荒木祥智様から試験台車を履いているのはJR東のサハ204-105だと教えて頂き、早速(遅れ馳せながら)確認のために山に登ってきました。まずは全景から。
標準レンズで撮るとこんな感じで、車両の位置が判りにくいでしょう。中央やや左寄り 川沿いの木立の手前にマルーン2両+アルミ色1両が停まっています。400mmの望遠で見ると こうなります。
確かに6扉のサハ204です。肝心の台車は小屋の陰でよく見えません。800mmの望遠で見てみましょう。
よく見てみると1554の貫通扉から太いダクトがサハの貫通扉に渡っているのが見えます。その下の連結器を見ると、連結器高さが異なる為か 斜めになった特殊な棒連結器のように見えます。1504号のパンタは上がっているものの 付近に人の姿はなく走行試験中ではなさそうでした。台車の性能試験をするなら空車時や死重を積んだ積車状態でテストするのだと思いますが、死重の積み降ろしに便利な6扉車が試験車両として選ばれたのかもしれません。
走行中の様子は見れなかったものの サハ204であることは確認できたので、他の車両の様子もチェックしておきました。草っ原に放置されている広電555号は錆も浮き出て痛々しい状態です。解体するにもお金がかかるのでお役御免で放置されているのならかわいそうな末期です。
この工場の主力製品はゴムタイヤ式の新交通システムです。屋外に何種類かの車両が見られました。まずはマカオLRT向けの車両たちです。
私はこの種LRTにはあまり興味がないこともあって マカオ以外の2種類の車両の向け先はわかりません。青いウエーブの方は単車運転用のようですからどこかの空港(多分海外)のターミナル間連絡用と思われます。
緑のウエーブの方は片運ですので 何両編成かになる車両でしょう。トレーラーに乗せているのは このまま一般道路を走るのではなく 工場建屋内から屋外に移動するためで、試運転線に乗せるために大型クレーン車2台で吊り降ろそうとしているように見えました。
と言うことで、サハ204のことを地元民が全く知らず 荒木殿に教えて頂いてようやく見に行くという不細工な顛末でした。この展望所は次第に有名になっているようで、ネットにも同じような写真が散見されます。瀬戸内海国立公園 筆影山の登山道の途中で、公共交通機関はなく、マイカーかタクシー、あるいは徒歩で行くことになります。この地点に来る途中に呉線の沼田川橋梁を俯瞰できるポイントもあります。もし行ってみたいという方がおられましたら 瀬戸の眺望も含めご案内致しますので遠慮なくお知らせ下さい。
地元とはいえわざわざご探訪頂き恐縮です。残念ながらどういう構造の台車か、新聞の写真を見てもよくわかりませんね。
以前、鉄道技術関係図書で脱線の要因として「横圧」と「輪重抜け」があることを知りました。横圧とは文字どおり車輪に横向きの圧力がかかるもので、これが大きいとレールを破壊したり、フランジがレール踏面に競り上がって脱線に至るということでした。もう一つの輪重抜けは、レールの歪みや負荷のアンバランス等により台車にかかる負荷が乱れ、一時的にある車輪にかかる重量が極端に減り、無輪重状態になることにより車輪が浮き上がる現象です。前者は高速(通常)走行時に、後者は低速時に発生することが多いとされます。入替え中の脱線やA団地下鉄の事故は輪重抜けが疑われているようです。
今回の台車はこれらに技術的にどう対処しようとしているのか、小生には技術的なことは
わかりませんが、大いに興味あるところです。
それにしても元広電555号の状態はヒドイですね。一般の公園等での放置ならいざしらず、とても鉄道車両に関係する施設の仕打ちとは思えませんね。近畿車両に飾られている元阪堺の電車は、方屋根ですが一応雨風は凌げるよう大事に保管されているのとは大違いで、可哀想ですね。こういう放置(保存・保管ではない!)の仕方に何の意味があるのでしょうか。
1900生様
さっそくのコメントありがとうございます。私も技術的なことはよく判っておりません。現役時代BOXでは主として乗り心地についてでしたが台車論議が活発でしたね。台車の絵の上手な絵描きさんもおられたような・・・。555号は哀れです。我が家が広ければ買い取って整備して楽しむのですが 残念ながらそうもゆきませんね。