5月下旬、今回のお誘いも台湾と同様にクモハ73106東ウラさんからでした。台湾、中国に続いての稚内での現地集合、7月11日~16日の5泊6日のツアーで、先はまだ行ったことのないロシアの樺太(サハリン)です。
数10回も行っています中国では北朝鮮、ロシア国境を見ながら一度は行ってみたいと思っていました。
台湾・中国から続いて3連発の海外渡航にはなりますが、失った気力を取り戻すには多少の無理はやっていこうと決断しました。今回のツアーは稚内港から船に乗ってのサハリン上陸です。12月の稚内訪問ではドームの稚内港駅を見ながら稚泊航路はどうだったのだろうか、乗船してみたかったなあと思っていたのも決断を後押ししました。
参加者は、クローバー会の準会員になられたクモハ73106東ウラさん、千住のヤスベエさんの2名と、不銹鋼號さん、NETさんを合わせて5名です。
参加を表明して直ぐに稚内へのANAの航空券は早い方が安く購入できますので押さえておきましたが、後日皆さん方の予定は8日または9日に空路で千歳空港へ、レンタカーを借りて撮影しながら札幌、そして10日に稚内へと向かわれることになりましたので私も遅れまいと、9日のJAL便で千歳に向かうことに切り替えました。
【 旅の準備 ロシアビザの取得 】
ロシア訪問についてはビザが必要です。調べると、2泊3日まではノービザになっていますが、これを超えると予めビザを取得しておかないと入国できません。大阪にビザ申請ができる在大阪ロシア連邦総領事館がありますのでネットから申請書類を印刷して記入していきました。
しかし、よく読んでいくと申請して直ぐにビザは発行されるものではなく、数日間はパスポートを預けなくてはなりません。通常で6~10労働日は必要という事は約2週間も預けなければなりませんが、今回は、6月23日~27日に中国大連・瀋陽へのツアーを予定しています。帰国する翌日の28日以降でないと申請には行けません。これでは日数が足りないと困っていますと10,000円の特別料金を支払えば3 労働日以内に受け取れる、またビザ申請に必要なホテルのバウチャーもネットで取得できると相談していました不銹鋼號さんから連絡を頂き、一安心しましたが直前まであわただしくなってきました。
バタバタすると思っていましたら台湾のツアー(6月8日~14日)の最中に右目硝子体出血(増殖糖尿病網膜症)発症で手術が必要となりました。ドクターからは、「硝子体手術を行います。手術はそれほど難しくはありませんが約2時間のオペ時間が必要です。眼球内に空気を入れますので、これが吸収されて消滅するまでは視力は戻らないし、航空機に搭乗すると気圧の影響で眼球が破裂するかもしれません。フライトは危険です。」と忠告を受けました。このために6月23日からの訪中は急遽、断念せざるをえなくなりました。関空~大連で予約購入していたANA便はキャンセルを入れましたが、医師からの診断書を送ればキャンセル料は発生せず全額返金されることになりました。中国内のツアー料金も15,000円のキャンセル料で済み、助かりました。
逆にロシアのビザ取得には余裕が出来ました。東京からのメンバー4名と同じくホテルや航空券、航路チケット、鉄道きっぷ等を依頼しています旅行代理店(ジェ-アイシ-旅行センタ-(株))へビザの申請依頼も可能となりました。すぐにパスポートと申請用写真を送り準備が出来ました。
▲ 7月8日に返送されてきたパスポートに貼り付けてあったビザです。有効期間は7月11日~19日の9日間です。最終決定行程に1日分を足した期間でした
【 稚内へのルート 】
予約購入していました伊丹からの札幌へのチケットについてもドクターストップが入りましたので、これもまたキャンセルですが、JALも医師の診断書提出でキャンセル料は発生しませんでした。
これで選択肢は鉄路か航路になりますが、航路は1日半を要します。
航路ルート
長岡京19:17(JR鈍行乗換3本;1,940円)⇒21:51東舞鶴22:30(乗継バス;200円)⇒22:40舞鶴港23:50(新日本海フェリー;9,570円)⇒翌日20:45小樽港(約1.5㌔、徒歩約20分)⇒JR南小樽駅21:18(JR鈍行;640円)⇒22:01札幌 所要時間;35時間17分
総合計は、12,350円とリーズナブルです。過去マイカーですが2回の乗船を経験しておりますので、時間はかかりますが魅力的なルートであると分かっています。船内にはljお風呂や映画館もあって設備は充実しています。レストランのメニューもお手頃価格で種類も多彩です。
