岩村で日本一の農村風景に浸る
明知鉄道ツアーから一週間が経ち、楽しかったシーンを思い出しています。さすが百戦錬磨(?)のクローバー会の面々、直行・直行では満足せず、前後のコースには独自色を出して、さまざまな立ち寄りレポートが本欄にも寄せられています。かく言う私も、集合前には準特急さんと中央西線で撮影し、明智で解散したあとは、暗くなるまで明知鉄道を撮影しました。下車したのは岩村で、一緒に下車した、どですかでんさんと岩村電気軌道の廃線跡を探訪したあと、一人で撮影地に向かいました。岩村を撮影地に選んだのは、農村景観日本一に選ばれた付近の田園で撮影するのと、交換列車のシーンを撮ることでした。▲農村景観日本一にふさわしい、穏やかで心和む風景が続く岩村付近。
最近のローカル線は、乗客の減少だけでなく、鉄道に携わる人たちも削減されて、好みの人間を絡めた撮影が難しくなってきました。その点、岩村は、沿線では乗降客が最も多いこと、また、交換のため、上下列車が接近して通過するため撮影効率がいいのも選んだ理由です。岩村は、重要伝統的建造物群保存地区の歴史的な街並みだけでなく、最近のNHK朝ドラの舞台にもなって、駅は賑わいを見せていました。
▲解散後、明智から乗った列車は満員で、立ち詰めのまま岩村に到着、ここでも多くの乗降客が見られた。中高年が多いのは、全国共通だが、小さな子どもを連れた家族連れが目立ったのが明知鉄道だ。三セクで、こんな賑わいを見るのは初めてだ。▲最初に向かったのは、花岡温泉寄りへ1キロほど歩いた地点、小さな丘の真ん中を、線路が突っ切り、両側に木が一本ずつ植わっている。行きの車内からロケハンして見つけたところ、線路端には白いマーガレットの花も咲いている。ところが、列車の通過直前になって、田植えに向かう軽トラが画面の前にドーンと停車、慌てて移動をお願いに行き、列車通過の15秒前に画面から消えてもらって難を逃れた。▲つぎの交換列車は、極楽寄りにある踏切から狙ってみた。ちょうど、駅の交換風景が撮れる。まずは、明智行きの15Dを極楽寄りの大カーブで狙ってみる。電柱はあるが、ほかに邪魔するものはない。バックには、傾いた陽が照らす新緑が広がる。4月の頃の萌える新緑もいいが、濃さを増してきた、この頃の新緑も落ち着きが出てきて好きだ。
▲15Dが踏切を通過すると、反対側から18Dの到着するのがレンズを通して見える。待ち時間のほとんど無い、効率のいい交換だ。2両が顔を並べる交換シーンは、画面にボリューム感が出て大好きだ。なにげに右側のホームを見ると、ン、見た顔の中高年がカメラを構えている。▲交換した18Dが眼前を発車して行く。向こうには同時発車した15Dが見える。▲岩村では、1時間余りごとに列車交換がある。次の交換は17時55分、ちょうど日没直前で、夕景を期待していたが、すぐ近くの山に没してしまい、それは叶わなかった。しかし、列車が踏切付近に掛かるころ、夕陽が車体側面を照らし出した。背後の山々も照らし出された。▲つぎの19時発22Dで岩村を去ることにした。やって来た22Dに乗り込むと、なんと乗客はゼロ、明智から数人でも乗っているかと思ったが、まさかのゼロとは。途中からも阿木から2人乗ってきただけで、終着の恵那に着いた。たしかに、好天に恵まれた休日の観光地は、昼間は賑わいをみせるが、暗くなってしまうと、急にふだんの姿に戻ってしまう。三セクのきびしい現実を感じた一瞬だった。
総本家青信号特派員様
1枚目、3枚目もそうですが、こういう写真はいいですね。のんびりとした自然の風景。以前、総本家さんは家など入った方がいい場合もあるやに言われたと思いますが、私は茅葺とか水車小屋のようなものは入れますが、なるべく家やガードレール、柵などは避ける傾向があります。もっとも新旧定点対比撮影は別です。何れにしましてもこの作品を見て明知線を再訪したくなりました。有難うございます。
準特急様
コメント、ありがとうございます。やはり人工物が何も入らない、自然の中の鉄道写真はいいものだと感じました。言われるように、家やガードレールは避けたいですね。もうひとつ、自然の中の鉄道写真には、画面のなかの車両の占める割合も作用すると思います。たとえば、4枚目の写真は、車両が大きすぎますし(これは、タテ位置写真に出来ず、やむを得ず無理にヨコ位置にしたものですが)、準特急さんがよく言っておられる、車両が米粒のような小さなものは、私も好きではありません。ちょうど、1枚目、3枚目あたりが、誰もが心地よく感じる画面の車両割合だと思っています。
総本家青信号特派員様
何を隠そう岩村駅ホームにいたのは私でした。全く気がつかなかったのですが、拡大してみると私のカメラにもカメラを構える総本家青信号特派員様のお姿が写っていました。のどかな岩村駅の風景を汚して失礼しました。
大津の86さま
今日、帰りの電車のなかで話しましたら、さっそくのコメント、ありがとうございます。そうですか、お互いに知らないままで、撮り合っていたのですか。このシーンは、踏切の中央で撮っていたら、反対列車が進入して、踏切が鳴り出し、渋々、立ち上がろうとしたところだと思います。私は、てっきり86さんが恵那行きに乗って写されたのかと思いましたが、反対の明智行きに乗って、下車されたとは考えもしませんでした。
マーガレットの咲いているところって、ここですようね。明智(明知でなくへここは明智と書かねばならぬ。)に向かっている列車の後ろ側から撮りました。最初はどこかわかりませんでしたが、ストリートビューでやっとわかりました。私は総本家青信号特派員さんと岩村電気軌道廃線跡の途中で別れてから廃線跡をどんどん歩いていると極楽駅の近くまで来てしまい、そうなれば飯羽間駅まで行ってしまえということで行ってしまいました。そこで明智行の18Dを撮って、15Dで恵那へ帰りました。ところで岩村19:00発の22Dにだれも乗っていないのはそんなものではないかと思います。日曜日ですし、都会へ行って帰ってくるのであればまだしも、田舎の親戚に用事があって町へ帰る人であれば乗っているかも知れませんが。私の住んでいる所を走っているバスもこんな感じで日曜日の午後7時頃は寂しいものです。サザエさん症候群ということも言われるぐらいですから。
どですかでん様
そうです。この場所です。実は私も列車の後部からコンデジで撮っていて、この場所で写すと決めました。岩村電軌の廃線跡は、私も帰ってから復習しましたが、飯羽間のあたりでは、現在の明知鉄道に接近しているのですね。途中のダム付近に橋脚跡が残っているとか。私はその日、恵那に泊まりましたので、恵那駅前も念のため、ウロつきましたが、痕跡はいっさいありませんでした。駅前を中山道が走っていますが、宿場の面影すらほとんどありませんでした。