2025年4月の台湾鉄道（その３）

▲ＤＲ2100・2400復活　内湾線　上員ー六家

４月19日（土）

今日は、終日内湾線です。ふだんの内湾線は、日本車両製のステンレス製ディーゼルカーＤＲ1000型のみが運行されていますが、ＤＲ1000型が投入された1999年以前に使われていたＤＲ2100･2400型が、臨時運行ですが内湾線で復活することになりました。もともとは第二次世界大戦前に作られた気動車を戦後にエンジンや車体を大幅に改修して長らく運用されましたが、老朽化で引退となりました。今般２両が復活し、台北で開所する新しい鉄道博物館に入ると報じられています。

運行は、今日19日と次週の26日で、新竹ー竹東と竹東ー内湾の２区間をそれぞれ２往復します。今回、竹東から新竹までの午後便の復興6723次の乗車券を買うことができました。旧車に27分乗るのに699元（約3150円）しますが、ここは値段の問題ではないでしょう。乗るまでは撮影に勤しむことにします。内湾の駅前は、土曜日なので鉄とは関係なく、ごったがえしています。台湾では、非電化の盲腸線が観光路線として人気で、内湾線だけでなく、平渓線、集集線も同様に活況を呈しています。以前の青春１８シーズンだけごったがえした日本のローカル線とは様相が異なります。先ず内湾から歩いて隣駅の富貴の手前で撮った後は、竹東と横山の間の鉄橋で撮ります。鉄橋撮影では後補機のＲ21型機関車がつかなくなりイベント列車風に見えなくなりました。往きの内湾までは、上り勾配があり、エンジンが焼き付く懸念があったため後補機がついたのだそうです。

竹東からはいよいよＤＲ2100･2400の乗車です。台湾のかつてのローカル列車、台東線の藍皮懐憂号と同じく紺色に白線が入った車体はぴかぴかです。ぱっと見はキハ20に影響を受けている様に見えますが、出自もカミンズ製のエンジンも全く別物といえます。車内にデッキはありませんが、扉は両端に寄せられドア間はかつての客車と同様、緑色のビニールレザーの転換クロスシートが並びます。竹東を発車して暫らく行くと、沿線でカメラの向けた人が何十人といます。水田を背景に入れた内湾線の銘撮影地のようです。乗ったＤＲ2100型は、内装も徹底的に改修され新車のようですが、窓が全開のせいだけではなくエンジン音が大きいように感じました。

今日も昨日と同じ莒光554次に乗って新竹から終点の七堵まで向かいます。停車駅も多く、速くはない莒光号ですが、かつての急行列車も、私の知るのは立山やきのくにですが、速くはありませんでした。台湾でも、何時まで莒光号が運行されるかは判りませんが、年々運行される数は減ってきており、早めに乗車されることを勧めます。自強号のように疾走する感じがなく、乗り心地のよい空気ばね台車に揺られゆったりと移動する莒光号には、客車列車ならではの味があるように感じます。

七堵で電車に乗り換え、久しぶりに基隆で宿を取りました。明日の20日は三貂嶺近辺で撮るつもりで宿を探したのですが、土曜の夜の泊まりなのでどこも宿代が跳ね上がり、難渋しました。初日に泊まった台中のツインスターホテルも木曜日なら5,000円弱だったのが土曜日なら約15,000円もします。

その相場傾向で台北をパスして基隆にしたのですが、ケチり過ぎたのか、部屋にゴキブリが出没したのには閉口しました。最初に洗面の下で大きなのを１匹たたきつぶした後、寝ようとしたところにまた大きなのが１匹と小さいのが２匹出てきました。ベッドも相当くたびれていて、これで寝れなくなってしまいました。宿もあまりケチるとろくなことがないですね。最近、旅行サイトで安いなと思ったら大部屋仕様のドミトリーなことがあるのですが、私は最低限、個室でないとだめです。寝台列車ならともかく、同じ部屋で見ず知らずの人のいびきを聞きながら床に就くのは我慢の限界を越えています。その条件で探したのですが、台湾北部の都市なら土曜の夜で素泊まり個室5,000円程度というのはあきらめた方がいいと思いました。

▲復活ＤＲ2100・2400型　後ろには後補機Ｒ21がつく　富貴ー内湾