鉄路ルート 長岡京7:24(快速)⇒7:31京都7:45(のぞみ)⇒10:03東京(はやぶさ)⇒14:37 新函館北斗15:15(スーパー北斗)⇒18:41札幌 運賃18,140円+指定席料金 17,290円=35,430円、所要時間;10時間17分
安さで選べば鉄路の1/3の航路ルートですが乗換えが多くて大変です。一方の鉄路ルートだと、時間と乗換え回数の少なさで勝ります。まだ東北・北海道新幹線(盛岡以北)やスーパー北斗に乗っていないので初乗車も魅力でしたので、余り迷わず鉄路ルートを選択しました。後はいかに安く費用を抑えるかです。
今までJR利用は青春18きっぷの時期か、以外では回数券のばら売り等の格安きっぷで済ませていましたので、私はJRの運賃・料金が大幅に安くなるジパング倶楽部にはまだ入会していませんでした。「のぞみ」や「みずほ」が利用できない、年会費3,770円がペイ出来ない等が入会しない理由でしたが、今回は東北・北海道新幹線や在来線特急の格安回数券が関西では売っていません。皆さんに安く行ける方法は何かないかと相談していましたが、ジパング倶楽部に入会以外はないとの結論でした。
【 ジパング倶楽部入会 】
ジパング倶楽部入会については駅に置いてあるパンフに必要事項と写真をいれて郵送すればできますが、分らない事もあったので大阪駅のTiS大阪支店内にある相談窓口に行くことにしました。入会後3回のきっぷ購入は20%割引、4回目からは30%割引ですのできっぷ購入回数を増やして最短で4回目に到達する方法を理解しておく必要があります。ジパング倶楽部に行く前に鉄道案所によってきっぷの買い方をよく理解されている女性スタッフに質問して予備知識を仕入れました。最近は契約社員が増えたようで 、今回も某駅で札幌までの切符を聞いたら新幹線で札幌まで行かれますかと大真面目に聞いてくるスタッフがいました。信じられないでしょうが、再度北海道新幹線の終着駅はどこですかと聞いたら、札幌と答えましたので全く鉄道知識が欠除しています。
① 札幌までの乗車券は東京で分けると結果高くつきますので、通しの方が安くになりお得です。また原則当日の発券ですが、窓口によっては当日以外の先まで発券してくれる場合もある。特急券と同時購入なら1ケ月前からでも発券可能。
② 東京から新函館北斗までの新幹線「はやぶさ」指定席と、札幌への「北斗」特急指定席券は同時に購入なら乗継割引(半額)を受けられる。
③ 東海道新幹線は「のぞみ」は、割引なしの全額、「ひかり」の場合はジパング割引が受けられる。
④ ①~③までは当日同じ窓口では別々では発券できない。まとめての1回分購入になる。
⑤ ②と③は①が購入できていないと発券されない。
⑥ 20%割引回数を早く達成するには、①を最初に②と③は、駅や窓口を替える必要がある。
以上を聞いてからジパング倶楽部で再度確認の上、入会手続きを完了しました。①の乗車券前売りはいつも窓口で指定していましたので全然問題ないと思っていましたが原則論は当日なのですね。でもいつからとなると、1ケ月前が適応されるのでしょうか?
①のきっぷはTiS内のカウンターで早速購入しました。▲ 長岡京駅に戻ってからはやぶさと北斗の特急指定席券の購入です。
◀ 東海道新幹線は「のぞみ」にするか「ひかり」にするか随分と悩みましたが3回分消化のために3日後にひかりに決めました。
【 行程の変更 】
サハリンへの行程の方も、帰路の16日に予定していたユジノサハリンスク(豊原)から成田へのアエロフロート航空便が6月18日から休止路線となり、ウラジオストック経由になったという連絡が入りました。当日のウラジオストックからトランジットで成田行きは選択できましたが、普通なら加金されますストップオーバーは航空会社の都合とあれば必要ありません。それならばウラジオストックに走るトラムの視察も入れようとなり私の合計日数は10日間に膨れ上がりました。
第1日目 7月9日
① 長岡京 5:54⇒ 6:05 京都6:23(ひかり)⇒9:10 東京
② 東京 9:36(はやぶさ)⇒13:38 新函館北斗 14:11⇒17:41 札幌
5:00 前回の台湾行きから寝すぎても起こしてくれる愛妻はいません。朝早いので前夜からは徹夜で朝を待とうとしていましたが午前2時過ぎには沈没、しかし3台も用意した目覚まし時計のおかげで無事起床、眠気覚ましのシャワーを浴びてから余裕を持って自宅を出ました。
▲ 9:20 東京駅で「はやぶさ」へ乗継です。東北・山形・秋田・北海道・上越・北陸新幹線と共通のホームには分単位で列車が発着します。
