「わが“やましな”の記憶」 あれこれ話 -Ⅰ-

11月11日(木)から開催していました、佐竹保雄写真展「わが“やましな”の記憶」、福田静二写真展「煙の旅 はるか」が終了してから2週間が経ちました。多くの皆さんに来場いただき、御礼や経過をデジ青で報告をと思いながらも、その間に、京都のほかの大学で講演があったりして、準備で忙しく、何も投稿できないまま2週間が経ってしまいました。それも終わって、やっとキーボードに向かうことができました。 写真展が行われた、ひとまち交流館京都

佐竹さんとは過去に何度か写真展をご一緒しました。ただ会場も狭く、テーマ、点数も絞り込まざるを得ませんでした。以前から、広い会場で、多くの展示を行いたいとの希望を聞いていました。会場は、以前から佐竹さんご夫妻が毎年の「東北展」で使われていた、ひとまち交流館京都にすんなり決定しました。テーマは、一時、全国の蒸機に広げたのですが、やはり絞り込みが必要となり、佐竹さんの真骨頂である「山科」に決定。蒸機だけでなく、電化後の電車・電機も紹介します。タイトルは、多数提案したなかから、「わが“やましな”の記憶」に決定しました。さらにプラスαの展示として、地元密着の「京都周辺の鉄道」も加え、さらに厚かましくも、私も参加させていただいて「煙の旅 はるか」としました。

会場・テーマも決まって実作業に移りますが、私自身がどうしても固執したことがあります。「すべてネガからスキャンして、実データからプリントする」ことでした。手許にある紙焼き(写真)からも同様の工程は可能です。しかし最終に大きく展示用にプリントした時の精度は、歴然としています。とくにサイズの大きなセミ判での撮影が中心ですので、その差は格段に違います。いまの写真展に求められるのは、「写真」ではなく、「ネガから起こしたデータ」なのです。

佐竹さんを何度も説得して、写真展示の現状を理解していただき、門外不出のネガを借り出しました。ところが、ショッキングなことが、なんと相当数のネガの所在が不明になっているとのこと、しかも佐竹さんを代表する、著名な写真ばかりです。ネガの使用先から未返却なのか、あるいは返却されたまま、別のところに置かれているのか真相は不明ですが、とにかく「ネガ」限定と広言した以上、引き下がる訳には参りません。それからは残ったネガ(と言っても膨大な点数)から、地道なネガ探しの毎日が続きますが、井原さんに作っていただいた、撮影台帳が大いに役立ちました。一点一点の内容や精度をチェックして、スキャン、データ化、修整の地道な作業が続きました。しかし、それが逆に今まで未発表のネガに行き着くことになり、佐竹さんからも「こんなん初めて見ましたわぁ」と言われる結果となりました。6日間にご来場いただいたのは、サイン帳記載が306名、記載漏れも多数あるので、総入場者は、400名を超えるだろう。ちなみに同時期にやった、私のもとの会社OB会の写真展は一週間で213名だった。連日、ご来場者がじっくり見学。

有り難かったのは、ネガにはダメージがなかったこと、60年前とは思えない、美しいネガでした。逆に、少数ながら預かった、特定の時期の35mmには、修復が不可能な状態でした。こうして、300点ほどをデータ化、そのなかからテーマに適合した構成を考えていきます。ここで佐竹さんから、「つばめ、はとだけの山科にはして欲しくない」という注文が入ります。

山科を日夜走っていた蒸機のなかで特急列車はごく一部で、大多数は、高度成長が緒についた頃、まだ自動車輸送が未発達の時代、物資輸送を一手に担っていた貨物列車でした。「貨物列車もたくさん紹介してください」という注文には、山科に181回も通って、つぶさに観察された、佐竹さんならではの思いだと理解しました。

2 thoughts on “ 「わが“やましな”の記憶」 あれこれ話 -Ⅰ-

  1. 素晴らしい写真展でした。
    もう一度見たくなって、最終日にもおじゃましてしまいました。
    優等列車の名作は、逸品を選りすぐられていて、申し分有りません。しかし、この写真展の白眉は優等列車以外かもしれません。
    客車貨車、補機運用そして単機回送など、多彩な「山科の日常」を味わえる希有な作品群でした。中でも、8620の3重連回送やワフ25000の貨物列車は、目に焼き付いて離れませんでした。

    総本家青信号特派員様の作品コーナーも、旅情・空気感を満喫できる深い作品が所狭しと並んでいて、いつまででも眺めていたかったです。ぜひ、写真集を!、と期待したい内容でした。
    「京都周辺」コーナーも、試験運転や転覆したC55など、貴重なカットで、興味津々でしたね~

    • 廣瀬さま
      いつも速攻コメント、ありがとうございます。写真展では、初日の第一号としてご来場いただき、また最終日ににも来ていただき、ありがとうございました。皆さんに喜んで見ていただいて、私も企画・実行した甲斐がありました。「写真集を!」ですが、別の形で実現することになりました。私の写真については、近々に別の会場でまた見ていただくことになりました。

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