優勝パレードと花電車

またカープか、また広電かと言わずにご覧下さい。11月5日はカープのセ・リーグ優勝記念パレードと優勝報告会が行われるということで、是非その賑わいの中の広電を撮ろうと早起きして広島へ出かけました。優勝パレードのスタートは10:30ですが、余裕をみて三原を7:00台のJRに乗り込みました。休日の早朝とあってなんとか座れましたが、どう見てもパレードを見に行くとしか見えない乗客も多く乗っています。115系4連は西条、八本松あたりで通路もぎっしりの平日並みの乗車率。海田市では積み残しが出るほどの混みようです。この日は土曜日ですから、普段なら休日ダイヤとなって、朝の通学・通勤時間帯の列車は間引かれるのですが JRは混雑を見越してあえて平日ダイヤで運行するとともに、増結もしていましたが それを上回る人出のようです。

さて 優勝パレードは平和大通りを西から東に進むのですが、どこで広電を撮るかで悩みました。結局 あえて最も人が集まりそうな鯉城通りの白神社(しらかみしゃ)前交差点で撮ることにしました。そのためにJR新白島駅でアストラムラインに乗り換えて、白神社交差点に近い本通駅まで行くことにしました。しかしこれは失敗でした。JRや広電が混雑を見越して平日ダイヤで運行しているのに、広島新交通は読みが浅く休日ダイヤだったのです。ドアが閉まらないほどの超満員で乗れないのです。1本はやむなく見送りましたが、遠慮していてはいつまでたっても乗れないと思い、次の列車に無理やり乗り込みました。こんな寿司詰めのアストラムは初めての経験でした。多分定員以上に乗っていたと思いますが、加速は悪くなく 余力のある走り振りで変なところで感心したアストラムラインでした。

本通駅終点で地上に出て平和大通り方面へ人波に流されるように歩きました。予告通り袋町電停は混雑を避けるため「電停封鎖」されていました。

H28-11-5 袋町電停は封鎖

H28-11-5 袋町電停は封鎖

封鎖された電停には広電社員が立っていて、電車の通過を誘導しています。電停で写真を撮らせてもらおうとしましたが、「封鎖ですから入れません」とダメでした。

袋町電停を通過してゆく913号

袋町電停を通過してゆく913号

平和大通りとの交差点 白神社前交差点に着いたものの どのアングルから電車を狙おうかと悩みました。すでに電車通りの横断歩道は規制されていて渡れず、随分遠回りしないと向かい側へ行けません。撮影ポイントを探しながら随分歩き回りましたがなかなか良い場所が見つかりません。まだ本格的な交通規制はされていないものの 交差点の南方の中電前電停には北行きの電車がだんご状態になっているのが見えます。

中電前電停にたまりだした北行き電車

中電前電停にたまりだした北行き電車

どんどん人が集まって交差点周辺はパレードを待つ人で埋まりはじめています。交差点にある白神社の境内から狙ってみることにしました。失礼ながら 狛犬の石像によじ登ってカメラを向けてみました。

白神社交差点の人波とその中を行く1900型

白神社交差点の人波とその中を行く1900型

昨日 広電のホームページを見たところ パレードの日の午前中の花電車は混乱を避けるために運休しますとのメッセージが出ていました。やむを得ない措置だと納得し、パレードと花電車のツーショットは撮れないと諦めていました。ところが ナツ 何と!? 貨51号花電車が中電前電停の向こうに来ているではありませんか。これは大変とあわてて場所を変えたところでパレードの先頭が交差点に姿を現わしました。低空を飛ぶ数機のヘリの爆音で 歓声や応援歌もかき消されるほどです。

松田オーナーと緒方監督が通過

松田オーナーと緒方監督が通過

すると 貨51号は交差点間近かまで進み出て、パレードを見送る位置で停車です。運休と言いながら ヒロデンさん、粋なことをするじゃないですか。パレードの進み具合、各系統の電車の進み具合を見ながら、ドンピシャのタイミングでこの位置に待機させるのはかなり難しかったのではと感激しました。更に考えれば、このシーンを想定したうえで、荷台に乗せた鯉を北向きに設置したのではとも思いましたが、考えすぎでしょうか。

新井選手と黒田投手が通過

新井選手と黒田投手が通過。花電車の運転士はバンザイ。

続いてオープンルーフのバスに分乗した選手たち

続いてオープンルーフのバスに分乗した選手たち。選手たちは花電車にびっくり。電車の運転士は敬礼。

バスはJR中国の4台

バスはJRバス中国の5台。普段は広島市内観光に使われている。

ジョンソン選手夫妻やジャクソン選手の姿も見える

ジョンソン選手夫妻やジャクソン選手の姿も見える

翌6日の中国新聞紙面も真っ赤でしたが、その中の航空写真の端に待機中の51号が写りこんでいました。パレードが通過したあとのショットです。

平成28年11月6日 中国新聞朝刊

平成28年11月6日 中国新聞朝刊 縦長の写真の一部

パレードは歓声のなか東に向かって進んで行きました。午後はズムスタでの優勝報告会となるわけです。パレードが通過して興奮がおさまると大群衆の大移動です。広電も心得たもので、続々と臨時電車がやってきます。多分車庫は空っぽだったのではないでしょうか。

3004と3007のツーショット 中電前電停にて かわいい「臨」の看板を掲げて

中電前電停の3004と3007のツーショット かわいい「臨」の看板を掲げて

元西鉄の602号が行く

3000に続いて 元西鉄の602号が行く

1909号 臨時「日赤病院前」行き

1909号 臨時0系統「日赤病院前」行き

定期の7系統は横川発「広電本社前」前行きです。7系統は本社前の南側の渡り線を渡って折り返しますが、この臨時系統は本社前のひとつ北側の電停「日赤病院前」を終点として 本社前の北側 日赤病院側の渡り線(千田車庫の入出庫線も兼ねている)で戻ります。少しでも早く混雑区間に戻すためでしょうか。ちゃんと「日赤病院前」との行き先表示幕も用意されています。

