微笑みの国、タイ王国鉄道の旅 Part8 国際列車で国境を超えてラオスへ

第7日目 12月8日

① ファランボーン前日20:00(国鉄69)→11:22ノンカイ11:50(国境列車)→11:59タナレーン
② タナレーン駅12:25→12:55ヴィエンチャンバスターミナル(BT)→市内観光→BT
③ ヴィエンチャンBT14:55(Bus)→17:18ウドンターニ

000_さっそうとスクーターで走るラオスのお嬢さん▲ さっそうとラオスの国道をスクーターで走るお嬢さん。信号待ちで我々の車の横に並ばれた時にお願いしますと、にっこりと笑って後ろを走ってくださいました。日焼けもない白い顔に、上品な笑顔がとてもすてきなお嬢さんでした。

01_ファランボーン駅食堂02-1_ファランボーン駅218時前にはファランボーン駅に到着。預けておいた荷物を受け取り、駅内の食堂で小腹を満たしました。

待合室は、夜行列車の乗車を待つ客でいっぱいです。お坊さんの姿も多く見かけました。

4番ホームには、お召列車の姿はもうありませんでした。我々が乗車するのは、5番線に止まっている20時発の東北本線ノンカイ行きの列車です。乗車するのは、11両編成の最後尾の上下2人1室の1等寝台車です。
隣の部屋とは仕切りドアを開けるとつながる構造になっていました。
さてどこの国の方と一緒になるのかと楽しみでした。

07_ノンカイ行き69列車切符▲ 東北本線(ファランボーン~ノンカイ)の総延長は、621.10キロ。69列車は時刻表では、12時間25分、表定速度50.01km/hで走行します。運賃は、1,317バーツ(約3,700円)と、日本と比べると格安ですね。
02_ファランボーン駅▲ 今日の69列車の編成は、①荷物車+②BTC1371+⑤BTC1346(②⑤とも1980年マッカサン工場製3等車)+⑥食堂車+⑦BNS1073(1975年マッカサン工場製2等寝台)+⑧ANS1056(1989年DAEWOO製2等寝台)+⑨ANS1082(1992年DAEWOO製2等寝台)+⑩ANS1039(1989年DAEWOO製2等寝台)+⑪ANS1070(1992年DAEWOO製2等寝台)+⑫ANS1032(1988年日立製作所製2等寝台)+⑬ANF1003(1997年HYUNDAI製1等寝台)の11両編成でした。(※ ③④欠番)
05_1等寝台車内▲ 車内はまだ寝台のセッティングができていませんでした。ミネラルウォーターも置いてあり、寝具は綺麗で清潔そうな室内でした。我々のツアーは7名、最後に申し込んだ私は、他のお客と同室です。希望の下段寝台です。上段は、バンコク駐在の日本人の男性でした。
発電所関係のお仕事をされているとか、昨年の水害のお話をお聞きしましたら、日本のマスコミは被害の多かった所ばかりを探して報道していた。全体からすると被害を受けたのは1部の企業なのに全体と思い込ませていた。日本からの問い合わせは本来の業務ではなく、その事ばかりに殺到して、その対応の方が大変だった。もっと冷静に真実を報道して欲しいと嘆いておられました。
やはり、島の問題同様に日本のマスコミには、何か意図的な偏った報道を誇張する傾向が強すぎるようですね。こうやって現地におられる人の声を直接に聞くと中国同様に実態がよく分かってきます。
05_1等寝台食事メニュー06_1等寝台食事▲ 乗車しますとすぐにボーイが、朝夕食のオーダーを聞きにきました。セットで160~200バーツ(約440~550円)と、まずまず気軽に注文できる料金です。上段のお方とあれこれ悩んで別々を注文しました

08_食堂車▲ 食事後、折角だから食堂車へ行ってみようとのS水隊長のお言葉で、ビール好きメンバーで参りました。食堂車は、非冷房車です。全開された窓からの風は入ってきますが、暑いのは確かです。冷たいビールをできるだけたくさん飲まそうとする魂胆が、丸見えですね。向かいの席におられた陽気な英国人と乾杯です。途中から目的地のノンカイに駐在されておられる日本人の方もおみえになられました。ノンカイで住む日本人はわずか3名で、日本人会の会長をされておられるそうです。車窓では線路上で夕涼みをする住民の姿が、見えていました。夕闇の中、食堂車の中では、乾杯の歓声が続きました。

01_69車窓▲ 翌朝6時に目覚めました。夜明け前が近づいた車窓では、朝雲が色づいてきました。平原の中、69列車は北へと一直線の鉄路を向かっていきます。日の出は6:35でした。
01_朝食▲ 6:48、天井に頭がつきそうな背の高い、いかついボーイさんが朝食を持ってこられました。コーヒー、ジュースと豚&鶏肉の入ったお粥です。
9:05、もうノンカイに着いていなければならない時間を過ぎましたが、69列車はまだ平原地帯を30~50km/hでユックリと走行しています。通過したのはカオスワンクワーン駅(Hhao Suan Kwang)です。時刻表では、6時頃に通過となっていますので、約3時間の遅れのようです。
04_69車窓▲ どうしてこんなに遅れるのか、しばらくたつと呑み込めました。この路線一帯で、全面的な線路改良工事をしています。今まであった線路を枕木ごと外して、白い防水シートを敷いて新しいレール、コンクリート枕木とバラスを敷設していました。防水シートが必要とは今まで知りませんでした。噴泥対策なのでしょうか。線路構造についても無知ですのでよく説明できません。
03_69車窓05_ノンカイ駅06_ノンカイ駅▲ 定刻の8:25から遅れること2時間57分後の、11:22に終着駅ノンカイ(Nong Khai)に到着しました。ラオスとの国境の駅です。
バンコクのファランボーン駅から621.10キロ、今回は15時間22分をかけての乗り鉄旅でした。遅れているので少し心配しましたが、接続列車は待ってくれていました。
07_ノンカイ駅▲ 国際列車の切符を買った後、イミグレで出国審査を済まして、国境へと向かう国際列車に乗車しました。

