線路など懐かしいです。東城で日立までの切符を買うのには、運賃計算に相当待たされたのではありませんか?私もかつて奈良線の桃山駅で複雑な連続切符を学割併用で買う際に、いやな顔をされたことを思い出します。

  3. 西村様、

    芸備線の当該列車は、445Dのようです。
    https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230329_01_press_geibi.pdf
    25km/hの徐行区間で起きたのか、本格的に法面防護を検討、施工せざるを得なくなり、5月下旬の再開となったのではないかと思われます。

    「ザ・ロイヤルエクスプレス」の件は、予讃線箕浦~川之江間の鳥越トンネルの断面にあるようです。Youtubeの前面展望をみると、盤下げはしているものの不十分で、車両側で対応せざるを得ないのでしょう。EF65、EF210、285系がどのように対応していたのかは知りたいところですが、きっと私の頭では聞いてもわからないような気がします。
    機関車は岡山~高松がJRWのEF65、高松~松山はJRFのEF210のようですので、動力車乗務員は岡山~児島がJRW、児島~高松~松山はJRFかと邪推しています。
    いずれにしても、2018年4月以来の他社の車両(検測車とマリンライナー、貨物列車除く)なので、運転日はたいへんな騒ぎになりそうな気配です。

    • 四方誠様
      間違いを指摘して頂き、ありがとうございます。本文を訂正しました。確かテレビのニュースで「快速列車が」と報じたので、「快速列車」は朝の3441Dしかないので、確かめもせずに記載してしまいました。早朝、昼、夜の3本しか走らない線区で、夜になり、お客のいない回送列車同然の運転は走り慣れていても不気味だろうと想像します。四国の件、来年のことではありますが、大変な騒ぎになるのが目に見えるようです。先般のクローバー会長良川鉄道ツアーへの往路、沿線各地で、廃止間近の85系ひだ号を待つカメラの放列には驚きました。岐阜駅での併結作業も人だかりで鉄道公安官も出動し、沿線でもパトカーを何度も見ました。乗客の外国人旅行者から、「今日はどうしてこんなにカメラマンが多いのか?」と質問され、この列車が「Lust Run」だと説明したところ、美濃太田駅で降りた彼もカメラを向けていました。来年の四国が見ものです。

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