さて 初めて「電停の入場規制」なるものを見ました。

中電前電停の入場規制

中電前電停の入場規制

狭い電停に乗客が押しかけるのを予想して、歩道で並ばせて電車の到着を見ながら電停に誘導するという安全対策です。広電社内で相当検討を重ねられた結果だろうと感心し、乗客の安全を最優先する姿勢を見せられた気がしました。

午後も花電車は走る筈と思い、場所を変えることにしました。広島一の繁華街 本通り交差点の賑わいをご覧下さい。

本通りの横断歩道を行く赤い人たち

本通りの横断歩道を行く赤い人たち

腹ごしらえしようとしたラーメン屋さんも歩道で並ぶ混雑ぶり。食後は土橋へ向かいました。

土橋にて 貨51号

土橋にて 貨51号

江波車庫で昼休憩した貨51号がやってきました。51号はこれから広島港へ行き比治山線を通って広島駅に向かうのですが、今回も広島駅前に先回りして待つことにします。

ズムスタでの優勝報告会はすでに終了していて、広島駅前は球場からの赤い人波が途切れることはありません。手に手に記念グッズの袋を下げて、広電で帰路につく人たちも多く 乗り場は長蛇の列です。

レプリカユニフォームが当たり前

レプリカユニフォームが当たり前

かなり遅れて貨51号が到着しました。花電車はかなり認知度も上がっていて待ち構える人たちも多くなっていました。

多くのファンが出迎える

多くのファンが出迎える

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もう何度も目にした光景

女性車掌も子供たちとポーズ

女性車掌も子供たちとポーズ

好天に恵まれ 31万人が繰り出した 広島にとっては久方ぶりの大イベントでした。そんななかで広電さんもしっかりと役割を果たされたと敬意を表します。次はいつこんな経験ができるのか誰にも予想がつきませんが、花電車を追いかけた楽しかった1ケ月余りがこれで終わりました。花電車の運行も6日で終了です。広島でしか味わえない この盛り上がり方を感じて頂けたでしょうか。カープがんばれ!広電がんばれ!

優勝パレードと花電車」への4件のフィードバック

  1. 優勝パレードと花電車のツーショット素晴らしいですね。ヒロデンの花電車と観客輸送にかける心意気が伝わってきました。いい位置での撮影 広電社長へのプレゼントものですね。来年も期待したいです。

    • INUBUSE様
      さっそくのコメントありがとうございます。パレードと51号のツーショットは出来すぎです。広電社長へお礼としてお送りしようと思っていたところです。来年のことは言わないことにして余韻を楽しもうと思っています。当面は3100型を撮りに早朝出撃のタイミングを考えているところです。

  2. 広島の熱気が存分に伝わってくるレポートでした。それにしても熱狂ぶりは小生の予想以上でした。市民に愛されているカープがよくわかりました。
    こんな大勢の群衆の中でショットをものにされたご努力に感服しました。小生にはとても真似できません。各地の臨時列車を撮るときも、なるべく人の居ない場所を選ぶくらいですから。
    「電停の入場規制」とは面白い措置ですね。もちろん今まで聞いたことも見たこともありませんが、電停という条件を考えると有効な対策だと思います。そういえば京都市電でも祇園祭など人出の多いときがありましたが、どうしていたのでしょうね。
    かつて駅の入場制限は鞍馬の火祭時の叡電出町柳や、びわこ花火大会時の京阪浜大津で見たことがあります。感心したのは始発駅では満員にせず、ちょっと余裕を持たせて出すことでした。長蛇の入場待ちを考えると、それこそ超満員にしてでも発車させようと考えるものですが、前者の元田中や修学院、後者の上栄町からの乗車を見込んで、その分を空けておくのだそうです。そうしないと恐らく積み残し状態になってなかなか発車できず、ダイヤ乱れにつながるからという理由でした。広電の規制といい腹九分目の発車といい、輸送現場の先人の知恵というものでしょうか。

    • 1900生様
      お褒めの言葉をありがとうございます。運が良かっただけのことです。ご存知のように私も気が弱く 人を押しのけて前に出るのは苦手なのですが、パレードと51号の撮影時は この時ばかりは遠慮せずに撮影しました。歩道と車道の間に植え込みがあり、その植え込みの中に手ごろな高さの配電盤のようなものがたまたまあったので、そこに登って群衆の頭越しに何とか撮影できました。沿道には警官の姿は少なく、数多くの警備会社の警備員とボランティアが動員され、可般式の鉄柵を並べて観衆が車道に出ないようにしていました。しかし柵を無視して車道に飛び出したり 車列に近づく人も全くなく、実に整然とパレードが進行していたのが印象的でもありました。ただ近所の人でしょうか、押し合いへしあいの歩道上に自転車を押して見に来ている人がいて、ひんしゅくをかっていました。今広島では「カープロス」という言葉が良く聞かれます。連日連夜の試合に一喜一憂していた数ケ月が済んでしまって、気が抜けた状態になってボーっとしている状態のことです。私は幸いそこまで気が抜けておらず、デジ青への投稿や次なる作戦で忙しくしておりますのでご心配なく。祇園祭のことは私もどうしていたのだろうと気になっていました。大学入試シーズンには電停に長蛇の列が出来、続々と増発された市電がやって来る光景も思い出されます。京都市交もノーハウを持っていたと思います。また叡電や浜大津の話も確かに現場の知恵だと感心しました。広電もそういう現場の人たちに支えられているに違いないと思います。

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