09_ノンカイ駅10_国境列車切符

▲ 国境を超える国際列車のダイヤと切符です。1日2往復の列車で、運賃は20バーツ(約55円)。世界でも、もっとも安い国際列車だろうと思われます。
11_国境列車▲ 2両編成のDCは、1971年日立製作所製です。BTD.T22(付随車)+EPD1048(動力車)となっています。
13_車内▲ BTD.T22の車内です。この区間は、この列車1編成のみの往復ですので、タブレット類は不要と思われますが、なぜか使用していました。
12_車内▲ エンジンの付いているEPD1048の車内です。中央に排気管のパイプでしょうか柱がありました。
14_国境列車▲ 11:50、ラオス国境へと向かう国際列車が発車しました。途中で道路と合流して併用軌道の橋を渡ります。国境は橋の下のメコン川です。
15_国境列車▲ 橋を渡ると道路は鉄路を離れます。ゲートがありますので、列車が通らない時は閉めているようです。そしてカオス側の国境駅タナレーン駅へと入線していきます。
16_国境列車▲ 11:59にラオスタナレーン駅着。駅間距離は、6.15キロ。わずか9分間の国際列車の旅でした。実は、私にとっては記念すべき、初めての国際列車の乗車でした。着きますと、再びラオス側のイミグレで入国手続きです。ラオスには鉄路はなく、ここから先に列車は進めません。すぐに折り返してタイへと帰っていきました。

今日はこれからラオスの首都であるヴィエンチャンに向かい市内観光をした後、バスで国境を越えて再びタイへと戻ります。本隊はウドンターニから飛行機でバンコクへ、そして帰国されます。一方のY崎さんと私は、ここから本隊と別れての二人旅となります。

まずは駅前からは、ヴィエンチャンを目指しました。
バスターミナルへ一旦立ち寄り、トゥクトゥクに乗り換えてからヴィエンチャン市内のレストランで昼食です。
17_レストラン18_レストラン▲ 写真入りのメニューを出されて気に入ったものを注文しました。こういう時は旅慣れた方が多いと心強く助かります。お任せしましたら、結構ごちそうにありつけました。
21_タートルアン(That Luang)▲ ラオスの象徴とも言われているラオス仏教の最高の寺院のタートルアンです。史跡にはあまり興味がない私ですが、青空の中に金色に輝く姿はとても美しく魅了されました。陰暦12月の満月の日に1週間行われるタートル アン祭りは、国内外から大勢の僧侶が集まり盛大に開催されます。もっとも重要な宗教行事の一つとなっているそうです。夜は、ライトアップもされるそうで、夜空に輝く姿も見てみたいと思いました。
23_パトゥーサイPatousay22_パトゥーサイPatousay▲ パリの凱旋門を模して作られたパトゥーサイ(凱旋門)です。ここも金色の天井の装飾が見事でした。
20_願掛け▲ 静かに願掛けを行う子供たち。無常の世の中、幼少の頃から願掛けを欠かさず慈悲や慈善の心を育て上げていくことが、微笑みの表情をつくっていくのでしょうね。

30_国境バス切符▲ 14:55、市内の国際バスターミナルへと戻り、再び国境を越えてタイのウドンターニへと向かいました。
25_国境バス▲ 乗車した国際バス、補助席は、補助イスです。

26_国境バス

▲ まずは13:35、ラオス側のイミグレで出国審査を受け15:52発車。往路は列車で来た国境の橋を渡ります。そして、15:55にタイ側のイミグレに到着後は、入国審査です。多くのバスが止まりますので、16:10発車の際は人数を確かめてからです。
17:18、ウドンターニバスターミナルに到着しました。2時間23分の乗車でした。
27_ウドンターニ食堂▲ バスターミナル横の食堂で、今回のタイ鉄道ツアーに参加された皆さんとはタイで一緒の最後の夕食をとりました。注文したのは、タイ風の揚げたお好み焼きといったところです。ビールとバッチリ合いました。

ここで皆さんとはお別れです。わずか4日間の短い日々でしたが、皆様方のおかげで楽しいタイの鉄道撮り鉄、また乗り鉄旅を楽しむことができました。ありがとうございました。
周到な準備と予定を組んでいただきましたS水隊長様、おかげで何のトラブルもなく旅を堪能できました。ありがとうございました。また、お誘いいただきたくお願い申し上げます。

食後、空港に向かわれる皆さんをお送りしてから、Y崎さんと2人でホテルへと向かいました。我々の宿泊ホテルは、Y崎さんに予約していただいたチャルンシー グランド ロイヤル ホテルです。2日間連泊します。ゆっくりとして少し疲れを取ってから、昼間の鈍行列車でバンコクへと乗り鉄旅をする予定です。  Part9へ続く

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