2014年 ドイツ、メルヘン鉄道の旅 Part15 ハルツ狭軌鉄道 その1

04▲ 13:22 発車準備が出来たブロッケン行きの8935列車。8両の客車を牽引するは、HSBの主力機99-7234-0号機です。麓のヴェルニゲローデ(Wernigerode)から山頂のブロッケン( Brocken)までは約34キロ、30‰以上の勾配を上り、標高差891mの標高1,125mまで参ります。
まだ本格的なシーズンに入る前で月曜日の午後とあって乗客は少ないようですが、それでも親子連れや年配者がホームで蒸気機関車の見学をされていました。これから約2時間の山岳鉄道の旅が始まります。

01_Map5(圧縮)▲ ハルツ狭軌鉄道(Harzer Schmalspurbahnen GmbH 、略称;HSB)は、1993年に2つの鉄道会社が合併してできた会社です。1つは1887年にゲルンローデ~ヘルツゲローデが開業されたGHE、もう1つは1893年にノルトハウゼン~ヴェルニゲローデが開業されたNWEでした。ゲージは1,000㎜、総延長は140.4キロ、25両の蒸気機関車(ナローのみ)、13両の気動車、11両(?)のディーゼル機関車が在籍します。 ※HSBの公式HPはこちらです。

01_Map4▲ ホームにあった路線図。ハルツ狭軌鉄道と言えばブロッケン線だけかと思っていましたら、他にもHarzquerbahn線は61キロ、Selketal線は60.4キロとあったのですね。保存鉄道にしては長距離路線です。3日間の滞在ですので、これでは全部見るのは難しそうです。

01_時刻表▲ ブロッケン線の時刻表です。列車番号下の絵文字はお分かりと思いますが、ディーゼルカー運用も早朝、最終とあります。昼間に上り8820下り8904は、ノルトハウゼンからの1往復蒸気機関車列車が運用されています。
この時刻表の面白い所は、駅名の後に標高が記載されている事です。”Schierke”から山頂のブロッケンまでは、440mもの標高差があります。グラスマークは食堂車です。どんな料理が用意されているのでしょうね。楽しみです。

第9日目 6月2日 その2
① ヴェルニゲローデ13:25(8937)→15:30ブロッケン
② ブロッケン→ヴェルニゲローデ
03_切符1
03_切符2

時刻表でお分かりのように乗れるブロッケン行きの列車は13:25発です。これを逃すと次は1時間半後ですので間に合うように駅に参りました。

切符は硬券でブロッケン行きは均一料金の往復35€(約4,950円)。日付印はなく手書きです。
05▲ 13:14 駅舎内はいろいろなグッズ類が並べられて販売されています。雑誌もありましたが重くなります。欲しかったのですが、泣く泣くあきらめました。

0709▲ ホームは頭端式になっています。
09_109_2▲ この列車の編成は、アンティークな全車オープンデッキの8両(1両;13.8m)。1号車のみ半室荷物車ですが後は全て座席車でした。この列車には食堂車の連結はありません。

10▲ 車内中央はトイレ、落とし込み式ですので停車中は利用不可。

02_102_211_112▲ ホーム側に設置されたお立ち台からは転車台や機関庫、そしてホームに入線してくる蒸気機関車を見る事ができます。

この鉄道で変わっているのは枕木です。
ご覧のように鉄製斜め枕木をY字形に敷いてあります。どういった意味があるのでしょうか。

少し遅れての発車、最後部の展望席で車窓を楽しみます。

13_1▲ 13:42 次の駅Wernigerodeにて、99-7337-3号機牽引の下り列車と交換。こちらの列車もそれほどの乗車率ではありません。

14_115▲ 13:55 街中を走り、4番目の駅Steinerme Renne に到着。ここでも列車交換ですが、入線してきたのはテンダーファーストの99-7239-9号機と正向きの99-5902号機の重連です。牽引している客車も貨物車+レトロなダブルルーフ客車+900形客車でした。特別な列車だったようです。

ここから列車は本格的な山岳区間に入りました。
16▲ 緑のトンネルを走ります。次のDrei Annen Hohne までは、30‰を越える勾配が続いていきます。駅間距離9キロもあって、途中には信号所がありました。

171819▲ 14:14 Drei Annen Hohne に到着。この駅はノルトハウゼン方向への分岐駅です。
2ホーム3線の駅で、時間帯によっては3列車の交換光景が見られるそうですが、この時間帯は山から下りてくる列車との交換待ちです。

しばらくの停車時間がありましたので、ホーム売店で買った遅い昼飯です。ビールとのマッティングを良くて美味しくいただきました。

99-7241-5号機牽引の山からの列車が着くと大勢の乗客が降りてこられました。
皆さん、ここで停めておいたマイカーに乗換えるようです。
20▲ 14:45 30分遅れで発車、ブロッケン山へと分岐しました。

21▲ 14:43 ブロッケン手前の駅 Schierke に到着。最後の交換駅です。
大津の86さんから、ブロッケン山は自然保護区になっていて、この駅より上は一般の自動車の乗り入れは厳しく制限されてていると教えていただきました。皆さんはここでマイカーを置いて列車に乗り換えて行かれるのです。構内には駐車場が設置されていました。

2223▲ 15:01 山から99-236牽引の列車が降りてきました。既に20分以上の遅れですが、これで山頂へと向かえます。

これから標高差440mを登る登山鉄道の第2章の始まりです。 Part16へ続く

2014年 ドイツ、メルヘン鉄道の旅 Part15 ハルツ狭軌鉄道 その1」への2件のフィードバック

  1. ぶんしゅう旅日記様
    毎回旅日記を楽しみに(盛んな旅をうらやましく)読ませていただいております。
    斜め枕木、あっと驚きました。こうすると犬釘のゆるみは論外として、軌間保持が強固になります。トラスブリッジの斜柱を想像すると理解できると思います。

    • 村樫大先輩様、コメントをいただきまして、ありがとうございます。
      またいつもデジ青をご覧いただきましてありがとうございます。
      最近は鉄研三田会のご後輩の方々とご一緒に海外に出かける機会が多くなり楽しい旅をさせていただいております。ありがとうございます。
      掲載させていただきました斜め枕木ですが軌間保持が強固になるのですね。今後行きます鉄路でも同じような例がないか気を付けて見て行きたいと思っております。

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