広電近況

広電西広島駅や宮島口駅のリニューワル工事が一段落し、現在は広島駅ビルの建替え工事が本格化し、広島駅前をはじめ広電沿線の風景がどんどん変化しています。久しく広電の撮影をしていないので、1月11日に宮島線を中心に沿線を歩いてみました。

宮島口駅に到着した3801

駅は新しくなったものの、宮島口駅周辺は関連工事が続けられています。旧宮島口駅はすっかり更地と化し、今は立体駐車場の建設工事や道路工事が進行中です。上の写真で3801の上にある橋は、立体駐車場への取付け道路です。

留置中の3701と3805

丁度この日は宮島ボートレースが開催中でした。そのために臨時電車が走るのか、2本の電車が留置されていました。

宮島ボートレースの様子

阿品東から線路伝いに歩いてみました。オオバンをはじめ、多くのカモ類が羽を休めていました。

阿品海岸を行く5101

沖合に並ぶカキ筏を眺めながら歩を進めると地御前(じごぜん)神社に着きます。この地御前神社は厳島神社と同時期の平安時代末期の創建で、厳島神社を内宮とすると、外宮に当たる由緒ある古社です。旧暦の6月17日に行われる、日本三大船神事である宮島の管弦祭の際には、厳島神社を出た管弦船はこの地御前神社を目指して漕ぎ寄せて来ます。

前に広電宮島線、後ろにはJR山陽本線が走る地御前神社

鳥居に向かって、広電の線路際のフェンスが開くようになっています。現在ではどうされているかわかりませんが、厳島神社から管弦船で渡御された神輿を、すぐ前の浜からまっすぐ地御前神社にかついでゆけるように、この開閉できるフェンスになっていると聞いたことがあります。あるいは神輿は通さないにしても、管弦祭の日だけは神様が通りやすいようにフェンスを開けるのかもしれません。ここ2年間はコロナのせいで管弦祭は中止されました。今年、もし行われるなら見に行ってみたいものです。ちなみに今年の旧暦6月17日は8月3日(木)になります。管弦祭は夕刻に始まり、大潮で満潮になり厳島神社の回廊すれすれまで海面が上がる夜にクライマックスを迎えます。この地御前神社と厳島神社と弥山山頂の御山神社は南北に一直線上に位置し、古来から崇められてきた格式高い神社です。

地御前神社前を行く3953

地御前神社をあとに地御前駅に向かいます。すると先ほど追い越していった5010が駅間で停車しています。何があったのかと不思議に思ってよく見ると、前方の踏切の支障検知信号が点滅しています。

地御前駅手前で停車中の5010  わかりにくいですが、踏切支障検知の赤信号が点滅中

地御前踏切で何かあったようです。先着していた宮島口行き電車の乗務員が線路上を走っています。

地御前踏切で何が?

実はこの踏切は並行しているJR山陽本線と一体の踏切のため、広電のみならずJRの上下列車も超減速状態でゆるゆると通過してゆきます。渡ろうとする人やクルマも列をなし、パトカーも来たりして物々しい雰囲気なのですが、踏切内には特段の異状は無いようです。広電乗務員が電話で指令と連絡したりして、支障検知をリセットし、停車していた5010を徐行で前進させて運転が再開されたのは良いのですが、閉塞信号で停車させられていた後続の電車がすぐにやってくるため踏切が開きません。広電が通過し終わってさあ開くかと思いきや、今度はJRの貨物列車や電車が次々と通過し、多分20分以上渡れませんでした。上の写真で分かるように、広電の広島駅方面行きのホーム出入り口は踏切内にあるため、やっと動き出して地御前駅で降りた乗客も踏切内への遮断機が降りているので出るに出られない状態でした。何が原因だったのかわかりませんが、多分閉まりかけた踏切を無理やり渡った人かクルマがあって、支障検知が働いたのではと想像します。宮島線には地御前駅と同じようにJRとの共通踏切に面した駅がいくつかあり、「開かずの踏切」が問題になっています。

支障検知をリセットする広電乗務員

なかなか開かない踏切

下関への47系まとめ回送列車

地御前駅で随分時間を費やしてしまったので、次の目的地である荒手車庫の様子を見るべく商工センター前まで電車で急ぐことにしました。最近では広電の各車庫とも以前のように気軽に構内には入れてもらえなくなったので、道路から覗くだけです。

めったにお目にかかれない3103と部品取り車になった5007

道路からは殆ど写真は撮れないので、先を急ぐことにしました。

広島駅周辺は大きく変貌を遂げようとしています。新しい広島駅ビルは2025年春の開業を目指して大規模な建築工事中です。それに伴って広電の路線変更も計画されています。

路線変更計画(ネットから引用)

現在、比治山線の分岐点である的場町から広島駅前間が廃止され、新たに比治山下辺りから駅前通りに新線が設けられ、稲荷町でクロスして高架線となって駅ビル2階に乗り入れます。一方、的場町は循環線の停留所になって稲荷町方向につながります。完成は2年先ですが、少しずつでも現在の風景を記録しておこうと、稲荷町から広島駅前近辺を歩いてみました。

稲荷町から広島駅前方面を望む

駅前通りの中央分離帯に高架線が設けられる筈です。まだ目立った工事は始まっていませんが、分離帯の樹木撤去の準備でしょうか、重機が入っていました。

的場町で比治山線から荒神橋を渡って広島駅に向かう704

的場町の光景もやがて大きく変わる筈です。

猿猴橋から荒神橋を渡ってゆく5202を望む

手前の猿猴橋は2011年に土木学会から「被爆に耐えた装飾的橋梁」として選奨土木遺産に指定された橋です。大正15年2月竣工です。

猿猴橋欄干の飾り

いずれ猿猴橋電停も姿を消すことになります。

猿猴橋電停前の3951と5105

広島駅前を発車する1017

今回は宮島線訪問が主目的でしたので、旧京都市電の1900形を撮る機会がありませんでした。低床車の増備が進み、1000形も1018までに増えましたので、高床の1900形をはじめとする旧型車の出番は確実に減っています。2年後の広島新駅開業時に1900形が生き延びているかも心配になってきました。近日中に、改めて横川線、白島線、江波線など単車、旧型車の様子を撮りに行こうと思っています。また広島港駅から先の出島地区への線路延伸計画もあり、目が離せません。

一方JR山陽本線の向洋駅の高架化工事も佳境に入っていて、向洋仮駅ホームなども姿を見せつつあり、こちらも併せて注目です。

 

広電近況」への3件のフィードバック

  1. 西村雅幸様

    以前の西村様の投稿で、広島駅周辺が大規模工事中であると知りました。完成前にぜひとも乗りに行きたいものです。スカイレールサービスも同様です。

    来週の22(日)、3年ぶりに全国男子駅伝が開催されます。テレビ中継に映り込む広電の車両を観るのが好きです。もちろん、選手も応援していますが。
    中学生(?)がタスキを受け取る地点はとくに広電がよく見えます。

    3年ぶりの広電を目に焼き付けたいと思います。

    • 奈良の駅名研究家様 コメントありがとうございます。箱根駅伝で小田急や箱根登山鉄道をチラッと見て楽しむのと同じですね。中学生がタスキを受け取るのは、往路が第1中継所(広電井口駅前で12:49頃)、復路が第5中継所(広島工大高校前で14:01頃)です。新装なった広電宮島口駅前ロータリーも通る(第3中継所、13:22頃)ので、こちらも注目して下さい。

      • 西村様

        情報ありがとうございます。予想時刻まで載せていただき感無量です。楽しみにしております。

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