▲ 9:22 折り返しの「はやぶさ」入線ですが車内へ入れたのは発車2分前でした。
◀ 11:13 仙台過ぎた頃にを駅そばならぬコンビニそばを食します。
▲ 13:38 前回は在来線に乗車して青函トンネルをくぐりましたが、同じスピードながら今回は新幹線です。高架区間を走り定刻に新函館北斗に到着しました。初めて降りる駅ですが殆どの下車客は在来線に乗り換えられます。
▲ 13:40 私はここから特急「北斗」に乗り換えて札幌を目指します。
▲ 在来線で函館に向かう皆さんは乗継改札を出るとUターンして1番線に向かわれますが分り辛いようで駅員が立って案内されていました。確かに通常の乗換パターンの動線ではありません。私が乗る3番線もL字型の動線ですが、分り難い動線です。
▲ 降りた在来線ホームですがホーム幅が狭い。用地はありますのでどうしてもう2mほど広くしなかったのかと思いました。以前は渡島大野駅で新幹線との接続駅になった事で駅名が改称されましたが、北斗市に位置することから「新函館」とはならず大いに揉めたそうです。妥協案が「新函館北斗」と観光客には馴染みのないすっきりとしない駅名に落ち着いたようです。
【 車両位置が分からない新函館北斗駅ホーム 】
ホームに下りましたが私が乗車する5号車の車両停止位置の表示がありません。通常はホーム上に表示か、ホーム屋根下にぶら下がった表示板があるのですが何らの数字表示はありません。ただ「メロンのイラストが描かれたM」や「ラベンダーのイラストのL」が描かれた表示板が屋根下のあります。何らかの表示と思いますが理解できません。
どこで待っていればいいのかと困っていますと、今度は「本日は使用車両が変更なりました。そのためにグリーン車の位置が3号車から1号車に変更なっております。1号車の指定席のお客様は3号車になりました。」とのアナウンスが流れましたので、ただでさえ車両位置が分からない乗車客は大混乱です。駅員はホームに総出で対応に大わらわです。
北斗13号の通常車両は183系7両編成でしたが、今日は261系の8両編成に変更されたために、グリーン車も3号車から1号車になったわけです。ホーム上の車両位置も編成によってその都度、変更なるそうで混乱に拍車をかけています。
こんな厄介になる事は、利用者の立場で物事を見ようとしない、上の人がきっと思い付きで決めたのでしょうね。JR北海道の現状を見た気がしました。
① B クマ、② C 牛、③ E ワシ、④ G カモメ、⑤ I あやめ、⑥ K 昆布、⑦Lラベンダー、⑦ M メロン、⑧ F キツネ ※⑦は双方が隣接しているので断定できない。
駅員にお聞きしますと、上記が車両位置、英字、イラストだそうです。①は1号車です。2016年7月頃に設定されたそうで、英字はイラストの英文の頭文字で、例えばBのクマは英語のBearからきているとの事です。こういった説明書きがホームの壁面にでも案内掲示されていましたら利用客の混乱も少しは避けられると思いますが、残念ながら乗客の身になって考える駅員もいません。JR北海道の広報にもお聞きしましたがこの設定については把握していないそうで、駅員も利用客からの苦情は多く、廃止した方が良いとの意見が出ているそうです。それなら早く止めるべきです。
▲ 14:10 定刻に入線して来た「北斗13号」261系の8両編成です。
▲ 増車なった8号車の車内です。自由席車両となって立ち席客は出ませんでした。
▲ 14:15 そばだけでは朝昼兼用にはなりません。東京駅で買ってきた鮭はらこ弁当を広げることにしました。
値段の割には美味しい駅弁でした。
稚内のドーミーインホテルなら朝食に好きなだけ食べられるのですが今回は満室でドーム近くの木賃宿です。
▲ 17:41 懐かしい車窓にくぐ付けになりながら定刻に札幌着。所要時間は11時間47分でしたが、乗り疲れはありません。大満足の乗り鉄旅でした。
▲ 18:04 駅前のヨドバシカメラで買い物をしてから駅前正面の今日のホテル、R&Bホテルへと向かいました。
▲ 20:40 皆さんとホテルは3カ所に別れていました。すすきのの交差点で集合して、クモハ73106東ウラさん馴染みのお店に向かいます。
札幌が好きで沖縄から来られた19歳の可愛い専門学校の学生さんがお迎えです。
▲ 札幌の来ればやはり新鮮な魚介類です。お酒もようやく解禁になった私には最高の旅の一日目になりました。お誘いいただきましてありがとうございます。明日からの活力が出ました。 Part 2へ続く